![]() | 夜明けはまだか (上) 谷崎泉/藤井咲耶 二見書房 シャレード文庫 2009-03-23 by G-Tools |
親の遺産の不労所得で何ひとつ不自由ない生活環境を持ち、年に一冊本を書くことで人気評論家の身分を有する谷町胡太郎。だが、その私生活は九年に及ぶ片想いと、肩書きばかりが立派な三人の居候に支配されていた。
そんな胡太郎の運命の分かれ道、某日お台場のホテル――「誰とも付き合ったことがないって言うんじゃないだろうな?」弱点を抉る痛烈な一言を浴びせてきたのは、財務省の出世頭から議員秘書へ謎の転身を遂げ、官僚たちの間で伝説と化している男・小早川秀峰で……。
そんな胡太郎の運命の分かれ道、某日お台場のホテル――「誰とも付き合ったことがないって言うんじゃないだろうな?」弱点を抉る痛烈な一言を浴びせてきたのは、財務省の出世頭から議員秘書へ謎の転身を遂げ、官僚たちの間で伝説と化している男・小早川秀峰で……。
小早川秀峰(こばやかわしゅうほう)×谷町胡太郎(たにまちこたろう・27~8歳くらい)
政治家秘書×評論家
谷町は、大学時代の先輩、折原(おりはら)に9年間片想いをしている。告白して気まずくなるのが怖いのが長年の片想いの理由だが、ある日、折原は元同級生で現在は若手国会議員の古館(ふるたち)と一緒に行方をくらましてしまう。
谷町はじめ誰も知らなかったが、二人は大学時代に恋仲で、古館の亡父によって別れさせられていたのだ。
折原がゲイだったことに驚く谷町。
しかも谷町のところへ古館の秘書・小早川が、二人の捜索のため乗り込んでくる。
小早川は古館の性癖に気づいていたが、国会議員がゲイであると世間に知られるわけには行かず、警察にはもちろん周囲にもおおっぴらにはできず、谷町と小早川は成り行きで二人で捜索に動くことになる。
谷町は父の遺産で複数の不動産を所有し、家賃収入だけで暮らしていける身分。大学卒業後、出版社の文学賞の評論部門で大賞を受賞し評論家としてデビューし数冊の本を出版。人気評論家となるが、本人は大してやる気があるわけではなく、一年に一冊のペースで本は発行しても、それもひとえに編集の杉浦(すぎうら)のおかげである。
誠に恵まれた贅沢な境遇ですが、彼の住まいには省庁勤めの友人三人が居候し、彼らは家賃も払わず、代引き料金は谷町の立て替えのまま、トラブルだけを持ち込む厄介者たち。
なのに谷町はそういう彼らに説教はしても食事を作ってやり愚痴を聞いてやり… 生来の面倒みの良さなのか、振り回されていて、とても優雅な生活を送っているとは言えません。編集の杉浦も熱心なのはともかく、妻とのトラブルまで谷町の元に持ち込んでくる。
9年の片想いもポシャりそうだし、とても優雅とは言い難い踏んだり蹴ったりの毎日だ(笑)。苦労知らずどころか、毎日心的疲労がつのる。
半分以上は自分にも原因があると思うけど、そんな散々な毎日に飛び込んできた「小早川」は傲慢そうなエリートで、これまた谷町を好き勝手に振り回す・・・のだが、酒に弱いのにビール缶を5缶も飲み、谷町を押し倒して初体験を奪ったあげく「何にも覚えていない」大馬鹿者でもある(笑)。
そんな周囲と小早川に振り回され流されながら、谷町は小早川と二人で折原・古館捜索のため北海道に飛ぶことになり、続きは次回・・・ということで、続きものです。
ユーモア混じりでなかなか面白くサクサク読めました。
どちらかというとコメディ寄りなので構えず読める。
折原・古館や、小早川・谷町の恋の行方も、小早川が何故嫌々秘書をやってるのかも気になりますね。
登場人物がわりと多く、これからもまだ古館の婚約者とかも出てくるかもしれないし、大騒動になりそう?
次の<下>で終わるそうですので、楽しみに待ちましょう。
政治家秘書×評論家
谷町は、大学時代の先輩、折原(おりはら)に9年間片想いをしている。告白して気まずくなるのが怖いのが長年の片想いの理由だが、ある日、折原は元同級生で現在は若手国会議員の古館(ふるたち)と一緒に行方をくらましてしまう。
谷町はじめ誰も知らなかったが、二人は大学時代に恋仲で、古館の亡父によって別れさせられていたのだ。
折原がゲイだったことに驚く谷町。
しかも谷町のところへ古館の秘書・小早川が、二人の捜索のため乗り込んでくる。
小早川は古館の性癖に気づいていたが、国会議員がゲイであると世間に知られるわけには行かず、警察にはもちろん周囲にもおおっぴらにはできず、谷町と小早川は成り行きで二人で捜索に動くことになる。
谷町は父の遺産で複数の不動産を所有し、家賃収入だけで暮らしていける身分。大学卒業後、出版社の文学賞の評論部門で大賞を受賞し評論家としてデビューし数冊の本を出版。人気評論家となるが、本人は大してやる気があるわけではなく、一年に一冊のペースで本は発行しても、それもひとえに編集の杉浦(すぎうら)のおかげである。
誠に恵まれた贅沢な境遇ですが、彼の住まいには省庁勤めの友人三人が居候し、彼らは家賃も払わず、代引き料金は谷町の立て替えのまま、トラブルだけを持ち込む厄介者たち。
なのに谷町はそういう彼らに説教はしても食事を作ってやり愚痴を聞いてやり… 生来の面倒みの良さなのか、振り回されていて、とても優雅な生活を送っているとは言えません。編集の杉浦も熱心なのはともかく、妻とのトラブルまで谷町の元に持ち込んでくる。
9年の片想いもポシャりそうだし、とても優雅とは言い難い踏んだり蹴ったりの毎日だ(笑)。苦労知らずどころか、毎日心的疲労がつのる。
半分以上は自分にも原因があると思うけど、そんな散々な毎日に飛び込んできた「小早川」は傲慢そうなエリートで、これまた谷町を好き勝手に振り回す・・・のだが、酒に弱いのにビール缶を5缶も飲み、谷町を押し倒して初体験を奪ったあげく「何にも覚えていない」大馬鹿者でもある(笑)。
そんな周囲と小早川に振り回され流されながら、谷町は小早川と二人で折原・古館捜索のため北海道に飛ぶことになり、続きは次回・・・ということで、続きものです。
ユーモア混じりでなかなか面白くサクサク読めました。
どちらかというとコメディ寄りなので構えず読める。
折原・古館や、小早川・谷町の恋の行方も、小早川が何故嫌々秘書をやってるのかも気になりますね。
登場人物がわりと多く、これからもまだ古館の婚約者とかも出てくるかもしれないし、大騒動になりそう?
次の<下>で終わるそうですので、楽しみに待ちましょう。
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。
大好きな谷崎さんのお話なので、あらすじも確かめずにゲットしました。なので最初は谷町が攻めなのかと思っていて、小早川の登場に仰天しました(笑)。
登場人物が多いのも、受けが攻めや周りにに振り回される苦労人なのも、谷崎さんのお話らしいです。
古館の婚約者のお話と、色々と次の展開が楽しみですvv
長編作家の谷崎さんですが、珍しく次の『下』で終わるそうですね。
大好きな谷崎さんのお話なので、あらすじも確かめずにゲットしました。なので最初は谷町が攻めなのかと思っていて、小早川の登場に仰天しました(笑)。
登場人物が多いのも、受けが攻めや周りにに振り回される苦労人なのも、谷崎さんのお話らしいです。
古館の婚約者のお話と、色々と次の展開が楽しみですvv
長編作家の谷崎さんですが、珍しく次の『下』で終わるそうですね。
こんにちは~。
私はザッとあらすじを見てから買ったんですけど…。
最初、憧れの先輩が攻で谷町が受だと思ってて、でも先輩は攻ってタイプじゃないので、じゃあ谷町が攻か?と思ったけど小早川が受そうじゃないので、やはり谷町は受か…とグルグルしました(笑)。
そういえば谷崎さんのお話は登場人物が多いですよねー。
小早川と谷町がうまくいったら、小早川もあそこに一緒に住んじゃうのかしらとか、他の三人は追い出すのかしらとか、いろいろ気になります。
次が楽しみですね。
作者が「終わる」と言うんだから次で終わるでしょうね?
出てみたら「中」になってたりして?(笑)
私はザッとあらすじを見てから買ったんですけど…。
最初、憧れの先輩が攻で谷町が受だと思ってて、でも先輩は攻ってタイプじゃないので、じゃあ谷町が攻か?と思ったけど小早川が受そうじゃないので、やはり谷町は受か…とグルグルしました(笑)。
そういえば谷崎さんのお話は登場人物が多いですよねー。
小早川と谷町がうまくいったら、小早川もあそこに一緒に住んじゃうのかしらとか、他の三人は追い出すのかしらとか、いろいろ気になります。
次が楽しみですね。
作者が「終わる」と言うんだから次で終わるでしょうね?
出てみたら「中」になってたりして?(笑)
2009/04/13(月) 15:25 | URL | mimu #-[ 編集]
こんばんは~みむさん!
私もこれは手元にあります。
谷崎先生独特のストーリーですね(笑)
登場人物が多いし、「受け」が振り回される・・って?!
確かに・・収まりきれなくなって『中』が出たりして?ありえない事じゃない気もしますが・・(笑)
なるべく早く読もう~。それとも『下』と一緒に読もうかな?
私もこれは手元にあります。
谷崎先生独特のストーリーですね(笑)
登場人物が多いし、「受け」が振り回される・・って?!
確かに・・収まりきれなくなって『中』が出たりして?ありえない事じゃない気もしますが・・(笑)
なるべく早く読もう~。それとも『下』と一緒に読もうかな?
2009/04/15(水) 01:16 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
こんにちは~。
水月さんも、谷崎さんはちゃんとチェックしてますよね。
今回の受は、「小言の多い世話焼きのお母さん」みたいだと思いました(笑)
『下』が出てから読む手もありますよね~。
コメディタッチで読みやすかったですよ。
水月さんも、谷崎さんはちゃんとチェックしてますよね。
今回の受は、「小言の多い世話焼きのお母さん」みたいだと思いました(笑)
『下』が出てから読む手もありますよね~。
コメディタッチで読みやすかったですよ。
2009/04/15(水) 15:04 | URL | mimu #-[ 編集]