恩師の紹介で貧乏法律事務所に助っ人に来たエリート弁護士の准己。気は進まなかったものの引き受けた理由は一つ、大学卒業後もなぜか忘れられずにいた啓がいたから。
だが想像以上に仕事内容はお粗末。環境は劣悪で、肝心の啓とも方針が合わずに口論ばかり。普段は傲慢な准己だが啓にはどうしても強く出られない。
そんな時、所長の田上が倒れ、二人でワケありの事案を担当することになり…。
だが想像以上に仕事内容はお粗末。環境は劣悪で、肝心の啓とも方針が合わずに口論ばかり。普段は傲慢な准己だが啓にはどうしても強く出られない。
そんな時、所長の田上が倒れ、二人でワケありの事案を担当することになり…。
深見准己(ふかみじゅんき)×早瀬啓(はやせけい)
同い年、27歳。弁護士同士。
「ロマンスの黙秘権」(なんと2004年、小説b-BOY掲載)
「glamorous days」書き下ろしの二編収録。
シリーズ物で、あと二巻続くそうです。
大学在学中に司法試験に合格した優秀なエリート弁護士・准己(攻)。現実的で合理主義な彼は、大手有名弁護士事務所で箔をつけたあと、実家のやはり大手の法律事務所に入ることにします。しかし、前の事務所を辞めた直後、恩師に頼まれて、田上法律事務所に短期で入ることになってしまう。
そんな末端の事務所になど行く気は全くなかったのですが、准己の気持を変えさせたのは、田上法律事務所に、大学時代の同窓の啓(受)がいると知ったから。
准己と啓は両極端で、金に不自由なく、常に人に囲まれて派手な雰囲気を持っていた准己に対し、啓は際立つ容姿こそ目立っていたものの物静かで堅実。
二人に共通の友人はなく、接点もないに等しかったのですが、准己は陰を帯びた雰囲気の啓がなぜか気になり、気がつくと目で追っているような存在だったのです。
大学卒業後、27歳になるまで一度も再会したこともなかったのに、その容貌をまざまざと思い出せるほどに。
しかし、そんな理由で入った田上法律事務所は、近代的な高層ビルで仕事をしていた准己にとって、環境は劣悪。ごちゃごちゃした下町の古ビルに、どこからともなく漂ってくる揚げ物の匂い、狭い室内に、ぐちゃぐちゃに積み上げられた書類の山。
しかもそれまで企業相手に大きな事案を受け持ってきた准己なのに、田上法律事務所が主とする仕事は、離婚に近所トラブル、国選弁護と金にならない、准己にとってはくだらない事案ばかり。
短期ということでも我慢できず、啓とは再会したものの、すぐに辞めようと思う准己。。
しかし、そんな時、所長の田上が狭心症の発作で倒れ、准己は辞めるわけにいかなくなってしまいます。
そんなこんなで、田上事務所で仕事をすることになった准己と、啓は、交通死亡事故の被告人の国選弁護を担当することになり、方針の違いから時に口論したり、協力しあったりしながら事務所を守っていくことになります。
視点は准己で、大学時代、知らず知らずに目で追っていた啓への想いが『恋』だったと気づき、エリート意識の非常に強い自信家の准己が、自分とは正反対の啓に少しずつ感化されながら、やがて二人が恋人同士となり、協力して事務所をやっていくことになるというストーリー。
正直、恋愛部分だけを取り上げると取り立てて新鮮さはないのですが、現実的で合理主義の准己と真っ直ぐで正義感に溢れる啓との対比や仕事上のぶつかりあいが面白かったです。
自信家で弁の立つ准己が、「青臭い」と思いながらも啓の純粋さに惹かれ、どんなに反対しても最終的には折れてしまうのもいい。傲慢エリートな准己も啓には弱い、そんなヘタレな面が見えて好感度も上がります。どっちかというと恋にグラグラしてるのはこの巻では准己だけですよね(笑)
そうは言っても、正義感の啓と合理的な准己が、同調するのではなくそれぞれの良さを出し合って事件に当たり、お互いを補い合い学びあうという、凸と凹みたいにピッタリなパートナーだと感じられるところが、同じ仕事をする男同士としてはとてもいいと思いました。
不利な事案をくつがえすために、信念を持って努力する捜査の場面も丁寧に書かれていて、真摯な姿が伝わってくるし、どうやって状況をひっくり返すのかも読んでいてとても楽しみです。
そういう意味では「なんちゃって弁護士」ではなくて、しっかりと仕事をしている弁護士さんです。
所長以下、弁護士は啓と准己だけという小さな事務所ですが、今後もぶつかりあい協力しあって仕事をしていく二人が恋人同士としてもどんな風になっていくのか、あと二巻あるそうなので、その辺も期待したいと思います。
面白かったですよ。
次はいつ出るのかな。
※8月らしいです。
同い年、27歳。弁護士同士。
「ロマンスの黙秘権」(なんと2004年、小説b-BOY掲載)
「glamorous days」書き下ろしの二編収録。
シリーズ物で、あと二巻続くそうです。
大学在学中に司法試験に合格した優秀なエリート弁護士・准己(攻)。現実的で合理主義な彼は、大手有名弁護士事務所で箔をつけたあと、実家のやはり大手の法律事務所に入ることにします。しかし、前の事務所を辞めた直後、恩師に頼まれて、田上法律事務所に短期で入ることになってしまう。
そんな末端の事務所になど行く気は全くなかったのですが、准己の気持を変えさせたのは、田上法律事務所に、大学時代の同窓の啓(受)がいると知ったから。
准己と啓は両極端で、金に不自由なく、常に人に囲まれて派手な雰囲気を持っていた准己に対し、啓は際立つ容姿こそ目立っていたものの物静かで堅実。
二人に共通の友人はなく、接点もないに等しかったのですが、准己は陰を帯びた雰囲気の啓がなぜか気になり、気がつくと目で追っているような存在だったのです。
大学卒業後、27歳になるまで一度も再会したこともなかったのに、その容貌をまざまざと思い出せるほどに。
しかし、そんな理由で入った田上法律事務所は、近代的な高層ビルで仕事をしていた准己にとって、環境は劣悪。ごちゃごちゃした下町の古ビルに、どこからともなく漂ってくる揚げ物の匂い、狭い室内に、ぐちゃぐちゃに積み上げられた書類の山。
しかもそれまで企業相手に大きな事案を受け持ってきた准己なのに、田上法律事務所が主とする仕事は、離婚に近所トラブル、国選弁護と金にならない、准己にとってはくだらない事案ばかり。
短期ということでも我慢できず、啓とは再会したものの、すぐに辞めようと思う准己。。
しかし、そんな時、所長の田上が狭心症の発作で倒れ、准己は辞めるわけにいかなくなってしまいます。
そんなこんなで、田上事務所で仕事をすることになった准己と、啓は、交通死亡事故の被告人の国選弁護を担当することになり、方針の違いから時に口論したり、協力しあったりしながら事務所を守っていくことになります。
視点は准己で、大学時代、知らず知らずに目で追っていた啓への想いが『恋』だったと気づき、エリート意識の非常に強い自信家の准己が、自分とは正反対の啓に少しずつ感化されながら、やがて二人が恋人同士となり、協力して事務所をやっていくことになるというストーリー。
正直、恋愛部分だけを取り上げると取り立てて新鮮さはないのですが、現実的で合理主義の准己と真っ直ぐで正義感に溢れる啓との対比や仕事上のぶつかりあいが面白かったです。
自信家で弁の立つ准己が、「青臭い」と思いながらも啓の純粋さに惹かれ、どんなに反対しても最終的には折れてしまうのもいい。傲慢エリートな准己も啓には弱い、そんなヘタレな面が見えて好感度も上がります。どっちかというと恋にグラグラしてるのはこの巻では准己だけですよね(笑)
そうは言っても、正義感の啓と合理的な准己が、同調するのではなくそれぞれの良さを出し合って事件に当たり、お互いを補い合い学びあうという、凸と凹みたいにピッタリなパートナーだと感じられるところが、同じ仕事をする男同士としてはとてもいいと思いました。
不利な事案をくつがえすために、信念を持って努力する捜査の場面も丁寧に書かれていて、真摯な姿が伝わってくるし、どうやって状況をひっくり返すのかも読んでいてとても楽しみです。
そういう意味では「なんちゃって弁護士」ではなくて、しっかりと仕事をしている弁護士さんです。
所長以下、弁護士は啓と准己だけという小さな事務所ですが、今後もぶつかりあい協力しあって仕事をしていく二人が恋人同士としてもどんな風になっていくのか、あと二巻あるそうなので、その辺も期待したいと思います。
面白かったですよ。
次はいつ出るのかな。
※8月らしいです。
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