![]() | 貴公子の求婚 和泉桂/佐々成美 大洋図書 SHYノベルズ 2008-12-22 by G-Tools |
「昨晩のそなたは、なかなかの珍味だった」
生まれてこの方一度も恋をしたこともなく、女人よりも書物を偏愛している貧乏公家の小野朝家は、ある重大な決断を迫られていた。苦しい小野家の財政を立て直すため、結婚しなくてはならないというものだ。
愛する書物を守るため、憂鬱ながらも嵯峨野に暮らすという姫君のもとへ向かった朝家だが、か弱きはずの姫に反対に押し倒されてしまい……!?
生まれてこの方一度も恋をしたこともなく、女人よりも書物を偏愛している貧乏公家の小野朝家は、ある重大な決断を迫られていた。苦しい小野家の財政を立て直すため、結婚しなくてはならないというものだ。
愛する書物を守るため、憂鬱ながらも嵯峨野に暮らすという姫君のもとへ向かった朝家だが、か弱きはずの姫に反対に押し倒されてしまい……!?
藤原将久(ふじわらのゆきひさ)×小野朝家(おののともいえ)
「貴公子の求婚」
「姫君の余情」の二編。
「姫君の輿入れ」のスピンオフ。
未読箱の底に埋もれかけていたのを救出。
「姫君の輿入れ」は読んだはずなのに感想書いてなかった。サボったみたい。
先にちょっと復習しようと思ったんだけど、こちらを読んでたら思い出しました。
しかし別物なので特に読んでいる必要もないようです。登場人物は被ってますけど。
「姫君の輿入れ」の攻、源実親(みなもとのさねちか)の親友、小野朝家の嫁取り物語(笑)。
朝家は、容姿は十人並み、色恋には全く興味がなく何より書物が大好き。支給される扶持のほとんどを書物に費やしてしまうため、老朽化した家の修繕もできず床は気をつけて歩かないとあちこち踏み抜いてしまう有様で、衣服も同様、使用人もほとんどが辞めてしまっている。
そんな状態を本人は全く気にしていないが、業を煮やした家人の惟信(これのぶ)に、逼迫した財政を救う為に結婚するように迫られる。
「結婚しなければ書物を全て燃やす」と脅され、朝家は渋々嵯峨野に住むという姫君の元へ夜這いをかけるが、夜這い先を間違え、朝家は自分よりも大きく逞しい男の寝床へ忍び込んでしまい、いただくはずが反対に美味しくいただかれてしまうのでした。
翌朝逃げ出した朝家は、大事な書物を男の元に忘れたことに気づき、再び男の元へ行くことになってしまう。
そして「蘇芳」と偽名を名乗るその男に再びいいようにされてしまうのだが、意外に書物に詳しく見識の豊な蘇芳と語らうことは楽しく、朝家にとって蘇芳と過ごす時間はやがて大切なものになっていく。
自覚はないものの朝家はどんどん蘇芳に惹かれていき、蘇芳も朝家を愛するようになるが、「蘇芳」の正体が、朝家が苦手にしていており蘇芳にも「嫌いだ」と公言していた男「藤原将久」であることを知った朝家は、騙されていたと傷つき激しいショックを受け、二人は疎遠となってしまう。
そして初めての恋の苦しみに耐え切れなくなった朝家は、「出家」を決めてしまうのだが・・・。
平安ものなのでいろいろ難しい漢字がいっぱいなのですが、そんなことは気にならず、「朝家の可愛らしさ」に思わずニヤニヤしてしまいます。「時代劇コメディ」かと思った(笑)。
書物オタクな朝家のウブさや朴念仁ゆえの台詞が面白すぎでした。
最初に蘇芳に食われて呆然と帰ってきた朝家が惟信に首尾を聞かれ「あちらは、珍味だ仰せだった」というのからして可笑しいんですけど(笑)。
きらびやかな周囲(実親も蘇芳も華やかで色のある美男子だし、狭霧(前作の受)は美少年だし)に比べると、書物バカな朝家は確かに「珍味」。
蘇芳の家人に「人参」だの「牛蒡」だの言われてしまう朝家は、イラストでも確かに冴えない。でも性格の可愛らしさ面白さ(笑)は朝家をとても魅力的にしている。
ラストで朝家の方が蘇芳(将久)に「結婚してくれ」とプロポーズするのが良いですよね。攻が「妻」。
自分の容姿が可愛くないと落ち込む朝家に、「私が妻ならば、そなたも己は可愛くないなどと悩む必要もあるまい」という余裕が好き(からかってるのか。笑)
「それもそうか」と納得する朝家がまたおかしい。
大変面白いので、時代物お嫌いでなければオススメ。
「貴公子の求婚」
「姫君の余情」の二編。
「姫君の輿入れ」のスピンオフ。
未読箱の底に埋もれかけていたのを救出。
「姫君の輿入れ」は読んだはずなのに感想書いてなかった。サボったみたい。
先にちょっと復習しようと思ったんだけど、こちらを読んでたら思い出しました。
しかし別物なので特に読んでいる必要もないようです。登場人物は被ってますけど。
「姫君の輿入れ」の攻、源実親(みなもとのさねちか)の親友、小野朝家の嫁取り物語(笑)。
朝家は、容姿は十人並み、色恋には全く興味がなく何より書物が大好き。支給される扶持のほとんどを書物に費やしてしまうため、老朽化した家の修繕もできず床は気をつけて歩かないとあちこち踏み抜いてしまう有様で、衣服も同様、使用人もほとんどが辞めてしまっている。
そんな状態を本人は全く気にしていないが、業を煮やした家人の惟信(これのぶ)に、逼迫した財政を救う為に結婚するように迫られる。
「結婚しなければ書物を全て燃やす」と脅され、朝家は渋々嵯峨野に住むという姫君の元へ夜這いをかけるが、夜這い先を間違え、朝家は自分よりも大きく逞しい男の寝床へ忍び込んでしまい、いただくはずが反対に美味しくいただかれてしまうのでした。
翌朝逃げ出した朝家は、大事な書物を男の元に忘れたことに気づき、再び男の元へ行くことになってしまう。
そして「蘇芳」と偽名を名乗るその男に再びいいようにされてしまうのだが、意外に書物に詳しく見識の豊な蘇芳と語らうことは楽しく、朝家にとって蘇芳と過ごす時間はやがて大切なものになっていく。
自覚はないものの朝家はどんどん蘇芳に惹かれていき、蘇芳も朝家を愛するようになるが、「蘇芳」の正体が、朝家が苦手にしていており蘇芳にも「嫌いだ」と公言していた男「藤原将久」であることを知った朝家は、騙されていたと傷つき激しいショックを受け、二人は疎遠となってしまう。
そして初めての恋の苦しみに耐え切れなくなった朝家は、「出家」を決めてしまうのだが・・・。
平安ものなのでいろいろ難しい漢字がいっぱいなのですが、そんなことは気にならず、「朝家の可愛らしさ」に思わずニヤニヤしてしまいます。「時代劇コメディ」かと思った(笑)。
書物オタクな朝家のウブさや朴念仁ゆえの台詞が面白すぎでした。
最初に蘇芳に食われて呆然と帰ってきた朝家が惟信に首尾を聞かれ「あちらは、珍味だ仰せだった」というのからして可笑しいんですけど(笑)。
きらびやかな周囲(実親も蘇芳も華やかで色のある美男子だし、狭霧(前作の受)は美少年だし)に比べると、書物バカな朝家は確かに「珍味」。
蘇芳の家人に「人参」だの「牛蒡」だの言われてしまう朝家は、イラストでも確かに冴えない。でも性格の可愛らしさ面白さ(笑)は朝家をとても魅力的にしている。
ラストで朝家の方が蘇芳(将久)に「結婚してくれ」とプロポーズするのが良いですよね。攻が「妻」。
自分の容姿が可愛くないと落ち込む朝家に、「私が妻ならば、そなたも己は可愛くないなどと悩む必要もあるまい」という余裕が好き(からかってるのか。笑)
「それもそうか」と納得する朝家がまたおかしい。
大変面白いので、時代物お嫌いでなければオススメ。
この記事へのコメント
和泉さんは清澗寺シリーズが面白くて昨年はまりました。面白そうな本が他に無いか探し中です。
「姫君の輿入れ」も読んでいますが、こちらの方が当たり本みたいで期待しています!。
「姫君の輿入れ」も読んでいますが、こちらの方が当たり本みたいで期待しています!。
こんにちは、アラスカさん。
和泉さんは現代ものより時代ものの方が好きです。
この時代特有の慣習を上手く使って雅に、しかし笑いを誘う読みやすくて楽しめる作品でしたよ。
『姫の輿入れ』をお読みでしたら、こちらも是非オススメします。
和泉さんは現代ものより時代ものの方が好きです。
この時代特有の慣習を上手く使って雅に、しかし笑いを誘う読みやすくて楽しめる作品でしたよ。
『姫の輿入れ』をお読みでしたら、こちらも是非オススメします。
2009/02/19(木) 08:32 | URL | mimu #-[ 編集]