![]() | 夢にも逢いみん かわい有美子/あじみね朔生 幻冬舎コミックス リンクスロマンス 2009-03 by G-Tools |
東宮となるはずが、策略により世から忘れ去られようとしていた美しい宮は、忠誠を捧げてこの世のすべてを与えようとしてくれる涼やかな容貌の公達・尉惟に一途な恋慕を抱いていた。
だが独占しつくさんとする尉惟の恋情ゆえの行いに、自分が野心のために利用されているのではないかという暗い疑念がきざしてしまう。
こんなにも恋しく切ない。
なのに、その恋しい男が信じられない――。
濃密な交わりで肌を重ねてもなお、狂おしい想いを持て余す宮は…。
だが独占しつくさんとする尉惟の恋情ゆえの行いに、自分が野心のために利用されているのではないかという暗い疑念がきざしてしまう。
こんなにも恋しく切ない。
なのに、その恋しい男が信じられない――。
濃密な交わりで肌を重ねてもなお、狂おしい想いを持て余す宮は…。
左大臣長子、頭中将・藤原尉惟(やすちか)×現帝の異母弟・(清暁親王)・桂の宮(かつらのみや)
「夢にも逢いみん」
「朧月夜」の二編。
平安BL絵巻。
左大臣の長子で五位侍従の尉惟(当時15)は、今の東園帝の異母弟で本来東宮となる身であるのに皇太后や右大臣の策略により山荘にうち捨てられている親王・清暁(当時9歳)と出会う。
幼子ながら鬼神にでも魅入られたかのように美貌に惹き付けられた尉惟は、左大臣の屋敷にその身を預かり、以降、清暁親王(以降、「桂の宮」)を本来の地位につけるべく、命を懸けても・・・と誓う。
幼い宮様に、教養、書、楽など全てを手ずから教えこみ、掌中の玉のように慈しみ可愛がり尽くす尉惟に、桂の宮も全身全霊をかけて信頼と愛情を寄せる。
やがて二人の思いは当然濃~い恋愛感情へと発展していくのだが、かたや左大臣の長子、かたや東宮という立場でもあり、この時代結婚し子を成し跡継ぎを作ることは避けられない。
「古典調なんちゃってふぁんたじー」と言いながらもその点を無視していないため、二人とも、妻を娶り尉惟には子供も生まれる。
現代の価値観のまま読んでしまうと、好き合いながら偽装結婚し、影で不倫をしているようなもの。
ここに引っかかる人もいるかもしれない。尉惟は桂の宮との縁を強固にするために、自分は桂の宮の姉をもらい、桂の宮には自分の妹をあてがってしまうのだ。
現代に当てはめたらとんでもない話である(笑)。
しかし、頭を平安の時代に切り替えれば、妻が何人もいたり、愛人がいたりすることは普通のことであるし、正妻に男の子が産まれなければ、「こっちの娘を嫁にどうですか」「側室はたくさんいた方が男の子が生まれる確率も上がりますよ」と勧められてしまう時代。
なので、そういった風潮、時代の慣習の中で、責任を果たしながらも、愛を貫こうとする男男のカップル・・・と思って読んだほうが楽しめる。
当たり前のこととは言っても、愛した男が他の女を抱けば、そこには嫉妬や暗いドロドロした情念も生まれます。
「薄情な・・・」と思っても、自分のために命をも引き換えにしようとする男を見れば、様々な“縛り”がある関係だけに尚更、深く粘着質な(笑)情を感じますですよ。
皇太后の呪詛と身の内に生まれた暗い嫉妬のため、桂の宮は闇の妖を引き寄せてしまう。
陰陽師や式神、妖に退魔の剣など、そっち系も好物ですし、平安の時代には違和感なくハマる。
平安の雅やかな口調や衣装や奥ゆかしさゆえ、色っぽさも倍増します。
こういう設定は時代ものならではであるし、そうでないとなかなか味じわえないものである。
やっぱり時代劇はいいなぁーと、萌えまくりでした。
桂の宮の方が身分が上なので、どうしても宮から誘わなければ尉惟が無体をするわけにはいきません。なので、宮は壮絶色香の誘い受けでございます。
こんな色気ダダモレの帝、確かに、外に出してたら危ないと思うぞ(笑)。
面白かった!
あじみね朔生さんのイラストもすごく素敵です。
「夢にも逢いみん」
「朧月夜」の二編。
平安BL絵巻。
左大臣の長子で五位侍従の尉惟(当時15)は、今の東園帝の異母弟で本来東宮となる身であるのに皇太后や右大臣の策略により山荘にうち捨てられている親王・清暁(当時9歳)と出会う。
幼子ながら鬼神にでも魅入られたかのように美貌に惹き付けられた尉惟は、左大臣の屋敷にその身を預かり、以降、清暁親王(以降、「桂の宮」)を本来の地位につけるべく、命を懸けても・・・と誓う。
幼い宮様に、教養、書、楽など全てを手ずから教えこみ、掌中の玉のように慈しみ可愛がり尽くす尉惟に、桂の宮も全身全霊をかけて信頼と愛情を寄せる。
やがて二人の思いは当然濃~い恋愛感情へと発展していくのだが、かたや左大臣の長子、かたや東宮という立場でもあり、この時代結婚し子を成し跡継ぎを作ることは避けられない。
「古典調なんちゃってふぁんたじー」と言いながらもその点を無視していないため、二人とも、妻を娶り尉惟には子供も生まれる。
現代の価値観のまま読んでしまうと、好き合いながら偽装結婚し、影で不倫をしているようなもの。
ここに引っかかる人もいるかもしれない。尉惟は桂の宮との縁を強固にするために、自分は桂の宮の姉をもらい、桂の宮には自分の妹をあてがってしまうのだ。
現代に当てはめたらとんでもない話である(笑)。
しかし、頭を平安の時代に切り替えれば、妻が何人もいたり、愛人がいたりすることは普通のことであるし、正妻に男の子が産まれなければ、「こっちの娘を嫁にどうですか」「側室はたくさんいた方が男の子が生まれる確率も上がりますよ」と勧められてしまう時代。
なので、そういった風潮、時代の慣習の中で、責任を果たしながらも、愛を貫こうとする男男のカップル・・・と思って読んだほうが楽しめる。
当たり前のこととは言っても、愛した男が他の女を抱けば、そこには嫉妬や暗いドロドロした情念も生まれます。
「薄情な・・・」と思っても、自分のために命をも引き換えにしようとする男を見れば、様々な“縛り”がある関係だけに尚更、深く粘着質な(笑)情を感じますですよ。
皇太后の呪詛と身の内に生まれた暗い嫉妬のため、桂の宮は闇の妖を引き寄せてしまう。
陰陽師や式神、妖に退魔の剣など、そっち系も好物ですし、平安の時代には違和感なくハマる。
平安の雅やかな口調や衣装や奥ゆかしさゆえ、色っぽさも倍増します。
こういう設定は時代ものならではであるし、そうでないとなかなか味じわえないものである。
やっぱり時代劇はいいなぁーと、萌えまくりでした。
桂の宮の方が身分が上なので、どうしても宮から誘わなければ尉惟が無体をするわけにはいきません。なので、宮は壮絶色香の誘い受けでございます。
こんな色気ダダモレの帝、確かに、外に出してたら危ないと思うぞ(笑)。
面白かった!
あじみね朔生さんのイラストもすごく素敵です。