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440352205X陸王 リインカーネーション
久能千明/木根ヲサム
新書館
ディアプラス文庫 2009-01-10

by G-Tools

193X年、東洋の魔都上海。
貴族の出である新聞記者・折原尚之は、『陸王』という巨大バイクに乗る将校、藤堂克己に命を救われた。『真実の報道』という信念を持って記者をしていた尚之は、ある人物から命を狙われていたのだ。
戦争を生業とする藤堂を最初は憎んでいた尚之だが、見かけとのギャップに徐々に心を開いていく。
だがたがいの気持ちに気づいた時、もうふたりに残された時間はほんのわずかだった……。
藤堂克己(とうどうかつみ・26歳)×折原尚之(おりはらなおゆき・同年齢くらい)
軍人×新聞記者

久能さんの商業誌第一作目で、10年以上前に書かれたものだそうです。
大幅に加筆修正されているようですが。
久能さんは、友人にお借りした「GRAY ZONE」シリーズを読んだのみ。
印象は、合ってるかどうかわかりませんが硬めな感じ。
こちらも・・・硬いかなぁ、やっぱり。

193X年代~というと、満州事変、日中戦争、第二次世界大戦という出来事のあたりでしょうか。
“共同日報”の記者だった折原は、軍の物資の不正横流しを暴いたことが元で日本を追われ上海支局に異動させられてしまうが、危険分子扱いの折原は仕事はさせてもらえず、いわば飼い殺し状態。
しかも、物資横流しの責任者・元少佐の梶(かじ)に、上海で命を狙われる。
危機一髪のところを救ってくれたのが、上海在任中の陸軍大尉・藤堂克己。
軍人嫌いの折原は反発するが、梶から身を隠すため、折原は藤堂の隠れ家で生活することになる。

軍人が大嫌いで山猫のように気性の荒い受と、無口で硬派な軍人攻。
気の合わない二人がやがて・・・というのはそのとおりなのですが、しかしこれは悲恋のお話。

いろんなものにがんじがらめになっている時代でもありますし、昔の人ですから(笑)愛だ恋だに浮かれてる感じでもないわけで、はっきり言うと「ラブ」はあると言えばそこはかとなくあるが、ないと言えばない(笑)
折原が藤堂に惹かれていく過程はよくわかりますし、猫を手なづける藤堂のシーンは手なづかされていく折原の象徴のようなワンシーンだと思います。
が、全体的に時代や意に反することに従わさせられていく重さの方が勝ってるように思います。

タイトルにもあるように「リインカーネーション」ですから、悲恋から輪廻転生して「ラブ」になってくれればこのタイトルは“正しい”と思うのですが、輪廻してからがちょびっとしかないので、なんか凄くサビシイ(笑)
もちろん本心を抑えに抑えた秘める恋というのも素敵なのですが、「輪廻」とするには構成が違ってるようにも思います。

だからやっぱりこの作品は「輪廻」ではなく「悲恋」(そのわりに“恋”が足りない)で、「でも悲しい二人も生まれ変わって幸せになる・・・かもよ?」というオマケつき、という認識で読んだ方が外れないような気がします。
コメント
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!

これ・・・迷った挙句パスしたのですよ~。
実は・・久能さんの本、未読本が1冊ありまして・・それが「グレイゾーン」と同じサイズの本で(汗)
一体いつになったら読めるのか?

もう2月の予約始まってますね。「恋愛処方箋」の新作も2月に出ます~。もちろん予約しちゃいました!
2009/01/11(日) 01:54 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
>水月さん
こんにちは~!

もし興味がおありでしたらお貸ししますけど、これは水月さんはどうかな…?
現代ものではないし・・・。

久能さん自体はお嫌いじゃないですよね?
それなら雰囲気とかは大丈夫かな?
もしその気になられたときは、どうぞ~♪
2009/01/11(日) 14:01 | URL | mimu #-[ 編集]
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