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4344816404朝から朝まで
一穂ミチ/山本小鉄子
幻冬舎コミックス
ルチル文庫 2009-04-15

by G-Tools

大学生の羽村結は、早朝のテレビ番組「サニーデイ・モーニング」でバイト中。慌しい現場を大小の失敗も交えて駆け回る日々、堅物の報道記者・後藤京平から生まじめに構われては胸をざわめかせている。
そんなある日、つらいことが京平をいちどきに襲う。
憔悴しているくせに毅然と振舞おうとする京平に、泣いたらいいのに、と願う結は……?

後藤京平(ごとうきょうへい・28歳)×羽村結(はむらゆう・20歳)
東和TV報道局社会部記者×アルバイト大学生

「朝から朝まで」
「夜から朝まで」
「between the night」の三編。

ルチルでは初めての一穂ミチさん。
このかたの繊細さは20代30代にはキツい・・・なんてことを前作の感想で書いてましたが、本作は一応二人とも20代でした。
10代のような危うさではないけれど、ちょっとした仕草や眼鏡が瞼に落す影とか、笑顔、手の動き、そして空、音、そういうものに揺れて、惹かれていく心の動きは丁寧で違和感がなかった。

わっと盛り上がる二人ではないので地味なカップルですが、攻の生まじめさも不器用さも受の素直さも一生懸命さも可愛らしく微笑ましくて、二人の真摯な気持ちや誠実を感じさせて好感の持てる二人です。

早朝のテレビ番組で、ADのADのような・・・つまり雑用係をしている大学生の結。
その番組に報道記者として週に何日か出演しているのが京平。

京平の友人でディレクターの悦巳(えつみ)を通して言葉を交わすようになるのだが、その前からお互いがお互いの存在に気づいていて、実はふとした接点に二人がそれぞれに相手に対して抱いた想いが、やがてそれぞれの形をとって恋になり、結ばれてから「あの時こう想っていた」とわかるのがいい。
それ意外にも、京平の父と結はある出来事と繋がっていて、結―京平の父、京平の父―京平と母、京平―結、と見えない糸で大きな縁は繋がっているというのも面白いですね。

テレビ局が舞台なのに派手さはなく、むしろ静かなのは二人がどちらかというと大人しいタイプのせいもありますが、やはり作風でしょうか。
個性的な文章や、心理描写、台詞など、一穂さんの特徴は随所に見られますが、ディアプラスの全般透明で壊れそうなあの感じよりはもっと庶民的な感じがしました。
個人的な印象です。キャラの年齢、舞台、レーベルの違い、先入観・・・、理由はどれとは言えないですが。
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