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BL読書感想日記※※※ 詳しくはカテゴリーの「このブログについて」をご覧下さい。

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4062865815ホーリー・アップル 穴だらけの林檎
柏枝真郷/槇えびし
講談社
X文庫ホワイトハート 2008-12-26

by G-Tools

去ってしまった恋人に未練たらたらの気弱な巡査ハリー、三十一歳。そして彼が住む八十年代のニューヨークは、治安も景気もなかなかよくならない“穴だらけの林檎”だ。
ハリーは町と同じように、仕事も恋愛も負け組、だけどかっこいい男が好き。
そんなハリーの前に颯爽と現れた刑事ドイル。
二人は偶然同じアパートに住み、ともに事件に挑むことになるが・・・。

ドイル・アーデン×ハリー・ローゼンランド
同い年、31歳。刑事×制服警官

80年代のアメリカ、ニューヨークを舞台にした、刑事と警官のラブストーリー(?)。
あちこちから水蒸気が立ち上る道路は工事の穴だらけ・・・すなわち「穴だらけの林檎」。
治安も景気も悪く、地下鉄は落書きだらけ。
どことなく荒廃した空気の漂う時代と街で生活する警官たちがちょっと素敵だ。
高給取りではないのでそれなりのアパートに住み、交代制勤務に合わせて寝起きして、仕事帰りに買い物してちょっと料理したりスーパーの開店時間に間に合わなければテイクアウトで簡単に済ませたり、仕事の合間に安いランチを食べ、パトロール中に穴に落ち、恋をして失恋もし、そんなありふれた何気ない日常でも、突然男にキスされるという胸躍る事件も起こる(笑)。

31歳で、気が弱くどことなく冴えないヘタレ気味の制服警官ハリーは、日本人の恋人(男)にフラれたばかり。
消沈のある日、勤務帰りのハリーは強盗に出くわし財布まで奪われてしまう。
それを目撃していた男がいたのだが、後日、それが同じ分署に異動してきた刑事で、ハリーの住むアパート、しかもハリーをフった日本人が住んでいた部屋に越してきたドイル・アーデンだと知る。

そんな二人は所轄内で起きた殺人事件で一緒に仕事をする機会を持つが、ちょっと皮肉っぽく先輩同僚にも合わせようとしないドイルの単独行動にハリーは驚かされる。
学生時代に好きだった同級生にちょっと似ていて、警官になったその同級生が殉職したことにショックを受けたはずみで警官に転職してしまったハリーには気になる存在だ。
しかしゲイであることを隠していて、それに関する話題が出るだけでドキドキし、誰彼構わず手を出すほどオープンでもないハリーはだからどうしたいわけでもない。
ところが、ハリーがゲイであることを初対面から見抜いていたドイルからキスをしかけられ、すぐに二人はそういう関係に。
ドイルもそうだったわけだ。

しかしこっから先、二人が愛に盛り上がる・・・というわけではなく、ハリーは日本に去ってしまった恋人にまだ未練たっぷりでドイルもそのことを知っている。
ドイルはハリーに合鍵を渡したりそれなりに気に入っていそうだけれど、「気は長い」というようにゆったり待つ構えのよう。
ハリーは物事を割り切ってテキパキ考えられるタイプではなく、どことなくおっとりさんなのですが、そういうちょっと頼りなさそうな部分が却ってドイルには可愛らしく映るのかもしれない。
殺伐とした街にあって、なんとなく「癒し系」な感じがしますよね、ハリーって。

しかし寝たからといって、これでは「ラブストーリー」とは言えないでしょう。
本書は絶版となった角川ルビー文庫の某シリーズのスピンオフで、ハリーもその中の登場人物の一人だったそうですが、あとがきで「新しいシリーズ」という言葉を使っておられるので、もしかするとこれは序章であるのかもしれません。

もし続きがあるのなら是非読みたいな~。
こういう雰囲気大好きですし。
次があることを期待。
そうそう、Hは朝チュンでしたね(笑)。
最近の私はかえってありがたいでございます。
コメント
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。

私もこのお話はラブストーリーだとは思えませんが、雰囲気はいいですよね。

お互いの性癖が同じで、波長も合ったので手を伸ばして寝たという感じが妙にリアルでした。

二人を取り巻く世界も、80年代の先の見えない殺伐とした世界で、これまたリアル。

二人がヒーローやヒロインでないところがすごくよかったです。

たまにはいいですよね~。こんなお話。続きがあれば、私もゲットしたいです。
2009/02/01(日) 17:48 | URL | 桃 #-[ 編集]
こんにちは。秋林です。
先日は相互リンク&ご連絡頂きまして、ありがとうございました。
(ごあいさつが遅れてすみません…)

柏枝先生は「ラブストーリー」と位置づけておられる『ホーリー・アップル』ですけど、この「位置」に、先生ご自身とBL読者に隔たりがあるような気がします。

先生はご自身の日記で、「現在の『BL』の状況に対して浦島太郎だ」とおっしゃてましたが、私自身はラブストーリーというより、「ジャンル:柏枝真郷」だな、という印象を持ちました。NYを描きたくてたまらない、NYに恋している作家による、NY萌え作品と云うか。

予定としては、幻冬舎のライトノベル作品のあと、この作品の続編があるそうです。
でもどうなるかな…。

ちなみに私も最近はHをすっ飛ばして読んでたりするので、「Hは朝チュン」ありがたいです。
2009/02/01(日) 18:19 | URL | 秋林 瑞佳 #hMgDs1Uk[ 編集]
>桃さん
こんにちは、桃さん。

「ラブ」と言われてしまうと「ラブではないな」と思ってしまいますが、私もこういう雰囲気は大好きですねー。
そうそう、派手なドンパチやアクションではないところもリアルで良かったです。
これはこういう形・・・と思ってしまえば違和感も全然ないですし、二人のリアルな生活と恋愛模様をまた楽しみたいですよね~。
2009/02/02(月) 07:59 | URL | mimu #-[ 編集]
>秋林 瑞佳さん
こんにちは、秋林さん。

コメントいただいてありがとうございます~!

なるほど
>ラブストーリーというより、「ジャンル:柏枝真郷」
と言われると物凄く納得しました。
>NYを描きたくてたまらない、NYに恋している作家による、NY萌え作品
うん、正にそうなんでしょうね~。
柏枝真郷さんの書きたいと思っていらっしゃるNYやその雰囲気は十分に伝わってくるし、それに好感を持つ読者も多いと思うので、「ジャンル・柏枝真郷」と思って読めば全く問題ない気がします。
一応続きの予定はあるのですね?
それは楽しみにいたします。

ウフフ、秋林さんも「朝チュンでもいい」派ですか?(笑)
私も最近はあんまり事細かなHは食傷気味です。
そういうシーンの中に萌えが隠れている場合もまれにあるのですが、長くてしつこいだけのことも多いので、それならなくていいです(笑)
2009/02/02(月) 08:09 | URL | mimu #-[ 編集]
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