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くちびるから愛をきざもう
崎谷 はるひ〔著〕/ 神葉理世イラスト
角川書店
ルビー文庫(2007.2)


身に覚えのない女の子から、妊娠したといきなり告げられ、高額な金を要求されてしまった見習いシェフ兼貧乏学生の吾川京也。
ショックのあまり高校時代から食事の面倒をみてやっていた、友人の浅葱純大の家に駆け込むが、話を聞くなり激昂した彼に、強姦まがいに抱かれてしまう。
翌日、うなだれる純大を「二度と会わない」と突き放し、女の子から要求された金を確保するため、バイトに明け暮れる日々を始めるのだが―。
浅葱純大(あさぎすみひろ・19歳)×吾川京也(あがわきょうや・20歳)
大学生×調理師専門学校生

純大と京也の出会いは高校1年生の時、同じクラスになったことがきっかけです。
不運な事情で1年遅れで高校に入った京也は、その派手な外見からあまり良くないイメージを持たれていて、しかも1つ年下のクラスメートたちからは浮いていました。
実際は、京也の家は裕福とは言えず、まだ幼い弟妹たちもいたため、両親に負担をかけないように、生活費や学費をバイトで稼ぎ、もちろん弟妹の面倒も良く見る勤労青年なのですが、夜遅くバイトのため外出しているところを見られたり、見た目派手な外見のために誤解されてしまっているんですね。

京也と純大は苗字が同じ「あ行」なので、入学当時の席は隣同士でした。純大は学業は優秀だけれど、無口で身体が小さく、京也とは別の意味でやはり浮いていました。
しかし、純大がクラスメートから嘲笑されているのを目にした京也は、持ち前の面倒見の良さと長男気質を発揮して、浮いた者同士、初めて純大をお昼に誘います。
それが京也と純大の5年になる友人つきあいの始まりでした。

純大の家は裕福なのですが、忙しい両親はあちこちを飛び回っていて、純大が幼い頃は一緒に外国に住んでいましたが、当時から大きな家で一人暮らしをしています。
家庭の味をほとんど知らずに育った純大は、外食の濃い味付けにイヤ気が差し、コンビニ弁当もスーパーの惣菜も受け付けず、ひどい偏食で家政婦が作る料理さえもほとんど食べられないため、口煩く言われるのが嫌で家政婦を解雇してしまっていました。京也がお昼に誘ったとき、純大が弁当代わりに取り出したのは栄養補助食品。
純大がいつもそんなものばかりを食べていると事情を知った京也は、自分の弁当を分けてやり、次の日には弁当を作ってきてやり、そしてついには純大の家に訪ねていき、純大の『食』の全てを担うようになります。

もともと料理が好きで、世話好きな京也がせっせと栄養のあるものを純大に食べさせ、偏食を治し、外国生活が長くて握り箸の純大に箸の持ち方を教え、ちゃんと育ててやったおかげで、高校2年生の冬には純大の身長は178cmの京也を軽く越える190cm以上に(笑。ありえない)。
まさに「育てモノ」ですね。
調理師を目指す京也が専門学校に入り、純大が大学に通うようになっても、ずっと二人の関係はそのままで、京也は純大を“親友”と思っているのです。

しかし、ある日突然純大から「しばらく俺の前に顔を出すな」と言われてしまう!
ショックを受けた京也は、腹立ち紛れに誘われた合コンに参加しますが、酔いつぶれ目覚めた時には裸で隣には女の子が。
そして二ヵ月後、子供ができたか堕ろしたい、手術費と慰謝料に百万円用意しろと脅迫されてしまうのです。
そして、もとはと言えば、純大のせいだと文句を言いにいった京也は、話を聞いて激昂した純大に、強姦されてしまいます。

このあたりの事情が現在から過去に遡り、また現在に戻ってくる形で語られているので、話が元のところに戻るまでにちょっと時間がかかります。しかし、そのおかげで純大が何故「来るな」などと言ったのか、どうしてそんなに怒ったのかがよくわかるようになっていました。
京也が純大のことをずっとどう思ってきたか、純大が京也のことをどう思っていたかがよくわかるんですね。
お話が動く前の過去の部分が長いので、正直じれったいところもあったんですが、それがあるから強姦前後の京也の気持ちもすごくよくわかる。

京也は最近の崎谷さんの受けには珍しいオトコマエさですね。世話好きで人が良くてオトコマエなオカン・京也は凄く好きでした。
純大は、ほとんど愛情を知らずに育ったので、人とのコミニュケーションがヘタで情緒不足、いつもボソッとしか話さず言葉も足りない。「京也しかいらない」というちょっと困った男ですけど、こういう攻めはわりとよく見ますね。でも私はこういう攻めは好きなので、問題なし。
しかし、強姦されているときも、後も、どこまでも男前な京也がやはりカッコよかったですね。

大きな子供×オカンのカップルでしたが、このお話は好きでした。
いつもウンザリするHも、今回はOK(笑) 
崎谷さんは直接的な卑猥なことを言わせるのが好きみたいなんですが、今回は純大に言わせてました。これは言葉攻めの範囲と捉えられなくもない。ホントに好きなんだろうな、こういうこと言わせるの。

雑誌掲載分を大幅加筆修正したそうですが、崎谷さんには珍しく本が薄めです。はっきり言っていつもこれくらいでいいんじゃないのか。
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