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4862636012いとし、いとしという心
かわい有美子/南田チュン
リブレ出版
ビーボーイノベルズ 2009-06

by G-Tools

京都の格式ある名旅館「井筒屋」の若き当主が亡くなった。彼を密かに恋慕っていた侑央は悲しみにくれる。
一方、葬儀で帰省してきた当主の弟・千秋は、次男として当然経営を継ぐと思われていたが、旅館を売却すると言い周囲を驚かせる。
かつて一途に兄を想う侑央の想いと秘めた欲望につけこみ、関係を持っていた千秋だが、今度こそその心ごと自分のものにするため、侑央にある提案を――。
井筒千秋(いづつちあき・29歳)×観月侑央(みづきゆきひろ・28歳)
老舗旅館「井筒屋」次男×紙司「兎月」一人息子
『いとし、いとしという心』(雑誌掲載)
『夕化粧』(書き下ろし)


老舗旅館の「井筒屋」と紙司の「兎月」は京の町に隣同士に店をかまえ、井筒家の二人の男の子、兎月の一人息子は幼馴染。
井筒家の次男・千秋は幼い頃から侑央に惹かれているが、侑央は千秋の兄・荘一(そういち)に心を奪われている。

千秋の境遇が結構可哀相で、長男大事のお家柄の井筒家では荘一ばかりが大切にされ、千秋はずっとないがしろにされてきた。
優秀で万人受けする荘一が太陽なら、千秋は月。同じように優秀であっても千秋はずっと荘一の影に追いやられていた。
そして焦がれる侑央までもが自分より荘一に惹かれている。

飄々と愛想笑いで全ての理不尽を受け流しているが、内面には悔しさや腹立たしさがさぞや積もっていただろう。
その荘一が亡くなったことで、東京で就職し出世街道を歩いていた千秋に期待が集まるが、千秋が旅館に愛着を持っているはずもない。
廃業し土地も売ってしまえという千秋の説得を頼まれる侑央だが、千秋は「ユキちゃんが自分のものになるなら」という条件を出す・・・。

過去の恨みに燃えた八つ当たり攻めかと思えば、千秋はそんな風じゃない(笑)
京言葉なためはんなりとあたりが柔らかく、時々千秋視点に変わるので侑央のことが本当に好きなのがよくわかる。
でも京言葉がベッドシーンになるととたんにSでいじわるな言葉攻めに聞こえるのが面白いなぁ。
侑央が心底怯えてイヤがっているように見えるので、なんだか千秋が可哀相になってくる(笑)

侑央は最後まで千秋に惹かれたのかどうかはっきりしないんですよね。
この独特のあいまいな感じが「京」なのか。知らないけども(笑)

萌えポイントは多々あります。
喪服未亡人萌え。その喪服を脱がすがまた良し。
京言葉萌え。京言葉攻めってすごくSっぽい(笑)
着物、いじめっ子萌え、等々・・・。
個人の萌え所によっていろんな美味しさが見つけられるのでは?と思いますが、私が一番萌えたのは侑央の家業の「紙屋さん」(笑)。
和風の封筒や便箋や文香や・・・細々した道具にとっても惹かれました。
こういう和風小物のお店に駆け込んで行きたくなった。
侑央の店のような伝統的な店は近所にないので、それらしいところに。
近々行ってじっくり見てみようと思ってる(笑)。
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