教師と生徒の兄として10年ぶりに再会した深見と柚木。高校時代お互いが憧れだった二人は、懐かしさに想いを募らせていく。
「もう後悔したくない」と突然抱き締められキスを受ける深見。高校の時、告白もできず後悔した。だからもう我慢しない、と柚木の熱い抱擁に蕩かされる。
容赦なく中を穿たれ、10年分の想いを注がれる。深見は苦痛と快楽を味わわされ支配される喜びに震えた。
心も躯も結ばれた二人だったが、柚木の海外出向で再び引き裂かれる事になって!?
「もう後悔したくない」と突然抱き締められキスを受ける深見。高校の時、告白もできず後悔した。だからもう我慢しない、と柚木の熱い抱擁に蕩かされる。
容赦なく中を穿たれ、10年分の想いを注がれる。深見は苦痛と快楽を味わわされ支配される喜びに震えた。
心も躯も結ばれた二人だったが、柚木の海外出向で再び引き裂かれる事になって!?
柚木隆(ゆぎたかし/柚木は旧姓)×深見淳裕(ふかみあつひろ)
26歳、元高校同級生の再会もの。有名食品企業で企画の仕事をするサラリーマンと高校教師。
『教師』って好きな設定なんですよね。
高校教師の深見は、三者面談の席で、生徒の兄として出席した高校時代の元同級生柚木と再会します。
高校時代、政治家という有名人の父を持つという家庭環境のせいで様々な視線や噂に囲まれ、鬱積した思いを抱えながらも意識して明るく振舞い、どちらかというとやんちゃタイプと思われていた深見と、同じように家庭に悩みを抱え、深見とは反対に寡黙で周囲から一歩引き、孤高の存在だった柚木。
そんな二人が交わした言葉はごくささやかな会話だけでしたが、再会した当日、深見の帰りを待っていた柚木に誘われて食事をして以来、二人は連絡を取り合い、度々会うようになります。
何度も会い、交わす昔を懐かしむ会話の中で、その時自分とは正反対に見えた相手に対して、お互いにシンパシーを感じていたのがわかってきます。
そんな中、深見は柚木にいきなりキスされてしまいます。
困惑する深見ですが、連絡するなと怒ったくせに、そのとおり連絡がないと不安になったり、やはり深見の中にも、当時から柚木に対して特別な想いがあったということなんですよね。自分が気づかないだけで。
「高校の時話しかけることさえできずに後悔した、だから今度は後悔しないように自分の思うとおりにしようと思った」という柚木は、戸惑う深見に、待つから考えてくれといいます。
教師という立場や世間体を考え、男同士という関係に対する躊躇いを拭いきれない深見ですが、もう断ったお見合いの話を柚木に聞かせて反応を見ようとしてしまう場面は、恋されるものの優越感やズルさが凄く良く現れているなあと思いました。自分の気持ちははっきりさせていないのに、嫉妬してくれたら嬉しいという思考は結構リアル。
結果的にはそれを見抜かれ、つまりは弄んだこととなって柚木を怒らせてしまうわけですが、自分は待つけれど、せめて試すようなことはしないでくれという柚木の気持ち、“待つ”って決して余裕があるのではなくて、すごく切ない気持ちでいるんだろうなぁと思いましたね。
しかし、自分が柚木に対して嫉妬心を期待して試そうとしてしまうくらい、柚木のことを想っていた、と自覚した深見は、柚木に好きだと告げて、二人は恋人同士となります。
高校生のお互いに寄せる淡い気持ちを二人の会話で辿りながら、それが相手への現在への思いにも自然に続いていて、再会したあとの気持ちにも唐突さや引っ掛かりがなく、スムーズに入ってきました。
「会えなかった日々を埋めていく」はオビの煽りですが、まさにそんな感じです。
まだ恋とも知らなかった頃から、10年を経て成就する恋というんでしょうか。
恋人同士となったあと、しかし柚木にNYへの転勤の話が持ち上がります。
一緒にきてほしいという柚木。そうなると深見は仕事を辞めなければなりません。もし深見が仕事を辞められないのなら、自分が退職するとまで決心している柚木。
BLでこういう問題が持ち上がったとき、『仕事を辞める』という選択はあまり好意的には受け入れられないことが多いです。一緒にいたいのはわかるが、大事な仕事を辞めさせるなんて身勝手に思えるからでしょうか。
だからこういう締めに持ってきたのは、ちょっとどうかなと思う気持ちもあるんですが、「子供だった頃に、一度大人の都合で別れないとならなかったんだ。今大人になって、自分で選べるのに、また離れることを選ぶのは嫌だ」という柚木の気持ちもわからないこともないんですよね。
深見が自分で決めたことなら、教師という仕事は幸いどこの国にもあるものだし、一緒にいるためには両方が努力しないと駄目ですからね。エリートで有能なら、栄転という事態が起きるのも有り得ることだし、そういう事態になったとき、どうするかというのは恋人同士にとっては大問題。深見が辞められないなら俺が辞めるというのは決してオドシでななくて、何があっても二人でいたいと考えてのことですよね。その想いが深見も同じだったからこその選択なわけです。
書き手としてどうしてこうもってったかな~という気持ちはあるにしても、こうなった以上(笑)、この先もお互いが相手に合わせたり合わせられたりしながら、二人揃って新天地で幸せにやっていくことのほうを望みたいと思います。
このあたりのことにはいろいろとご意見もあるかと思いますが、トータルな感想としては実は今まで読んだ渡海さんのお話の中では、個人的に一番好きでした。
普通の男たちの普通の恋愛の物語が、基本的に私は一番好きなんだなーと再確認しました。昨日のいおかさんもそうだし。
そして高階さんのイラストなんですが、やっぱりいいですよね。特にカラーはホントにいつも綺麗だー。
26歳、元高校同級生の再会もの。有名食品企業で企画の仕事をするサラリーマンと高校教師。
『教師』って好きな設定なんですよね。
高校教師の深見は、三者面談の席で、生徒の兄として出席した高校時代の元同級生柚木と再会します。
高校時代、政治家という有名人の父を持つという家庭環境のせいで様々な視線や噂に囲まれ、鬱積した思いを抱えながらも意識して明るく振舞い、どちらかというとやんちゃタイプと思われていた深見と、同じように家庭に悩みを抱え、深見とは反対に寡黙で周囲から一歩引き、孤高の存在だった柚木。
そんな二人が交わした言葉はごくささやかな会話だけでしたが、再会した当日、深見の帰りを待っていた柚木に誘われて食事をして以来、二人は連絡を取り合い、度々会うようになります。
何度も会い、交わす昔を懐かしむ会話の中で、その時自分とは正反対に見えた相手に対して、お互いにシンパシーを感じていたのがわかってきます。
そんな中、深見は柚木にいきなりキスされてしまいます。
困惑する深見ですが、連絡するなと怒ったくせに、そのとおり連絡がないと不安になったり、やはり深見の中にも、当時から柚木に対して特別な想いがあったということなんですよね。自分が気づかないだけで。
「高校の時話しかけることさえできずに後悔した、だから今度は後悔しないように自分の思うとおりにしようと思った」という柚木は、戸惑う深見に、待つから考えてくれといいます。
教師という立場や世間体を考え、男同士という関係に対する躊躇いを拭いきれない深見ですが、もう断ったお見合いの話を柚木に聞かせて反応を見ようとしてしまう場面は、恋されるものの優越感やズルさが凄く良く現れているなあと思いました。自分の気持ちははっきりさせていないのに、嫉妬してくれたら嬉しいという思考は結構リアル。
結果的にはそれを見抜かれ、つまりは弄んだこととなって柚木を怒らせてしまうわけですが、自分は待つけれど、せめて試すようなことはしないでくれという柚木の気持ち、“待つ”って決して余裕があるのではなくて、すごく切ない気持ちでいるんだろうなぁと思いましたね。
しかし、自分が柚木に対して嫉妬心を期待して試そうとしてしまうくらい、柚木のことを想っていた、と自覚した深見は、柚木に好きだと告げて、二人は恋人同士となります。
高校生のお互いに寄せる淡い気持ちを二人の会話で辿りながら、それが相手への現在への思いにも自然に続いていて、再会したあとの気持ちにも唐突さや引っ掛かりがなく、スムーズに入ってきました。
「会えなかった日々を埋めていく」はオビの煽りですが、まさにそんな感じです。
まだ恋とも知らなかった頃から、10年を経て成就する恋というんでしょうか。
恋人同士となったあと、しかし柚木にNYへの転勤の話が持ち上がります。
一緒にきてほしいという柚木。そうなると深見は仕事を辞めなければなりません。もし深見が仕事を辞められないのなら、自分が退職するとまで決心している柚木。
BLでこういう問題が持ち上がったとき、『仕事を辞める』という選択はあまり好意的には受け入れられないことが多いです。一緒にいたいのはわかるが、大事な仕事を辞めさせるなんて身勝手に思えるからでしょうか。
だからこういう締めに持ってきたのは、ちょっとどうかなと思う気持ちもあるんですが、「子供だった頃に、一度大人の都合で別れないとならなかったんだ。今大人になって、自分で選べるのに、また離れることを選ぶのは嫌だ」という柚木の気持ちもわからないこともないんですよね。
深見が自分で決めたことなら、教師という仕事は幸いどこの国にもあるものだし、一緒にいるためには両方が努力しないと駄目ですからね。エリートで有能なら、栄転という事態が起きるのも有り得ることだし、そういう事態になったとき、どうするかというのは恋人同士にとっては大問題。深見が辞められないなら俺が辞めるというのは決してオドシでななくて、何があっても二人でいたいと考えてのことですよね。その想いが深見も同じだったからこその選択なわけです。
書き手としてどうしてこうもってったかな~という気持ちはあるにしても、こうなった以上(笑)、この先もお互いが相手に合わせたり合わせられたりしながら、二人揃って新天地で幸せにやっていくことのほうを望みたいと思います。
このあたりのことにはいろいろとご意見もあるかと思いますが、トータルな感想としては実は今まで読んだ渡海さんのお話の中では、個人的に一番好きでした。
普通の男たちの普通の恋愛の物語が、基本的に私は一番好きなんだなーと再確認しました。昨日のいおかさんもそうだし。
そして高階さんのイラストなんですが、やっぱりいいですよね。特にカラーはホントにいつも綺麗だー。
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