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漆黒の騎士を従えて
水瀬 結月著 / 藤井 咲耶〔画〕
オークラ出版
プリズム文庫(2007.2)


グラディエスタ王国の第二王子・カオルは国の命運にかかわる使命を帯びて旅に出た。お供は世間知らずの貴族の子息だけで、すぐに村で面倒を起こしてしまう。助けてくれたのは強烈な存在感を放つ漆黒の髪の旅人・シンだった。
その夜、カオルは宿で賊に襲われるが、またしてもシンに助けられる。危険すぎる旅の護衛としてシンを雇いたいカオル。
けれど報酬としてシンから要求されたのは、男同士の『やらしいこと』で!?
シン(年齢不明)×カオル(18歳)

久しぶりにファンタジーの感想です。

グラディエスタ王国では、カオルの父である王が急病で倒れたあと、叔父の宰相が不穏な動きを見せていました。
王位継承権は、カオルの兄が第一位、カオルが第二位、宰相は第三位となるのですが、宰相は自分が実権を握りたいと考えているのです。
王位を継ぐ儀式には、代々受け継がれてきた『法典』が必要なのですが、宰相の企みを察知した王は、城近くの教会に厳重に管理されていた法典を、別の場所に移しました。
そして兄が王位を継ぐべく足場を固め終えたため、他所に預けられている法典を持ち帰る任務がカオルに与えられます。

しかし、カオルの共につけられたのは役立たずの坊ちゃん貴族で、最初の宿で彼らは騒ぎを起こしてしまいます。
そこを上手く納めてくれたのが、旅人のシン。
そしてその晩、カオルの部屋に忍び込んだ賊から、再びシンが助けてくれて、この頼りになる男を護衛として雇いたい、とカオルは思います。
しかし、護衛になる条件というのが、『やらしいこと』つまり身体なのですね。すぐに最後までされてしまうわけではないんですが(笑)、その後、夜はシンによって快感を教えられながら、法典を持ち帰るための旅が始まるわけです。

展開はこういうパターンでは予測できる範囲のもので、無精ひげを生やし、野性的でちょっと乱暴な口を効くシンが、実は王家に関わる人物だろうというのはすぐに推測できます。
最後に高貴な姿で現れたりする、そのギャップも萌えなわけですね。
そのわりに、シンの王子に対する行いはどうなんだとツッコミたくなりますけど。最初の晩、女とヤってたみたいでしたしね。 王の勅命を受けてるのに何してる。
素直なカオルは可愛らしく好感が持てます。王家のために使命に燃える姿もなかなかしっかりしています。しかし世間知らず故ちょっと天然で、出てくるセリフがけっこう笑えました。

最後の裁判のシーンで、お話が締まった感じがしました。ちょっと簡単過ぎた感もありますが、お話の雰囲気からすればこんなもんでしょうね。
影で繰り広げられる、もしやブラコン気味の兄王子とシンのやりとりが笑えます。この兄のお話もあったら面白そうだけど、それでは王家が断絶してしまいますので、ないでしょう(笑)。

えろ最高記録樹立だそうですけど、えー?そうだったかなぁ(笑) 当社比、だそうです。
とてもわかりやすい、定番ストーリーで安心して読めるファンタジーでした。
しかしシンは人が変わりすぎだと思います。
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