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4062865882東景白波夜話 暁闇に咲う
鳩かなこ/今 市子
講談社 2009-03-05

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継母に幽閉されて育った与一郎は、ある晩、狐の面をつけた男に救い出される。匿われた先は、大正の帝都で盗人たちを取り仕切る屋敷だった。
弱りきった与一郎の面倒を甲斐甲斐しく見てくれる藤吉。彼もまた、神業と賞される掏摸の名手だ。
ふたりは惹かれあうが、そこには非情な運命が待ち受けていた――。

藤吉(とうきち)×与一郎(よいちろう)
同い年。14歳から20代前半くらいまで。
掏摸の一派の一人×一派に助けられた青年

鳩かなこさんの新シリーズですが、時代は大正、イラストは今市子さんとそのテイストは健在。
今市子さんのイラストが鳩さんの世界にベストマッチであるのは間違いないと思うし、こう続けばそうでないとちょっと違和感さえ感じてしまうかもしれません(笑)。
鳩さんも今市子さんも大好きなので、新たなシリーズの開始はとても嬉しいです。
「東景白波夜話(とうけいしらなみやわ)暁闇に咲う(ぎょうあんにわらう)」と読みます。

舞台は帝都、大正。
母一人子一人で暮らす与一郎は、母の死後、別に家庭を持つ実父の元に引き取られるが、その父もすぐに亡くなり、継母によって蔵に幽閉されてしまう。
しかし死の淵に落ちようとする時、狐の面を被った同じ歳頃の少年に助けられ、「水燕の熊」と呼ばれる掏摸(すり)の親分・清水熊治の屋敷に引き取られる。
その時、少年と与一郎は14歳。

自分を助けてくれた少年は藤吉(とうきち)といい、やはり彼も掏摸の手下であり、その腕は熊治の跡目を継ぐほどと言われている。
与一郎の腕はそれほどではなく、16歳からは京都の学校で勉強し、盆暮れ正月だけ帝都に戻る生活。
掏摸といえばもちろん犯罪だが、この時代掏摸と警察は持ちつ持たれつの関係でもあり例えば現在で言うと情報屋のような役目をこなすこともあり、熊治ほどの大物には警察も手を出さない。

それで上手くいっていたのだが、時代の変遷とともにそういう関係に異を唱えるものも出てくる。
そしてそんな折、与一郎が出来心で掏った財布が元で熊治が逮捕され、平穏な日々は少しずつ崩れはじめる・・・。
与一郎と藤吉の出会いと、お互いを想いあう日々、そして時代の変化に巻き込まれ愛し合いながら行違い離れ離れになってしまう・・・という巻です。

与一郎と藤吉は同い年で14歳から一緒に暮らし、藤吉は蔵から助け出されて半死となった与一郎に甲斐甲斐しく尽くします。
二人の恋愛に関しては半ば過ぎまでは非常に抑えた表現なので、途中までは度を越えた友情か兄弟愛か?と思ってしまうほどです。
でも、与一郎の着替えから何から、まるで“妻”のように面倒をみてやる藤吉が、着物を着付け帯を結んでやるために与一郎の背中から腕を回し、その吐息が耳に触れて云々・・・と兄弟愛や友情にしては妖しく色っぽい。ツメまで切ってあげるんだよ。
与一郎が臥せていたころ一度だけ触れ合って以来、ちゃんと結ばれるまで10年くらい、ちょっと触れたり互いを熱っぽく見つめたりするだけだったんですよね、この人たち(笑)。
だけど、二人一緒にいて、たぶん妙な(笑)空気はダダ漏れでしたでしょうねぇ。
プラトニックなのに滴る想いみたいなのが色っぽいなと思います。
蔵の暗闇から救い出してくれた藤吉は与一郎にとって光であり命でもある。
助けた藤吉にとっても与一郎は何より大切なもの。
話が進むにつれて、そういう思いの深さがだんだんと伝わってくる。

二人が相手を想っているからこそ、二人はそれぞれに相手のために行動するのですが、結果的にはそれが相手の望まないものとなってしまう。
しかし、そんなに重大に嘆かなくても、話し合えばなんとかなるんじゃないですかね?ダメですか? うーん(笑)

秘めた藤吉の執着が、ねっとり濃そうで素敵です(笑)。
無表情で、気のきいたことを言いそうな男じゃないので尚更。
それと、藤吉が「狐顔」設定なんですけど・・・細い目の。
実は個人的に、これが凄くいい!(笑)ステキ。
そしてまた今市子画伯による二人の子供絵がたまりません。与一郎も可愛いけど、藤吉がまた・・・!
連れて帰ってうちの子にするぞ(笑)。
早く続きが出ないかな。
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