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4576081403満天星
神江真凪 / 立石涼
二見書房
シャレード文庫 2008-09-22

by G-Tools

図書室司書として働く天涯孤独な江上喬は、ずっと心の支えにしてきた小説があった。その著者である君塚映司を、そうとは知らずに年上の友人として慕っていた喬は、ある夜、酔ったはずみで彼に抱かれてしまう。
「初めて会ったときから、どんなことをしてもほしいと思った」
――戸惑う喬に、これまでにない強引さで脅すように付き合うことを強要してくる君塚。
やがて彼の真摯な優しさに身も心も惹かれるようになる喬だが、君塚の執着の秘密を知り――。
君塚映司(きみづかえいじ・27歳)×江上喬(えがみきょう・23歳)
デビュー作で大ヒットを飛ばしたがそれ以降は書かない小説家×企業の郊外施設の図書室司書

両親を亡くし、育ててくれた祖母も亡くなって一人になった喬は、住んでいた町を出て、図書室司書として働いています。
そこにやってきていたのが君塚。やがて二人は親しくなりますが、食事を一緒にしたある晩、酔った喬は、翌朝、全裸で同じベッドに自分と君塚が寝ているのに気づく。
なかば脅されるように君塚とつきあうことになり戸惑う喬ですが、君塚は何においても真摯で優しく、その生い立ちから心に影を抱えていた喬は、その優しさに癒され、時間をかけて君塚を受け入れ、自分も彼を好きになっていく。

その過程がかなりゆっくりしたペースで半分以上のページを費やして書かれていますが、やっと君塚への気持ちを自覚し幸せを感じた…と思ったら、実は君塚が喬に声をかけ大きな執着を示したのには理由があったことを知ります。
それを知った喬は、しばらく離れることを提案し、二人は会わなくなる。

その間にいろいろ折り合いをつけて(笑)本当に結ばれる話。
非常に地味な展開だし、象徴のように何度も描写される夜の海に白く浮かび上がる波頭、空には満天の星、または降る雪・・・と結構「暗い」感じがしました。表紙も黒っぽいし(笑)

喬が君塚の気持ちを受け入れるまでにすごく時間がかかり、丁寧なのは良いことなのですが、このテンポはまるで「ブレーキがかかってる」感じ。ちょっとかったるくなって読むのに時間がかかった(笑)。

まあ、やっとのことで幸せになったと思ったら、秘密を知ってドカンと落とされるという落差は見せ場でもあるわけなので、そこまで少しずつ盛り上げていくのもいいけれど、私が思うにこれがあんまりドカンと落ちてないんですよ。

大騒ぎするのがいいというのではなく、そんな感じで全体的に、ゆっくり淡々としたお話という感じでしたね。
君塚が喬に惹かれた理由も想像つきやすいし、そのあとの気持ちの変化も説明されるまでもなく丸わかり。
そういう意味ではハラハラすることはありませんでした。
哀しみを乗り越えて結ばれるお話で、優しさも感じられる、バタバタBLに比べたらいいと思うんですけど、なんせ中盤までのペースがかったるいんだよなぁ・・・(^^ゞ
コメント
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。

このお話、面白いかなとおもっとゲットしてあるのですが、表紙イラストがダークなので、気分が乗らず、ちょっと出遅れています。

かったるいんですか~。丁寧なのは好きでが、話が進まないのは焦れますよね。途中で眠くならなければいいんですけど(笑)。

読んだら、又来ますねv
2008/10/15(水) 12:49 | URL | 桃 #-[ 編集]
>桃さん
こんにちは、桃さん。

たぶん読む時の精神状態にもよるでしょうが、この時はこの「じっくりゆっくり」がダルかったんです(^^ゞ
基本的には丁寧なお話は好きなんです。
ごく普通の人たちのお話というのも、好きですしね。

攻も受も比較的テンションが低い人たちなので、話としてもあまり盛り上がってないかなぁ~。
淡々と静かに展開していくという感じですね。
ちょっと腰をすえて読む気の時の方がいいかもしれません。

はいはい、いつでもお待ちしてますよv
2008/10/15(水) 14:35 | URL | mimu #-[ 編集]
こんばんわ、はじめまして、みぃといいます。
この作品、新人作家さんであまり書評を見かけなかったので嬉しいです。
私は暗い作品が好きなのでこの表紙の雰囲気で購入してみたんですが、
どうも盛り上がりに欠けていたため、印象の薄い作品だったかなぁと思いました。
mimuサマは神江さんの作品の他2作も読まれているようですが、他の作品はオススメですか?
2008/10/15(水) 19:29 | URL | みぃ #-[ 編集]
mimuさん、こんばんは。

そう。このお話って何か暗いんですよね~。
内容がずっと暗いわけでもないのに、何をしてるシーンでも何か…う、上手く言えないー!!
と、思っていたらmimuさんの↑上のコメントで目から鱗。
テンション低い人たちなんですね~。
何だか少しスッキリです~。
2008/10/15(水) 21:14 | URL | にの #-[ 編集]
>みぃさん
みぃさん、こんにちは、はじめまして!
コメントありがとうございます。

みぃさんは暗い作品がお好きなんですね。
これは所謂「ダーク」という暗さじゃなくて、「雰囲気的に暗い、なぜなら盛り上がらないから」・・・という感じだったような気がします。

神江さんの他作品ですが、「青空の下で抱きしめたい」は擬似家族モノでほのぼの系、「First Love」は再会モノやり直し系で、みぃさんのお好きな「暗さ」とはちょっと違うかもしれませんのでお好み的にはどうでしょうか?
でも、個人的にはどちらもそれぞれ楽しんで読んだ記憶がありますよ。
この「満天星」よりは確かに(笑)。
2008/10/16(木) 07:34 | URL | mimu #-[ 編集]
>にのさん
こんにちは、にのさん!

あはは、この人たちテンション低かったですよねぇ~?
脅されても抵抗弱かったですし、真実を知った時も、なんというかもうちょっとこう「ショックで前後不覚になって裸足で玄関を飛び出す」くらいのオーバーリアクションでもよかったような?(笑)

静かなお話はそれはそれでいいところがたくさんあるんですけど、これは微妙に作用してましたね。
2008/10/16(木) 07:41 | URL | mimu #-[ 編集]
こんにちは、mimuさん。

言われてみれば、大人しいキャラたちでしたねえ。

騒々しくてエキセントリックなBLキャラたちを見慣れている目には、すこし物足りなく感じられました。

でも、これはこれで、読んでいて丁寧なお話の進め方が好感持てました。

どこか突き抜けると、メリハリが利いたかもしれないですね~。
2008/11/06(木) 13:27 | URL | 桃 #-[ 編集]
>桃さん
こんにちは、桃さん。

私も丁寧な話は好きですし、比較的淡々とした話でも大丈夫なんですけどねー。
いろんなことをすっ飛ばして勢いだけで展開する話よりはずっといいです。

なのに何故か今回は「丁寧」が「停滞」に感じられてしまったんですよ。
どこか一瞬でも感情を爆発させる場面があっても良かったかもしれません。
2008/11/07(金) 08:35 | URL | mimu #-[ 編集]
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