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夜を閉じ込めた館
夜光 花著 / 小山宗祐イラスト
竹書房
ラヴァーズ文庫(2007.2)


立体アーティスト、岸田智洋は、パーティーで知り合った椿という男から別荘のドールハウスを造ってほしいと依頼される。
田舎の山中に建っている別荘は、車かヘリでしか通う庫とができず、智洋はドールハウスが完成するまでは別荘に住み込むことを余儀なくされる。
そこへ毎日のように都心から椿がヘリで通ってきて智洋を口説くようになった。拒絶するが、一人では山を下りられない智洋は、いつのまにか別荘に閉じ込められているような状況に愕然として…。
椿一史(つばきかずふみ・31~2歳くらい)×岸田智洋(きしだともひろ・25歳)

サスペンス&ミステリータッチのお話でした。
移動手段は車かヘリしかない山奥の別荘。
滞在客の一人が死に、しかし降り積もる雪に、川に掛かる橋は落ち、警察も辿りつけず舞台は孤島化していきます。そしてまた一人、死人が…。犯人は誰?
こんなミステリーを読んだことあります。
しかし本格ミステリと比べることに意味はなく、十分に面白いものだと思います。あえて言えば、『謎』へのドキドキ感はありますが、『LOVE』という心理面は一歩引いた感じです。

ドールハウス作家の智洋は、あるパーティで椿と名乗る男から、別荘のドールハウスを作って欲しいと頼まれます。訪れた別荘は青森の山の中。しかし館をひと目みた智洋は、自分が10歳の頃、その館に滞在していたことがあり、椿は館の主の、当時高校生だった息子であることを思い出します。
そして椿の口からは「母親の死んだ日をやりなおしたい」と謎めいた言葉を聞かされます。

智洋がいた当時、椿の母親が死亡。
その死をきっかけに主は別荘を閉鎖し、庭師の父と一緒に住み込んでいた智洋もそこを離れました。しかし、病死と言われた椿の母が、実は殺人であったということを、智洋は大人たちの話を聞いて知っていました。だからこそ、椿の言葉を聞いて、智洋は不安を感じます。
そして椿は、母が死んだ命日の大晦日、15年前に別荘にいた人物を集め追悼式を行うから、智洋もそこにいろ、と言う。

移動手段もままならず、半ば閉じ込められるような形でドールハウス造りのための仕事を始める智洋。そんな中、椿は仕事の合間に別荘に顔を見せては智洋を口説いてきます。
そしてとうとう、追悼式に招待された3人の男たちがやってきて、不穏な空気と智洋の不安の中、事件が起こります。

ネタばれすると面白さが激減するので、この先は書けないんですが、事件の真相自体はそう凝ったものではないものの、やはり雪に閉ざされた山奥の別荘というだけでも、心理的な圧迫感や閉鎖感は誰もが感じるものなので、そんな中で人が一人ずつ死んでいくとなれば、十分その気になれます。ミステリタッチ、サスペンスタッチを狙ったBLの中では、かなり面白い出来だと思いました。

そして、事件の真相以外にも、最後にもうひとつ驚くような真実が隠されていて意表を突かれました。ラストに「えっ」と思わせる意外性、これはなかなかいいですよね。椿も、智洋も、『館』に縛り付けられた子供だったんだなぁと、ラストまできて、またいろいろ深いものを感じてしまいました。

ダークな雰囲気は夜光花さんらしいですが、珍しくハッキリわかるハッピーエンドとなっているのも特徴です。後半はHも濃い目。面白かったです。

こぼれ話。
イラストの小山さんは、男性だそうですが、ブログで面白いことを書いておられました。最初はBL用語も知らなかったので、受けやら攻めやら、単語の勉強から始め数ヶ月特訓したそうです。
椿は最初マッチョすぎてリテイクがかかり、筋肉30%OFFで修正したらしい(笑) バランスとか女性読者の好みとかを考慮するなど、そのへん色々あるんでしょうなぁ。しかしどう考えても椿はマッチョなイメージじゃないです、確かに。(笑)
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