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4861343119罪深き吐息さえも愛おしく
華藤えれな/有馬かつみ
フロンティアワークス
ダリア文庫 2009-01-13

by G-Tools

発展途上国や被災地で医療活動をする蓮見祐紀は、帰国中の数ヶ月間大学病院で働くことになる。そこには「神の手を持つ男」と評判の心臓外科医・志岐栄司がいた。
歓迎会の席で教授と衝突するほど金や出世に興味がなく、不器用なくせに医師としての崇高な理想を熱心に語る蓮見に志岐は苛立ちを覚える。
志岐は偽りの恋と快楽で、純粋な蓮見を籠絡して彼の志を挫き、傷つけようと企むが――!?

志岐栄司(しきえいじ・30代半ば)×蓮見祐紀(はすみゆうき・20代後半?)
エリート心臓外科医×発展途上国などをまわり仕事をしている医師。

「心の歪んだエリート傲慢攻と、まっすぐ生きる健気な受」です。
医師としての技術だけでなく、金、容姿、知性とすべてにおいて類稀なるほど恵まれていた故に、退屈を託つ医師・志岐。
有名病院の息子である志岐は生まれた時から人生のレールは敷かれていましたが、本人もそれに相応しい天与の才を持ち「神の手を持つ男」などともてはやされている。
その才ゆえに、瑣末な作業の全ては周囲が請負い本人はその恵まれた技術を発揮するだけ。
志岐にとって医師の仕事とはただそれだけのこと。

そんな志岐の勤務する大学病院の救急に、臨時のアルバイトとしてやってきた青年医師・蓮見。
彼は普段は非営利団体などを通して、発展途上国や被災地、紛争地域などに派遣され医療活動を行い、将来は離島での医師活動をしたいと考えていて、金や出世には囚われない崇高な理想と信念を持っている。
見た目は若く、風に飛ばされそうな痩せた体をしたやぼったい男だが、その情熱を語り始めると絶対に折れず、出世や派閥にどっぷり浸かった教授や周囲の医師たちを苛立たせる。
志岐は、お綺麗な理想を真剣になって追う蓮見に腹立ち、彼に偽りの恋をしかけ快楽に溺れさせて、その崇高な志を穢し貶めてやろうと決意する。

内容はほぼ前半と後半に分かれていて、志岐が蓮見に偽りの恋をしかけ、蓮見を地に落そうとするのが前半。
蓮見が志岐に本気になって、自分の志を裏切り発展途上国へ行くことを断り志岐の元で仕事をすると決意した瞬間、志岐は容赦なく蓮見に別れを告げて彼を切り捨てる。

そこから後半は、志岐が自分の「医師」としてのあり方に迷い、あんなにひどいことをしておきながら忘れられずにいる蓮見を追い求めるという展開。
本当は蓮見と同じように金や出世ではない医師としての仕事を追いたかったけれど、恵まれすぎていたゆえにそれを実現できず言葉にすることもできなかった志岐だからこそ、蓮見に苛立ち、同時に惹かれていた・・・とはさもありなん。理解しやすいですね。
見た目は弱々しいけれど心は真っ直ぐで強い蓮見と、見た目は傲慢だけれど迷える志岐と、どちらも医療の現場でそれぞれに道を模索していると感じられるのがいいな。

志岐が蓮見に再会してからが見所だと思うんですが、私の感じでは前半の方がちょっと重たかったかな?
こういう傲慢攻(笑)が、180度変わっていく過程をじっくり見たかった。
それと、ひどいことしたんだからそれなりに報いを受けないといけないと思うんですけど、蓮見が心が優しすぎるのでちょっと志岐には甘い展開なのねー(笑)。
ただ、どんな逆境にも折れない柳のような強さを持つ蓮見は「大和なでしこ」的で儚く強く魅力的でした。

面白かったです。
愛する人が同じ志を持って離島で一緒に医師として活動してくれるという、これ以上ないめでたしめでたし。
志岐の後ろ盾は完璧ですから実利的な面も心強いのが美味しすぎる(笑)。
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