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艶やかな抑情の花
伊郷 ルウ〔著〕 / 稲荷屋房之介イラスト
講談社
X文庫ホワイトハート(2007.2)


紺碧の空を思わせる藍色。優美で繊細なライン。
朝永勇豪はふとしたきっかけで美しい陶器と出会う。やがて知り合うことになった作者の桜坂龍遙は、端正な美青年だった。
互いに惹かれあう二人だが、龍遙は謎めいた態度で勇豪を遠ざけようとする。
龍遙は祖父である陶芸家・龍迅に行動を管理され、自由に作品を作ることさえ出来ない身の上だった。
勇豪は龍遙を守ろうと決意するが…。
朝永勇豪(ともながゆうご・28歳)×桜坂龍遙(さくらざかりゅうよう・26歳)
出版社編集×陶芸家
「艶やかな抑情の花」
「乱れ咲く抑情の花」の二編。

総合出版社傘下の編集プロダクションに勤める勇豪は、ある記事の背景に写っていた美しい陶器に惹かれ、自分の担当する信販会社会員用情報誌で特集を組みたいと、記事になったコーヒー店を訪れます。

そこで陶器の作者・龍遙と知り合い、特集を組んで記事にしたいと頼みますが、龍遙の祖父で人間国宝の龍迅から、作品を発表することも、売ることも止められているから、取材は無理だと言われてしまいます。
それでも諦めきれない勇豪は、龍迅に会って取材の許可を直接もらいたいと考えますが、龍遙と龍迅には、一筋縄ではいかない確執があることを知ります。

龍遙は、表向きは龍迅の孫ということになっていますが、実は龍迅が50歳過ぎのとき、妻とは別の女性に産ませた実子です。龍迅には息子が一人いましたが、その子が病で自分の跡を継ぐことができないと知った龍迅が、芸術に造詣の深い女性を選んで跡継ぎのために産ませたのが龍遙なのです。
龍迅の跡を継ぐというのが、龍遙の決められた運命だったんですね。
ところが、同じ陶芸であっても、龍遙の作るものは、龍迅とは作風が全く違っていました。龍迅は、自分と同じものを作ろうとしない龍遙に苛立ち、龍遙を押さえつけ、作品を発表することを禁じていたのです。それだけでなく、竹刀による虐待、そして龍遙の胸には、まるで逃げられない運命を知らしめるかのように、龍迅の腕にあるものと同じ、龍の刺青まで入れられていたのです。
経緯を知った勇豪は、龍迅と話をしようとしますが、このじいさんは、聴く耳を全く持ちません。しかし長年龍迅の下で押さえつけられ、諦めてしまっていた龍遙も、勇豪の励ましと愛によって龍迅の元を離れることを決意します。

結局龍迅を説得することはできず、龍遙は自分名義の車以外何も持たずに家を出ることになってしまいます。
お話がそれで終わってしまったのが、なんとも中途半端で残念。
家を出た龍遙は勇豪の元へ身を寄せ、幸せな新婚生活を送りはします。仕事も大学の臨時講師の職をなんとか見つけることができます。
しかし、龍迅との仲は亀裂が入ったまま、好きな陶芸の道も途切れてしまったし、勇豪の情報誌の龍遙特集も中途半端になったままです。
続きがあるってわけでもないんですよね?
いろんなことの結末がちょっとこのままだと気になりますね。

龍遙の胸の刺青、龍が左の乳首の乳輪を掴んでいる絵柄なんですよ。色っぽいですねぇ。
虐げられて虐待され、耐える受けなのですが、勇豪との出会いでは気の強い若造のイメージで、もっと徹底して儚い感じでも良かったのにな~と思いました。
勇豪は、実直そうな感じが稲荷屋さんのイラストとイメージがピッタリ。

龍遙が、自分の作りたい陶器を作り、発表できるようになる、そんな続きがあったら読みたいな。
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