相川仁は苛立っていた。高校入学以来毎日、ある男に漫才の相方になってくれとつきまとわれていたのだ。
かつて言葉のいじめにあっていた仁は、人に笑われるのが大嫌い。だがその男・土屋来は、仁がどんなに冷たく断っても諦めなかった。
「笑われることは怖いことやないよ」
不思議な熱を込めてそんなふうに口説く土屋に興味を持ち始めたある日、仁は当時のいじめの主犯格。福島と再会し……。
かつて言葉のいじめにあっていた仁は、人に笑われるのが大嫌い。だがその男・土屋来は、仁がどんなに冷たく断っても諦めなかった。
「笑われることは怖いことやないよ」
不思議な熱を込めてそんなふうに口説く土屋に興味を持ち始めたある日、仁は当時のいじめの主犯格。福島と再会し……。
土屋来(つちやきたる・16歳)×相川仁(あいかわじん・16歳)
「何でやねん!」
「これが男の生きる道!」
「マイスイートハニー!」
先日発売された「月も星もない」にもちょこっと出ている先輩お笑いコンビ『バンデージ』のお話です。コチラのほうが発売は早いです。すみません、積んでました。
「2」まで出ていて、「1」は二人はまだ高校生です。「月も星もない」ではすでに30代半ばとありましたので、20年ほども前のことなんですね。逆に読んでしまったので、「月・星」の主人公たちの二人への憧れを思うと、なんだか感慨深かったです。そうか、こんないきさつでこんな二人だったのか~と。
それもまた良し、でした。
高校入学式の日に顔を合わせてから二ヶ月、相川は毎日四六時中土屋につきまとわれています。
「お笑いコンビの相方になってくれ」と。
小学3年生のとき東京に転校した相川は、関西弁をからかわれて、いじめにあっていました。中学生になると同時に大阪に戻るまで、三年間続いたいじめのせいで、相川は心に傷を負い、人に笑われることに嫌悪と恐怖感じるようになっていました。
お笑いなどして人の笑いものになることになど耐えられるわけがなく、相川は冷たくきっぱり拒絶し続いているんですが、土屋はめげず全く諦めない。
いじめられていた相川(受)は「強くなりたい」と願いキックボクシングを習っていて、文字通り強いですし、性格も勝気なオココマエです。土屋(攻)の方は一見のほほ~んとして、ちょっとズレたノンビリやさん、そしてヘタレ大型犬のようなんですが、相川に口撃されてもデコピンされても嬉しそうに笑っている土屋がだんだん懐深い男に見えてきます。
相川が何か心に傷を持っていることを素早く察していてもおしつけがましくどうこうしてやろうとするのではなく、そのまんま受け止めて「お笑いは、笑われるものやないんねん。笑わせるもんなんや」「せやから、怖いことないねんで」と穏やかに言う土屋。
二人の会話はコンビを組む前の素の段階からツッコミ(相川)とボケ(土屋)そのままなのが面白く、土屋が相川にツッコまれて嬉しくてしかたなさそうなのがなんだか可笑しくて微笑ましいです。
けれど、叩かれて蹴られて嬉しそうにしている土屋は実は凄い度量の深いやつだった。
「2」でますますそう感じましたが、彼の深さ広さは半端じゃなくて、でもそれがヘタレになって外に現れてるのって凄い(笑)
関西弁で語られているので、そのリズムの面白さでコメディのように思えてしまいますが、実は結構シリアスだと思います。いじめられた理由、心の傷、そしていじめていた子の背景なんかは笑い事ではありません。
いじめていた福島(ふくしま)にどんな理由があっても、相川が「謝れば済む問題じゃない」と怒るのもすごくよくわかります。だけど同時に同じ経験をするまで相川の気持がわからず、わかって初めて後悔した福島の気持も理解できる。
いじめられた方にしてみれば、だからといって辛いことが消えるわけではないです。
でも、そこから踏み出して、乗り越えようとしていくお話でもあるんですね。そして手を貸してくれたのが土屋で、土屋の存在は相川にとってとても大切なものになります。。
公私ともに、相方、そして恋人となって「月・星」の彼らも出場した全国漫才コンテストで入賞しプロへの一歩を踏み出すまでが「1」になります。
「2」については次回にします。
「何でやねん!」
「これが男の生きる道!」
「マイスイートハニー!」
先日発売された「月も星もない」にもちょこっと出ている先輩お笑いコンビ『バンデージ』のお話です。コチラのほうが発売は早いです。すみません、積んでました。
「2」まで出ていて、「1」は二人はまだ高校生です。「月も星もない」ではすでに30代半ばとありましたので、20年ほども前のことなんですね。逆に読んでしまったので、「月・星」の主人公たちの二人への憧れを思うと、なんだか感慨深かったです。そうか、こんないきさつでこんな二人だったのか~と。
それもまた良し、でした。
高校入学式の日に顔を合わせてから二ヶ月、相川は毎日四六時中土屋につきまとわれています。
「お笑いコンビの相方になってくれ」と。
小学3年生のとき東京に転校した相川は、関西弁をからかわれて、いじめにあっていました。中学生になると同時に大阪に戻るまで、三年間続いたいじめのせいで、相川は心に傷を負い、人に笑われることに嫌悪と恐怖感じるようになっていました。
お笑いなどして人の笑いものになることになど耐えられるわけがなく、相川は冷たくきっぱり拒絶し続いているんですが、土屋はめげず全く諦めない。
いじめられていた相川(受)は「強くなりたい」と願いキックボクシングを習っていて、文字通り強いですし、性格も勝気なオココマエです。土屋(攻)の方は一見のほほ~んとして、ちょっとズレたノンビリやさん、そしてヘタレ大型犬のようなんですが、相川に口撃されてもデコピンされても嬉しそうに笑っている土屋がだんだん懐深い男に見えてきます。
相川が何か心に傷を持っていることを素早く察していてもおしつけがましくどうこうしてやろうとするのではなく、そのまんま受け止めて「お笑いは、笑われるものやないんねん。笑わせるもんなんや」「せやから、怖いことないねんで」と穏やかに言う土屋。
二人の会話はコンビを組む前の素の段階からツッコミ(相川)とボケ(土屋)そのままなのが面白く、土屋が相川にツッコまれて嬉しくてしかたなさそうなのがなんだか可笑しくて微笑ましいです。
けれど、叩かれて蹴られて嬉しそうにしている土屋は実は凄い度量の深いやつだった。
「2」でますますそう感じましたが、彼の深さ広さは半端じゃなくて、でもそれがヘタレになって外に現れてるのって凄い(笑)
関西弁で語られているので、そのリズムの面白さでコメディのように思えてしまいますが、実は結構シリアスだと思います。いじめられた理由、心の傷、そしていじめていた子の背景なんかは笑い事ではありません。
いじめていた福島(ふくしま)にどんな理由があっても、相川が「謝れば済む問題じゃない」と怒るのもすごくよくわかります。だけど同時に同じ経験をするまで相川の気持がわからず、わかって初めて後悔した福島の気持も理解できる。
いじめられた方にしてみれば、だからといって辛いことが消えるわけではないです。
でも、そこから踏み出して、乗り越えようとしていくお話でもあるんですね。そして手を貸してくれたのが土屋で、土屋の存在は相川にとってとても大切なものになります。。
公私ともに、相方、そして恋人となって「月・星」の彼らも出場した全国漫才コンテストで入賞しプロへの一歩を踏み出すまでが「1」になります。
「2」については次回にします。
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