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4813011861恋の記憶
杉原理生/山田ユギ
大洋図書
SHYノベルズ 2008-12-11

by G-Tools

「淋しいだけじゃ、俺はひとを好きにならないよ」
姉の結婚式の日、理也は数年ぶりに従兄弟の高成と再会した。
高校に上がるまで、ふたりはとても仲の良い従兄弟同士であり、理也にとって高成といる空間はひどく居心地のいいものだった。けれど、ふたりの間にはなにか曖昧なものが忍びこみ、いつしか距離を置くようになっていたのだ……。
結婚式の夜をきっかけに再び一緒の時間を過ごすようになったふたりだが、曖昧だったなにかが露になってゆき!?
高成(たかなり)×理也(みちや)
同い年27歳、従兄弟同士。
再会ものです。

幼い頃からとても仲のいい従兄弟同士だった高成と理也は、高校を上がるころから自然と疎遠になる。
それから10年以上が経ち、理也の姉の結婚式で再会したふたり。
その夜、理也の家で一緒にDVDを見たのをきっかけに再び交流が始まるのだが。

10代の頃、とても仲が良くお互いに居心地のいい関係だった二人の間に生まれた微妙で曖昧な空気は、口にすることも自覚することもなかったけれど紛れもなく恋だった。
高成が理也から離れていき理也がそれを黙って見送ったのは、自分たちの間に生まれたものが、決して祝福されるものではないと感じとっていたから。従兄弟である以上、波紋は確実に周囲まで広がっていく。

だからこそ、まだ名前もないその想いにフタをしてそれぞれの日々を送っていたのだけれど、再会したことでその蓋がゆっくりと外れていく。
外れたあとも、受の理也はなかなかそれを正面から受け止めることができない。
高成への自分の想いは「恋」としか言えないのに、そうだと口にしてしまったら・・・。
10代の頃の足枷は現在もしっかりと理也を捉えている。

そんな二人が“恋人”となっていく日々が綴られているのだが、とても淡々と静かにことは進行していきます。
大きな山があったりするわけではないけれど、再会して二人で過ごす時間の中で、蘇ってくる子供の頃の切ない気持ちや甘い空気、そんな中で現在の二人の関係に胸がどきどきしたり、ためらったり、そんな「逡巡」がいい。
理也は臆病でズルいと思うところもあるけれど、そういうのもひっくるめて、「踏み出したくて踏み出せない」ジリジリした感じが好きだった。

最初から諦めていたような高成が悲しくて可哀相だったので、理也を手に入れられて良かった(笑)。
正直、途中、なかなか覚悟を決めない理也にジれましたからね。「ジリジリした感じが好き」と言ったけど、好きだけど苛々した(笑)。
高成はわりと静かな性質の男で、騒がない分余計に辛いのが伝わってきたから。
「従兄弟」だから余計に強引に出られないというのもあったと思うけど。お互いを取り巻く関係が近すぎて。そして理也の性格を知りすぎていて。
「理也には、無理だよ」というひと言が、高成の優しさでもあり、「引き」=「ヘタレ」でもある(笑)。

ちょっと気になったのは理也が再び別れた高成に会いに行くことになる、高成の元カノのエピソード。
踏み出すきっかけとしては弱い気がした。
離れても、一緒にいても苦しいなら、一緒に苦しんだ方がいい・・・というのは、こういう設定の時私もいつもそう思う。
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