御曹司・相原和奏と社長秘書・久世貴史は恋人同士。愛を誓う二人だったが、和奏の父である相原社長がリコールされ失脚。そして貴史がリコールに関わっていたという裏切りを知る。和奏は絶望するも、愛する想いを消せず心を痛めていた。
そして、返り咲くという父に加担したことが貴史に知れ、激怒した貴史に無理矢理抱かれてしまい、二人の溝はますます深くなっていく。
そして、返り咲くという父に加担したことが貴史に知れ、激怒した貴史に無理矢理抱かれてしまい、二人の溝はますます深くなっていく。
久世貴史(くぜたかふみ・29歳)×相原和奏(あいはらわかな・24歳)
物語の始めから二人はつきあって4年になる恋人同士です。和奏の父が社長を務める会社で、貴史が父の秘書をしていたことで、二人は知り合いました。
貴史のあとを追うように和奏も同じ会社に入社し、二人は一緒に会社を大きくしていこうと共通の夢を抱いていました。
そんなある日、父が突然のリコールにより、社長を降ろされ退社を余儀なくされるという事件が起こります。
和奏の父とは経営方針を異にする副社長・伊藤の先導によるものであるということがわかりますが、伊藤に父の動向についての情報を流していたのが貴史だということを知り、和奏は恋人が父の失脚に手を貸していたことにショックを受けます。
二人が勤める人材派遣会社は、元は液晶業界大手の六葉(ろくは)コーポレーションから生まれた関連会社でした。六葉との繋がりを強固にし、その傘下に収まることで生き残りを考える経営方針の和奏の父に対して、副社長の伊藤は、六葉の影響下から出て、独自で発展していくのが会社のためだと考えていました。
実際、親会社である六葉の経営状態は危機に瀕しており、貴史は、このままでは会社が駄目になる、自分がしたことは間違っていないと和奏を解こうとします。
しかし『経営方針の違い』というだけで退社に追い込まれてしまうのは余りに理不尽で、また貴史が和奏には全く何も知らせずにいたということが、和奏にとっては裏切り以外の何物にも思えません。
貴史の言葉を信じられなくなった和奏は、貴史を避け、甘い蜜月のようだった二人の関係に、亀裂が生じてしまいます。
和奏は恋人への不信感と愛情の板ばさみになり、悩みます。
貴史の言葉が何ひとつ信じられないのに、どこかで信じたいと願ってしまうジレンマは共感しやすかったです。お互いに愛情は少しも変わっていないのに溝は深く、ちょっとした視線とか、逸らす目とか、ふとした偶然の接触に緊張感を募らせるという描写で、お互いのジリジリした気持ちがより強く伝わってきました。
貴史は、とても誠実で裏のない男で、その信念のために正しいと思うことを貫いているのだというのはわかりやすいです。そして貴史の方も、頑なに心を閉ざしてしまった和奏と、自分の信念の間で苦悩してるところが見えるので、『どちらも想い合っていながら擦れ違う』状況が、辛いながらも結構萌えだったりしました。
変に意地を張ってるだけで気まずくなってるわけではなく、そうなってしまう状況がうまく考えられているんですね。
「聞けばいいじゃん」とか「言えばいいじゃん」で単純には解決しそうにない、というのがよくある擦れ違いのパターンとは違ってたと思います。
貴史が和奏に黙って動いていたことにも、ラストにわかる本当の理由というのがあって、だから貴史は和奏には秘密にしておきたかったのね、と一応ちゃんと理由が用意されていました。もちろん和奏も大人なんだから、全てを話して、和奏の気持ちを先に納得させるということもできたと思うけれど、そういう理性的な方法よりも、和奏を傷つけないことを一番に考えてしまうところが、貴史の愛情の深さなのかなとも思うし、個人的には貴史の気持ちは納得でした。
結構好きなお話でした。
二人には試練だけれど、その間にも二人の強い想いは感じられるし、終わってみればその愛情はますます強固になっていて、読後は満足でした。
物語の始めから二人はつきあって4年になる恋人同士です。和奏の父が社長を務める会社で、貴史が父の秘書をしていたことで、二人は知り合いました。
貴史のあとを追うように和奏も同じ会社に入社し、二人は一緒に会社を大きくしていこうと共通の夢を抱いていました。
そんなある日、父が突然のリコールにより、社長を降ろされ退社を余儀なくされるという事件が起こります。
和奏の父とは経営方針を異にする副社長・伊藤の先導によるものであるということがわかりますが、伊藤に父の動向についての情報を流していたのが貴史だということを知り、和奏は恋人が父の失脚に手を貸していたことにショックを受けます。
二人が勤める人材派遣会社は、元は液晶業界大手の六葉(ろくは)コーポレーションから生まれた関連会社でした。六葉との繋がりを強固にし、その傘下に収まることで生き残りを考える経営方針の和奏の父に対して、副社長の伊藤は、六葉の影響下から出て、独自で発展していくのが会社のためだと考えていました。
実際、親会社である六葉の経営状態は危機に瀕しており、貴史は、このままでは会社が駄目になる、自分がしたことは間違っていないと和奏を解こうとします。
しかし『経営方針の違い』というだけで退社に追い込まれてしまうのは余りに理不尽で、また貴史が和奏には全く何も知らせずにいたということが、和奏にとっては裏切り以外の何物にも思えません。
貴史の言葉を信じられなくなった和奏は、貴史を避け、甘い蜜月のようだった二人の関係に、亀裂が生じてしまいます。
和奏は恋人への不信感と愛情の板ばさみになり、悩みます。
貴史の言葉が何ひとつ信じられないのに、どこかで信じたいと願ってしまうジレンマは共感しやすかったです。お互いに愛情は少しも変わっていないのに溝は深く、ちょっとした視線とか、逸らす目とか、ふとした偶然の接触に緊張感を募らせるという描写で、お互いのジリジリした気持ちがより強く伝わってきました。
貴史は、とても誠実で裏のない男で、その信念のために正しいと思うことを貫いているのだというのはわかりやすいです。そして貴史の方も、頑なに心を閉ざしてしまった和奏と、自分の信念の間で苦悩してるところが見えるので、『どちらも想い合っていながら擦れ違う』状況が、辛いながらも結構萌えだったりしました。
変に意地を張ってるだけで気まずくなってるわけではなく、そうなってしまう状況がうまく考えられているんですね。
「聞けばいいじゃん」とか「言えばいいじゃん」で単純には解決しそうにない、というのがよくある擦れ違いのパターンとは違ってたと思います。
貴史が和奏に黙って動いていたことにも、ラストにわかる本当の理由というのがあって、だから貴史は和奏には秘密にしておきたかったのね、と一応ちゃんと理由が用意されていました。もちろん和奏も大人なんだから、全てを話して、和奏の気持ちを先に納得させるということもできたと思うけれど、そういう理性的な方法よりも、和奏を傷つけないことを一番に考えてしまうところが、貴史の愛情の深さなのかなとも思うし、個人的には貴史の気持ちは納得でした。
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二人には試練だけれど、その間にも二人の強い想いは感じられるし、終わってみればその愛情はますます強固になっていて、読後は満足でした。
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