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狼は蒼い月を抱く
高塔 望生著 / 羽田共見イラスト
イースト・プレス
アズノベルズ(2007.1)


深夜、当直の外科医・浅倉は、肩に大怪我を負った男・志波を診ることに。志波は元ヤクザで今は一匹狼の便利屋だった。
「先生、男を知ってるだろ」――惚れたと臆面もなく囁き、浅倉の心にすっと入り込んでくる志波。
そんな折、浅倉のかつての恋人で研修医時代の指導医・三枝が急死。
遺された研究データを巡って、浅倉はいつしか抗争の渦中に巻き込まれていた…。
志波昂(しばたかし)×浅倉仁樹(あさくらまさき)
二人とも35歳くらいでしょうか?アダルトカップルですね。
お久しぶりの高塔さんです。

外科医の浅倉が当直の夜、救急に大怪我を負った男がやってきます。
明らかに刺されたと思われる傷を問いただすと、その男・志波は「自分でやった」とふざけたことをいい、結局は誤魔化され、しかも志波は浅倉がゲイだと見抜き、いきなりキスをして去っていってしまいます。
それ以降も傷の消毒に毎日訪れる志波は「俺とつきあってみないか」と口説いてきますが、背中に龍の刺青などを背負ったヤクザとはつきあえないと浅倉は拒否。
しかし強引な誘いを断りきれず、ドライブと食事へと連れ出されてしまうのですが、その時、浅倉は志波が、服役中に組が潰され帰る場所を失った元ヤクザだということを聞かされます。

そんな時、浅倉が、研修医時代の指導医で恋人でもあった三枝が事故で急死します。
そして、浅倉は突然見知らぬ男に拉致されそうになるのですが、三枝が無許可で行っていた新薬の治験のデータを巡り争奪戦が起きていて、それを持っていると誤解された浅倉は否応なしに事件に巻き込まれてしまいます。

自分は何の関係もなく、わけがわからないながらも、闇の治験というあってはならないことの真相を知ろうと医師としての倫理観で独自で探り始める浅倉
しかし、志波もまたそのデータを探していたのです。

自分に近づいたのはデータ欲しさのためなのか?
データの行方は?志波の目的は?そしてヤクザまでが絡んできて、真相はどこにあるのか。
なかなか興味を引く展開でしたね。

浅倉は心に傷持ちのちょっと神経質そうな美人ですが、さすがに医局長なだけあって、医師としての責任感や仕事ぶりはしっかりしてて、そういう面がまた内面の強さや真面目さを感じさせて好感が持てます。
そして志波は登場時こそ、ちょっとよくいる不遜なヤクザと言う感じでしたが、強気強気で強引に何でも手に入れていくようなタイプではなくて、浅倉を食事に誘って何もしないで帰したり(笑)、積極的に誘うかと思えば無理強いせず引いてみたり、また浅倉の怯えや哀しみをきちんと察して、それを受け止め安心させてやることもできる、繊細な気配りをする優しい男だったのが、よくある『ヤクザ(元ですが)』という職業の中では、ちょっと新鮮でした。

二人の恋愛はどうなるのかというところに、事件や過去が上手く絡んでいて、なかなか面白く読めました。
浅倉も、志波を受け入れると決めたら潔く、むしろ最後のHなんかは積極的で、こういうところはアダルトカップルらしい。大人でいいな~と思います。
浅倉の傷は志波が癒してくれるだろうし、また志波が丸ごと受け止めてくれそうな安心感を感じさせるので、とっても落ち着いたカップルになりそうですね。
でも『便利屋』ってなかなか危険なこともありそうなので、二人の周りはいろいろと事件が起こりそうです。

Hシーンもなんか落ち着いてましたよね。エロさはあんまり感じませんでしたけど、ヤクザ(元)モノなのに無理矢理ギャーギャー言わせてヤるHでない、そういうところも好きでした。

出版社の倒産でいろいろ余波を被ってしまった高塔さんですけど、今年は作品をたくさん拝見できるといいですね。
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