![]() | 檻-おり- 烏城あきら著 / 今 市子イラスト 徳間書店 キャラ文庫2007-11-27 by G-Tools |
封印されたあの庭には、決して入ってはいけない――。
幼い頃から憧れていた、優しい従兄の宗司と同居することになった稔。けれど、日毎に募るほの暗い想いを持て余した稔は、ある夜、禁断の庭へ足を踏み入れてしまう。
ところが、庭の茶室で自慰に耽る稔を目撃した宗司は、様子が一変!「なぜここにいる」と猛々しく稔を抱いてきた!
宗司の激情に、稔は歓喜と恍惚の中で陵辱されるが!?
幼い頃から憧れていた、優しい従兄の宗司と同居することになった稔。けれど、日毎に募るほの暗い想いを持て余した稔は、ある夜、禁断の庭へ足を踏み入れてしまう。
ところが、庭の茶室で自慰に耽る稔を目撃した宗司は、様子が一変!「なぜここにいる」と猛々しく稔を抱いてきた!
宗司の激情に、稔は歓喜と恍惚の中で陵辱されるが!?
牧村宗司(まきむらそうじ・30代半ば)×畝川稔(せがわみのる・22歳)
従兄弟同士。宗司は自宅でデイトレーダー、稔は無職。烏城さんなのに、仕事場面が全くない!
幻想的な、耽美風のお話でした。
父の残した遺産で、病弱の母と二人きりで過ごす稔。通っていた美大も辞め、母を見るためほとんど家に籠った状態です。
そこへ、母の義姉で稔の伯母にあたる牧村聡子が訪ねてきて、一緒に暮らさないかと持ちかけてきます。
聡子には息子が一人いるのですが、息子の宗司は牧村家の仕事には関わっておらず、現在は聡子がそれを切り盛りしています。
その手伝いもかねて・・・と誘われ、親子は牧村家に身を寄せることになります。
病がちの母を抱え、自分以外にも人の目があることは稔の安心に繋がります。が、それだけではなく、従兄の宗司は、稔が自分が同性愛者だと気づくきっかけとなった相手でもありました。
もちろん想いを告げようと思ったわけではなく、兄と弟のように側にいられれば・・・と願っているだけなのですが。
稔が牧村家に引っ越してみると、庭には立ち入り禁止となった、封鎖された茶室がありました。
京都にある有名な寺の茶室を模したものだというそれに稔は興味を抱きますが、母も伯母も宗司も、その茶室については過剰に不自然な態度をみせ、絶対に行くな、というばかり。
この茶室にまつわる秘密と、この閉鎖された場所が物語りの舞台、中心となるわけですね。
庭の中に、笹垣に囲まれてひっそりと経つ、封印された場所。
そこで起きた過去の執愛の顛末と、宗司と稔たちとの対比や共通点、血とか業とか、そんなものを匂わせつつ、実は稔の母と宗司の母、二人の女性たちの思惑もそこには絡んでいた・・・?
檻に囚われちゃったのか捕らえちゃったのか。
閉じた世界で陰々と、でも本人たちは幸せ。
烏城さんのおっしゃる「外からは醜く歪んでいても、内部は丸く平穏」というようにスンナリ入ってきたので、これがいいとか悪いとか、なんなんだこれはとか、そういう疑問はあんまり持ちませんでした。
結論から言うと、「何も問題ない」と思うんですよねー。
雰囲気や、封鎖された秘密のにおいや、心霊現象的な出来事などで惑わされてしまうんですけど、実際、特に悪いことしてるわけではないですよね(男同士ということは置いといて)。
代々男同士がくっついてしまうとか、その男たちの蜜月の場所である茶室とか、そこが何か禁忌と結びつくというのなら、もうちょっとなんか強調してもらわないと・・・。
味付けでちょっと変わったものになってるけれど・・・って、つまりそこがこの物語の『味』なんだと思うけど。
母親たちと同居して、Hしたい時は二人になれる茶室に仲良くお籠りして、そんな睦まじい姿を洋館の窓辺から見つめる母たちは「良かった良かった」と、そういうこと。
過去の恋は周りの人を傷つけてしまったけれど、この二人はそんなことにもなりそうにないですしね。
傷ついた人たちも、今回は納得づくだしね。
終わってみれば、かなりいい環境ですよね(笑)
時には4人でアットホームな雰囲気を醸しだしちゃったりしてね・・・。
従兄弟同士。宗司は自宅でデイトレーダー、稔は無職。烏城さんなのに、仕事場面が全くない!
幻想的な、耽美風のお話でした。
父の残した遺産で、病弱の母と二人きりで過ごす稔。通っていた美大も辞め、母を見るためほとんど家に籠った状態です。
そこへ、母の義姉で稔の伯母にあたる牧村聡子が訪ねてきて、一緒に暮らさないかと持ちかけてきます。
聡子には息子が一人いるのですが、息子の宗司は牧村家の仕事には関わっておらず、現在は聡子がそれを切り盛りしています。
その手伝いもかねて・・・と誘われ、親子は牧村家に身を寄せることになります。
病がちの母を抱え、自分以外にも人の目があることは稔の安心に繋がります。が、それだけではなく、従兄の宗司は、稔が自分が同性愛者だと気づくきっかけとなった相手でもありました。
もちろん想いを告げようと思ったわけではなく、兄と弟のように側にいられれば・・・と願っているだけなのですが。
稔が牧村家に引っ越してみると、庭には立ち入り禁止となった、封鎖された茶室がありました。
京都にある有名な寺の茶室を模したものだというそれに稔は興味を抱きますが、母も伯母も宗司も、その茶室については過剰に不自然な態度をみせ、絶対に行くな、というばかり。
この茶室にまつわる秘密と、この閉鎖された場所が物語りの舞台、中心となるわけですね。
庭の中に、笹垣に囲まれてひっそりと経つ、封印された場所。
そこで起きた過去の執愛の顛末と、宗司と稔たちとの対比や共通点、血とか業とか、そんなものを匂わせつつ、実は稔の母と宗司の母、二人の女性たちの思惑もそこには絡んでいた・・・?
檻に囚われちゃったのか捕らえちゃったのか。
閉じた世界で陰々と、でも本人たちは幸せ。
烏城さんのおっしゃる「外からは醜く歪んでいても、内部は丸く平穏」というようにスンナリ入ってきたので、これがいいとか悪いとか、なんなんだこれはとか、そういう疑問はあんまり持ちませんでした。
結論から言うと、「何も問題ない」と思うんですよねー。
雰囲気や、封鎖された秘密のにおいや、心霊現象的な出来事などで惑わされてしまうんですけど、実際、特に悪いことしてるわけではないですよね(男同士ということは置いといて)。
代々男同士がくっついてしまうとか、その男たちの蜜月の場所である茶室とか、そこが何か禁忌と結びつくというのなら、もうちょっとなんか強調してもらわないと・・・。
味付けでちょっと変わったものになってるけれど・・・って、つまりそこがこの物語の『味』なんだと思うけど。
母親たちと同居して、Hしたい時は二人になれる茶室に仲良くお籠りして、そんな睦まじい姿を洋館の窓辺から見つめる母たちは「良かった良かった」と、そういうこと。
過去の恋は周りの人を傷つけてしまったけれど、この二人はそんなことにもなりそうにないですしね。
傷ついた人たちも、今回は納得づくだしね。
終わってみれば、かなりいい環境ですよね(笑)
時には4人でアットホームな雰囲気を醸しだしちゃったりしてね・・・。
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。
烏城さんには珍しい閉じた淫靡なお話だと思いました。
茶室の謎はオドロしいけど、なんとなくよくある設定だったかもと思います。謎が解けたとき、やっぱりねと思いました。
でも、私的にはこういうお話は好きです。やっぱり、タブーな関係は『閉じた世界』ですよね。
>時には4人でアットホームな雰囲気を醸しだしちゃったりしてね・・・。
えっ、そこまでは思いつきませんでした(笑)。
TB、宜しくお願いします。
烏城さんには珍しい閉じた淫靡なお話だと思いました。
茶室の謎はオドロしいけど、なんとなくよくある設定だったかもと思います。謎が解けたとき、やっぱりねと思いました。
でも、私的にはこういうお話は好きです。やっぱり、タブーな関係は『閉じた世界』ですよね。
>時には4人でアットホームな雰囲気を醸しだしちゃったりしてね・・・。
えっ、そこまでは思いつきませんでした(笑)。
TB、宜しくお願いします。
こんにちは、桃さん。
烏城さんには珍しい感じでしたね。
確かに、茶室という日本的で閉じられたアイテムは淫靡さをかもし出していましたけども・・・。
主人公たちよりも、過去に起きた恋愛の方が、より禁忌で淫靡な匂いを感じました。
母親たちの思いも、考えようによっては深いですが、結果的にはずいぶん丸く収まってるなぁ~と思っちゃったんですよね。
男同士はもちろんタブーなんだけど、親がいいならいいじゃん、みたいな(笑)
もう一息、何か欲しかったかなぁ~というところでした。
TBありがとうございました~!
烏城さんには珍しい感じでしたね。
確かに、茶室という日本的で閉じられたアイテムは淫靡さをかもし出していましたけども・・・。
主人公たちよりも、過去に起きた恋愛の方が、より禁忌で淫靡な匂いを感じました。
母親たちの思いも、考えようによっては深いですが、結果的にはずいぶん丸く収まってるなぁ~と思っちゃったんですよね。
男同士はもちろんタブーなんだけど、親がいいならいいじゃん、みたいな(笑)
もう一息、何か欲しかったかなぁ~というところでした。
TBありがとうございました~!
2008/01/23(水) 16:28 | URL | mimu #-[ 編集]
この記事のトラックバックURL
http://0hz.blog112.fc2.com/tb.php/850-29108278
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)烏城あきら著。Chara文庫読み出した途端、どこかでこれ読んだなあと思っていたら、『小説Chara vol.13』掲載作品の大幅加筆修正だったんですね。烏城さんといえば、シャレード文庫の働く男たちのお話が印象的ですが、こちらはほの暗...
2008/01/23(水) 13:11:58 | 桃の楽園