![]() | 水曜日の悪夢 夜光 花著 / 稲荷屋房之介イラスト 海王社 ガッシュ文庫 2007-06 by G-Tools |
「悪夢のような過去は決して繰り返してはならない」
高校の音楽講師を務める元バイオリニストの和成。不慮の事故で弾けなくなった和成は教え子である真吾の類稀なる才能に惚れこんでしまう。
ある日和成は父親からの虐待に苛立つ真吾を預かることになった。
「先生の身体、触りたい」教師として尊敬されているだけだと思っていた。突然無口な真吾に餓えた獣のように激しく求められて和成は戸惑う。
しかし、愛を知ることによって真吾の才能を更に伸ばせるならと偽りの愛情を与えてしまい…。
高校の音楽講師を務める元バイオリニストの和成。不慮の事故で弾けなくなった和成は教え子である真吾の類稀なる才能に惚れこんでしまう。
ある日和成は父親からの虐待に苛立つ真吾を預かることになった。
「先生の身体、触りたい」教師として尊敬されているだけだと思っていた。突然無口な真吾に餓えた獣のように激しく求められて和成は戸惑う。
しかし、愛を知ることによって真吾の才能を更に伸ばせるならと偽りの愛情を与えてしまい…。
阿川真吾(あがわしんご・17歳)×新城和成(しんじょうかずなり・28歳)
高校生の頃、若きバイオリニストとして注目され将来を嘱望されていた和成は、突然の事故による大怪我で、その道を絶たれ、長期に渡るリハビリの末になんとか回復して、現在はバイオリニストの指導者をしています。
そんなある日、知人の高校理事から半年の臨時講師を頼まれた和成は、そこで、目を見張るような才能を持つ真吾と出会います。テクニックはとても高校生とは思えないほど素晴らしい真吾ですが、その演奏には惜しいことに「情緒」が足りません。
真吾は性格も無口で不器用で激しやすく、情緒面に関しては未熟さが否めない。
けれど、教えたことはすぐに吸収して技術を向上させていく真吾に、自分の閉ざされた夢への思いも重ね合わせた和成は、その指導に熱が入ります。
しかし、真吾の家庭環境は、とてもその才能を伸ばすに相応しいとは言えず、真吾の父親はバイオリンを毛嫌いし、真吾は暴力を受けていたのです。
それを知って心配する和成。
そしてある日、最悪のことが起こります。
真吾が父親を殺してしまうのです。
ええ、そんな?
本に書いてあるあらすじではわからないんですが、こちら“不思議”入ってるお話なんです。
同じ時間同じ場所に戻って、何度も同じ日を繰り返す・・・というパラレル。
真吾を失った失意の和成ですが、ある日目覚めると、なぜか時間は再び真吾が父親を殺す前に戻っています。あの日と同じように話しかけてくる真吾。
その後がどうなるかわかっている和成は、その結末を避けるべく、真吾を父親から引き離して自分のマンションに住まわせることにします
真吾の殺人を防ぎ、バイオリニストとして育てようと、もう1度やりなおそうと思う和成。そんな和成に真吾は好きだと告白してきます。真吾の情緒面の発達を望んでいた和成は、自分と恋することで感情が豊かになり、演奏にも影響するかもと、自分にそういう意味での愛情はないのに、それを受け入れてしまいます。
しかし、このかりそめの恋人関係は意外にうまくいってしまうんですよね。
普通なら、気持を偽っていたら、キスをしたり触られたりすることに形だけでも抵抗して悩むところですが、和成は悩まない(笑)。
一緒に住むようになってからしばらくは二人の恋愛の進展や、バイオリンの教師と教え子としての絆、和成の過去や、真吾の生い立ちなど、不思議な出来事など忘れたかのような、「普通の」恋愛もののように話は進みます。
いっそ、摩訶不思議設定などなくても十分お話として通用すると思うんですが、そうしないのが夜光花さんですね。
いろいろなことが上手くいきかけ、このまま・・・と思っていると、次第に事は暗転していき、そして今度以前より更に悪い結果が待っている。
でもここで終わりませんから(笑)。
辛い過去を経験した上に、現在も重いものを背負わせられてしまう和成ですが、和成はそんなに強いタイプのキャラでなないのに、なんというか、しなる柳の強さというか、とてもしなやかな強さを持ったタイプでしたね。
だから、辛い現実に出会っても、底無し穴に落ち込んでいくような暗さはあまりありません。
そして和成には年の功を感じますね(笑) お相手が17歳の高校生で、精神的に全くの「子供」なので、余計に和成の「大人」を感じるし、真吾を抗うことなく受け止める強さがやはり「柳の強さ」だなぁと感じます。
しかし、真吾も成長していくでしょうしね。
和成ほど懐深くないけど、自分も年を取ったので、未熟な男に寛容になったし、こう一途で一生懸命なのは可愛い。若さとパワー溢れる攻めでした。
ラストか痛かったらどうしよう・・・という心配も杞憂に終わり、良かったです(笑)。
このあと二人はまた「恋人」をやり直すんでしょうか。
気になります。
高校生の頃、若きバイオリニストとして注目され将来を嘱望されていた和成は、突然の事故による大怪我で、その道を絶たれ、長期に渡るリハビリの末になんとか回復して、現在はバイオリニストの指導者をしています。
そんなある日、知人の高校理事から半年の臨時講師を頼まれた和成は、そこで、目を見張るような才能を持つ真吾と出会います。テクニックはとても高校生とは思えないほど素晴らしい真吾ですが、その演奏には惜しいことに「情緒」が足りません。
真吾は性格も無口で不器用で激しやすく、情緒面に関しては未熟さが否めない。
けれど、教えたことはすぐに吸収して技術を向上させていく真吾に、自分の閉ざされた夢への思いも重ね合わせた和成は、その指導に熱が入ります。
しかし、真吾の家庭環境は、とてもその才能を伸ばすに相応しいとは言えず、真吾の父親はバイオリンを毛嫌いし、真吾は暴力を受けていたのです。
それを知って心配する和成。
そしてある日、最悪のことが起こります。
真吾が父親を殺してしまうのです。
ええ、そんな?
本に書いてあるあらすじではわからないんですが、こちら“不思議”入ってるお話なんです。
同じ時間同じ場所に戻って、何度も同じ日を繰り返す・・・というパラレル。
真吾を失った失意の和成ですが、ある日目覚めると、なぜか時間は再び真吾が父親を殺す前に戻っています。あの日と同じように話しかけてくる真吾。
その後がどうなるかわかっている和成は、その結末を避けるべく、真吾を父親から引き離して自分のマンションに住まわせることにします
真吾の殺人を防ぎ、バイオリニストとして育てようと、もう1度やりなおそうと思う和成。そんな和成に真吾は好きだと告白してきます。真吾の情緒面の発達を望んでいた和成は、自分と恋することで感情が豊かになり、演奏にも影響するかもと、自分にそういう意味での愛情はないのに、それを受け入れてしまいます。
しかし、このかりそめの恋人関係は意外にうまくいってしまうんですよね。
普通なら、気持を偽っていたら、キスをしたり触られたりすることに形だけでも抵抗して悩むところですが、和成は悩まない(笑)。
一緒に住むようになってからしばらくは二人の恋愛の進展や、バイオリンの教師と教え子としての絆、和成の過去や、真吾の生い立ちなど、不思議な出来事など忘れたかのような、「普通の」恋愛もののように話は進みます。
いっそ、摩訶不思議設定などなくても十分お話として通用すると思うんですが、そうしないのが夜光花さんですね。
いろいろなことが上手くいきかけ、このまま・・・と思っていると、次第に事は暗転していき、そして今度以前より更に悪い結果が待っている。
でもここで終わりませんから(笑)。
辛い過去を経験した上に、現在も重いものを背負わせられてしまう和成ですが、和成はそんなに強いタイプのキャラでなないのに、なんというか、しなる柳の強さというか、とてもしなやかな強さを持ったタイプでしたね。
だから、辛い現実に出会っても、底無し穴に落ち込んでいくような暗さはあまりありません。
そして和成には年の功を感じますね(笑) お相手が17歳の高校生で、精神的に全くの「子供」なので、余計に和成の「大人」を感じるし、真吾を抗うことなく受け止める強さがやはり「柳の強さ」だなぁと感じます。
しかし、真吾も成長していくでしょうしね。
和成ほど懐深くないけど、自分も年を取ったので、未熟な男に寛容になったし、こう一途で一生懸命なのは可愛い。若さとパワー溢れる攻めでした。
ラストか痛かったらどうしよう・・・という心配も杞憂に終わり、良かったです(笑)。
このあと二人はまた「恋人」をやり直すんでしょうか。
気になります。
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