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4344815785夜の乱入者
椹野道流/琥狗ハヤテ
幻冬舎コミックス
リンクスロマンス 2009-02

by G-Tools

トラウマから他人と接することに怯える小説家の斉藤和は、ある夏の日、暑さにへばっていた黒猫の介抱をした。以来通ってくるその猫・クロスケとのささやかな交流に安らぎを覚える和の前に、突如、猫耳尻尾付きの全裸男が現れる。
自らをクロスケだと主張する彼は猫神様で、恩返しにきたという。
仰天したまま押し倒され、気持ちいい恩返しをされてしまった和。
ずっと傍にいると約束してくれたクロスケの温もりに包まれ、固く閉ざしていた心が癒されていき……。
クロスケ×斉藤和(さいとうかず・27歳)
猫神様×小説家

「夜の乱入者」(雑誌掲載)
「何度でも、その手を」(書き下ろし)の二編。

人外です。
表紙のブキミな猫耳男が攻です(笑)。
耳付き尻尾付きですが、獣姦的要素はありません。
椹野さんぽい、“妖”的趣です。

父の異常な愛情に束縛され育った和は、父が亡くなったあとも対人恐怖というトラウマを抱えて他人と接することができず、小説家という職業を幸いに一軒家にひとり引きこもる生活を続けている。
そんなある日、和は茶の間に上がりこみグッタリしているデカくてふてぶてしい顔の黒猫を発見。水と食料を与え休ませてやるが、黒猫はそれ以来度々フラっと和の家にやってくるようになり、和はつい「クロスケ」と名前までつけてしまい、その存在に安らぎを覚えるようになる。

ところが三ヶ月ほどたったある晩、突然全裸の男が和の家に乱入してくる。しかもよく見ると耳と尻尾をつけており、まごうかたなき『変態』……と怯える和だが、その変態全裸男は自分を「クロスケ」だとのたまう。
何度も生まれ変わって徳を積んだ猫は、ある時「神様」に生まれ変わることができ、人間にも変身することができるようになると話す“クロスケ”。三ヶ月前和の家に初めてやってきた時は神様になったばかりで加減がわからず神力を使い果たしてバテていたというのだ。
そして力を使いこなす練習をし続けて三ヶ月。人間の姿でやってきたクロスケに「助けてくれた恩返し」と押し倒されてしまう和。(ここでは最後までしないけど。)

それ以来クロスケは、昼間は猫、夜は人型となって和の家にやってくるようになる。昼間は変身するのも人間の言葉で話すのも神様の掟で禁じられており、もし禁忌を犯すと重い罰が待っているからだ。
そしてクロスケの手助けで、少しずつ外の世界、他人に慣れていこうとする和。
やがて、クロスケの存在が和にとって大切なものになっていくのだが、和の身に迫った危機にクロスケは禁忌を犯してしまい……。


こういう「獣」の話を読むと、大抵「あってはならない領域」に踏み込むような危うさとか淫靡さとか漂い、それがある種“萌え”だったりするんだけど、この話には何故かそういった後ろ暗さとか色っぽさは全然感じない。
何故か?
名前が「クロスケ」と親しみやす過ぎるから?
クロスケが関西弁だから?
クロスケの耳や尻尾が感情を表すだけで、Hの際それを使ったアレもコレもがないから?(笑)
「椹野さんだから」というのが正しいような気がしますが、「奇談シリーズ」でも感じるように椹野さんは人外に対しての見かたが情があって暖かいですしね。気づかないけれどすぐ隣にいて「絶対に存在してはいけないもの」という見かたはしていないし、気づいている人も「人と人」のように普通に接触して一緒に生活している。
そういう点で人外の存在が日常生活にすごく密着しているので「違う世界にいっちゃった」「いけない世界」という感覚はない。
ほのぼのしていて情があって面白いですし、こっち系が苦手な方でもわりと読みやすいと思う。
しかし淫靡さを求める人にはかえって向かない(笑)。

「父」という存在が主人公にいろんな影響を与えているのも、他のいくつかの作品と共通していて椹野さんらしい。
ご自身もお父様と同じ医学(分野は違うけれど)に従事されているのを見ても、何か格別の思いがあるのかもしれない。
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