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4576090895愛のカレー
海野幸/上田規代
二見書房
シャレード文庫 2009-06-23

by G-Tools

夕飯のカレーを作る大学院生の啓太のもとに、突然得体の知れない男が倒れ込んできた。十人前のカレーを平らげてもなお腹を鳴らす彼は、大手弁当会社社長の須藤遼一。食べても食べても満腹にならない奇病の須藤は、その後も行き倒れ寸前で食料を所望しに訪れる。
空腹時は理性を忘れた食欲魔人のくせに、時折みせる須藤の大人の色気に翻弄され、いつしか惹かれ始める啓太だったが――須藤さんが来てくれるのは、食事のためだけ?それとも…?
しかし啓太の想いをよそに、ある日を境に須藤はパッタリ来なくなってしまい……。
須藤遼一(すどうりょういち・32歳)×巽啓太(たつみけいた・23歳)
大手弁当屋社長×大学院生

「愛のカレー」(雑誌掲載)
「真夜中の誕生会」(書き下ろし)
「純情オムライス」(書き下ろし)の三編。

「愛のカレー」「真夜中の誕生会」は、食べても食べても満腹感を得られない奇病の攻めと、料理上手な受けのお話です。

こんな奇病を患っていたら、TVで取り上げられそうなくらい太っていてもおかしくないのに、須藤は顔色悪くやつれている。
摂食障害以外に不眠にも悩まされているせいでしょうか。
ある日空腹でフラフラになりながら、啓太がアパートで作っていたカレーの匂いに誘われてドア越しに倒れこんでから、須藤は度々フラフラ状態で啓太を訪ねてくるようになります。
そのたびに、食料が底を尽くまで食べつくして、尚、腹の虫を鳴かせている須藤。

本人は原因に思い当たらずにいます。
しかし啓太がそれに気づき、ある実験をしたとたんに治ってしまうのですが、それも有り得ない理由ではないのかも。
ひとりで食事をする子供への影響は現実でも論じられています。
心理的なものってどう作用するかわからないものなー。
ダイエットなんかで満腹中枢がイカれたりするとやはり満腹感を得られなくなったりするようで。
コワイですね。

食べている時は餓鬼のような食欲魔人で、落ち着くと紳士な須藤が面白いです。
面白いというか、紳士なのにある部分大人になりきれずにいるのが可愛らしいというのかな。
おりこうな子供が聞き分けよく大人しくしていて、でも実は我慢していて本当の気持ちは言えずにいる・・・その幼い須藤のいじらしい姿が見えるようで、そのいい子のまま大人になっちゃったように思えます。
啓太は7人兄弟の長男で、弟たちの面倒をよく見、もちろん料理も作って食べさせていたという、面倒見の良い、よくいるタイプの受けですね。

「純情オムライス」は主人公が変わって、啓太の先輩・秋山(あきやま)×須藤の秘書・忍(しのぶ)のお話。
須藤×啓太のお話と通じるところもあり、美味しい料理とは?と考えさせられます。
毎日毎日夕飯の献立を考えるのがめんどくさい~、台所が暑い~とウンザリして上手く手を抜くことばかり思案している身には耳が痛いです(笑)

「褒められたい」という気持ちで料理をするのか、「食べてもらいたい」という気持ちで料理をするのか、そこには確かに微妙な違いがあるのかもしれないですね。
しかし、食べる側も「美味しい」のひと言は大事ですよねー。やっぱ感謝して食べてもらわないとね(笑)
読んでるとお腹が空いてくる本かもしれません。
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