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4403522254君を抱いて昼夜に恋す
久我有加/麻々原絵里依
新書館
ディアプラス文庫 2009-10-10

by G-Tools

彫師の八束は、付近を預かる博徒の口利きで男をひとり預かることになる。最初の晩、男、源太は唐突に夜這いをかけてくる。その手に熱を上げつつも「抱くなら彫らんぞ」と告げると源太は引き下がったが、実のところ八束の心にこそ彫りたいという欲が生まれていた。
だが美しいが情がないと亡き師に評された己の彫り物では、源太の野性に喰われてしまう。
葛藤する八束は……?

源太(げんた)×八束(やつか)
博徒×彫師

「君を抱いて昼夜に恋す」(雑誌掲載)
「仇枕」(書き下ろし)の二編。

大正時代、任侠モノ。
久我さんなので関西弁ですが、古い関西弁が使われています。
わかりにくいところは直したということでしたが、古風な関西弁が雰囲気をよく出していると思います。


亡き師匠の一周忌、辺りを仕切る織間屋の若頭から彫師の八束の元に一人の男が預けられる。
その男・源太に彫り物をして欲しいと言われ、断れずに家に置くことにした八束だが、夜、源太は八束の寝間に忍び込んでくる。
「抱くなら彫らんぞ」と言うと源太は引き下がったが、源太の浅黒い精悍な身体つきを見た八束は、自分の方が「彫りたい」という欲求に襲われる。

八束は有名な彫師の弟子となり彫り物を学び、師匠亡き後はその跡を継いでいましたが、八束の彫り物は「美しいが情が無い」と生前師匠から言われていました。
情を持つにはどうしたらいいか。
八束の問いに師匠は男でも女でも良いから死ぬ気で惚れて見ろと言っていたのですが、八束は誰かにそんな風に惚れたことはないし、そんな誰かに会うとも思えずにいます。
源太に出会い、源太の只者ではない存在感、野性に畏れつつも惹かれ、男にふさわしい彫り物を・・・と考えても、自分の「情がない」絵はそれにふさわしくなく、将来源太も、そして自分も恥をかくことになるだろう。

源太との出会いでその情を知り、見事な彫り物を彫る。
そのあたりはわかりきってますね。
しかしBL、つまりラブという面では源太と八束の「ラブ」についてはそれほど前面に出ているようには思いませんでした。どちらかというと、八束の苦悩や成長がメインかな。
しかし初めは素性のわからない源太の、熱っぽい視線とか悪戯な(笑)手の動きとか、ちょっと色っぽいです。
年下攻めなんですけど、若々しく野性的な獣に狙われる年上美人・・・という感じで(笑)。

ただ、以前も彫物師の話を読んだ時の感想に書いた気がするんですが、個人的に自分の中に「彫物師萌え」が全然ないんですよ(汗)。
一針一針、まっさらな肌に針を入れ墨を落としていく・・・そこから醸しだされる官能みたいなのが、わたくし全然わかりません(笑)。
これはイカンですよね。
ただ、古い時代のヤクザの世界というのは結構萌えなので、そういう雰囲気は好きでしたけどね。

それから書き下ろしの「仇枕」ですが、こちらは主役二人より、脇役カップルの方が気になってしまう(笑)。
裏社会に生き、惚れ合いながら別れを選んだ二人ですもの~。
年齢も40ほどと30代半ば、二人ともシブイし。
こっちが読みたいな。哀しいまんまじゃイヤだけど(笑)
あ、あと、刺青同士のHって目がチカチカする(笑)
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