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狂愛
妃川 蛍著 / 藤井咲耶イラスト
笠倉出版社
クロスノベルズ(2007.1)


愛することも愛されることも知らず、全てを拒絶して生きてきた優等生・友哉。
その孤独な心をかき乱したのは、傲慢な同級生・祥羽だった。
なにかにつけ反発してくる祥羽に、ある日友哉は、強引に唇を奪われてしまう。真意を読めない彼の行動に驚きを感じながらも、次第に変えられていく自分に、ただ戸惑うしかなかった。
そんな時、別の男から抱きしめられている現場を見られた友哉は、激怒した祥羽に無理やり身体を拓かれて――!?
紫月祥羽(しづきしよう)×佐久間友哉(さくまともや)
高校一年生、16歳同士。

その綺麗な容姿から近寄りがたい雰囲気を漂わせ、真面目で優等生、あまりに四角四面でクラスメートからは遠巻きにされている友哉。友哉とは正反対に、不真面目でアウトロー的なのに、堂々とした態度や要領の良さから、人気のある紫月。
二人は高校の入学式で顔を会わせたときから、お互いに相容れないものを感じとっていました。
磁石のプラスとプラス、マイナスとマイナスが反発しあうように、友哉と紫月はことあるごとにぶつかり合います。しかし、腹が立つと思いながらも、その存在を意識せずにはいられません。

友哉の方はやがて自分が紫月に惹かれていることに気づきます。しかし、紫月の方は、友哉に対して感じる苛立ちの元が、自分も友哉に惹かれているからだとは全く気づけません。このあたり、攻めの方が意固地で子供なんですね。
しかし、友哉が同級生からラブレターを貰い、他人が友哉に近づき始めると、焦燥感と苛立ちをそのまま友哉にぶつけ、友哉を強姦してしまいます。
そして、その後、ちょうど父の転勤で転校が決まっていた友哉が自分の前から消えてしまってやっと、紫月は自分の気持ちに気づく。

二人とも自分は親に愛されていない子供だと思っていて、その寂しさを押さえ込むために自分を無理に作っているところがあります。現われた形が、かたや優等生、かたやアウトローと正反対で、出所は似たような感情なのに、自分にないものを相手が持っているように、それぞれには思えるんですね。自分の中の負の感情を通して相手を見るので、自分とは違うもの、共鳴せず反発するものへの抵抗になって表に出てくる。

しかし、素直になってからはコロッと変わって甘く熱い恋人になるので、ごちゃごちゃ言ってたわりにはあっけなく、なんとなく素直になれなかっただけ?そのわりにはゴネたねぇ…と思えてしまったんですけどね。

そして、この高校1年生同士の恋愛に、受けの友哉の父の恋愛話(もちろん男との)が絡み、影で同時進行していて、アダルトカップルも楽しめて、ちょっと面白いです。そして、友哉と父の静哉(しずや)、紫月と父という双方の親子関係の確執も絡んでいます。

オンライン→同人誌と発表され、今回のノベルズ化に到った作品だそうです。(かなり加筆訂正されたよう)
タイトルの割には、余裕のない子供の不器用な純愛という感じで、キチクな内容ではありませんでした。でも、高校生同士とはいえ、ピュアな透明感あるお話とも違います。やってることは不器用だけど、語られるトーンが大人っぽい感じ。
文章でドラマティックな雰囲気を演出していますが、ストーリー自体は、出逢った時から、お互いが目障りで気に入らず反発しあうのに、そのくせ相手が気になってしょうがない二人が、それが実は好きの裏返しと気づき(読者には丸わかり)すったもんだの末に結ばれる、とてもわかりやすいお話です。

最後には友哉親子のお隣が都合よく空き室だったので、友哉と紫月、友哉の父と彼氏それぞれのカップルで同棲し、なんだか2カップルともラブラブして妙に楽しそうでした。
親子の問題も両方ともスッキリして、まとまり過ぎだけど後味はいいです。
いろいろありますけど、実はとっても甘いお話だと思いました。手の内は読めるんだけど、後半、親子愛にちょっとウルっとさせられたりして、なかなか楽しめました。
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