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虜になりたい
宇宮 有芽著 / 天禅 桃子挿画
プランタン出版
f‐LAPIS文庫 (2007.2)


大学生の昭生は親友の兄でありプロ野球選手の修一と秘密を共有をしている。
もともと野球が好きな昭生はスター選手である修一に対して淡い憧れを抱いていた。しかしファンと選手、近づきすぎてはいけない相手だと自制していた。
ところが、偶然の出来事から二人だけで会うようになり、ついにはキスを交わし、修一に求められるままに身体までも重ねてしまう。
昭生は修一が本気だとは思えないため、彼に会うのが怖くなってしまい――。
八坂修一(やさかしゅういち・28歳)×宮地昭生(みやちあきお・20歳)
プロ野球選手×大学生

八坂一家は、昭生(受)が小学生の時、マンションの隣の部屋に住んでいました。母親同士はそれなりに交流があり、啓二(けいじ・攻めの弟)とは同い年で親友でした。
啓二の兄・修一(攻)は昭生が小学生の時甲子園に出場し高校球界のヒーローとなり、大学野球でも大記録を残し、破格の契約金を受けてプロ入り。それをきっかけに八坂家は昭生の隣から引っ越していきますが、啓二とはその後も変わらず親友同士であり、修一はプロでも大活躍をして、地元チームの4番打者を務めるスター選手となっています。
昭生はもちろん修一の所属するチームのファンで、シーズン中はアルバイトで溜めたお金でチケットを買い、小まめに球場にも足を運び、そして何よりも修一の大ファンでした。

昭生が小学生のとき高校生だった修一とは直接の接点はほとんどありませんでしたが、ある日、シーズンオフの修一が大学まで啓二を迎えにやってきて、昭生は修一と久しぶりに実際に再会します。
食事を一緒にさせてもらい、その翌週再び3人で出かけることになるのですが、啓二が体調を崩したため、急遽二人だけで出かけることに。
そしてそれ以来、修一は啓二には内緒で昭生だけを誘い、二人だけで会いたがるようになります。親友の兄と二人だけで会うことに後ろめたさを感じる昭生ですが、修一は昭生が3人で会おうと言っても、承知しません。
そんなことが続いたある日、昭生は修一に突然キスされてしまい、後日には「俺のもんになれよ」と言われ、断れずに抱かれてしまいます。

憧れの野球選手にそんな風に言われて抱かれたら有頂天になりそうですが、ここからが停滞の始まりです(笑)
大スター選手である修一が自分に本気で構うということが有り得るとは、昭生には信じられないんですね。もともと控えめな性質なため、自分にそんな価値があるなどと自惚れることはとてもできないんです。
親友の兄とは言え、ずっとTVを通すか、球場で遠くから見るか、新聞や週刊誌でその姿を見るだけだったため、突然それが生身となって目の前に現われても、どこか現実味が薄い。
いきなりこんなことになっても驚くばかりだし、修一には今までも噂になった女性は何人もいて、本気だろうが遊びだろうが修一にとっては選り取りみどりだろうに違いない。なにも好き好んで、何の取り得もない男である自分に言い寄る理由もないから、修一が『本気』であるわけがない。

途中で修一側の視点が挟まれるので、修一が本気であることは読み手側にはわかるんですが、「自分は遊び相手の一人」と頑なに思いこんでしまった昭生は、修一の「好きだ」の一言も、全く信用しないんですね。
慣れた様子でそんなことを言って、惑わされて自分が本気になったあと、捨てられたら…と思うと信じるのが怖くて仕方がない。

と、そんな感じで、「逃げ腰の受と焦れて追いかける攻」という図のお話です。
超有名な野球選手にそんなことを言われて、「信じられない」という昭生の気持ちもわからなくはない。
昭生を抱いて、気持ちが通じ合ったと思ってニンマリしていたら昭生がよそよそしくなってしまい「何だ?何だ?」と戸惑って焦れている修一というのが結構好きだったんですけど、欲を言えば、もうちょっと修一側の『焦り』や、何が何でも追いかけるところが見たかったかな。
それと「野球選手」というところに惹かれて買ったんですけど、お話がシーズンオフ中の進行であるのと同時に、ちゃんと野球シーンはなかったのも寂しかった。これは個人的な嗜好なので致し方ないけれど、イラストの修一も野球選手ぽくないので、私の密かに望んでいたような「野球萌え」はなかったですね(笑)

恋に臆病な大学生が、恐る恐る心を開くまでのじれったいウブさはたっぷり堪能できました。可愛い恋のお話でした。
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