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やわらかな熱情
高岡 ミズミ著 / 桃山 恵イラスト
ワンツーマガジン社
アルルノベルス(2007.1)


レザーデザイナーの卵の裕史に投資するのは、志藤グループの御曹司・志藤貴之。夢を叶えようと懸命に励む裕史は、時折心地よく触れてくる貴之の指先に安らぎを感じていた。
しかし、志藤が投資する新人ジュエリーデザイナーの祝賀パーティーに連れ出されショックを受ける。
期待に応えられない自分に落ち込む中、「与えられるだけが嫌なら、与えてみる?」という志藤に身体を差し出そうとするが…
志藤貴之(しどうたかゆき・31歳)×菱谷裕史(ひしやゆうじ・21歳)

レザーデザイナーを目指す裕史は、あるきっかけで知り合った志藤グループの御曹司で副社長の志藤に援助を受けています。その範囲は住まい、生活費、作品にかかる諸費用、雑費など、全てに渡っている。
そうまでしてくれる理由は、裕史の才能に期待してということなのだろうけれど、志藤は裕史に「好きだ」といい、時々頬へのキスをねだったりします。穏やかに、サラッとそんなことをする志藤がどこまで本気なのか裕史にはわからず、戸惑いながらも、志藤の優しさは心地よく、与えてくれた境遇に感謝もしている。
けれど、何もかも志藤に負担させることに心苦しさを感じている裕史は、生活費だけは自分で稼ごうと、志藤から与えられた金には手をつけず、志藤に黙ってコンビニでアルバイトをしていたりする。
そんな生活を始めて1年、お話はそんな二人の現在から始まっています。


二人の恋愛というよりも、裕史の成長物語という印象の方が強かったですね。
ただ、成長といっても、裕史は人の庇護の元でしか何をどうすることもできず、周りの大人の手助け(時には手出し)によって、あっちへ流されこっちへ流されしてしまうだけなので、まだまだ甘ちゃんという感じが最後まで拭えなかったのはちょっと残念でした。いろいろ悩んではいるんだけど、どっちに転んでも結局人の手に縋ってることにしかならないんですよね。
夢を掴むためには何でも利用してやろうという気持ちが必要だという言葉がありましたが、主人公はさすがにそんな小ズルイ若者というわけにはいかないですから、そこまで強かなタイプにすることはできず、そのせいで裕史はなんだか自立心のない、中途半端なイメージに思えてしまいました。開花する前のスタートラインでお話が終わってしまったのは、でき過ぎな話よりもいいんだけど、そのせいで余計、「自立」が感じられなかったんでしょうね。

志藤についても、裕史に援助することになる出会いのエピソードは語られていますが、初対面の青年になぜ?というのはイマイチわかりにくいんですね。
見ず知らずの、将来海のものとも山のものとも知れないものに住居から何から全て援助するような男となれば、その理由にこそ男の人物像や背景が見えてくるのではないかと思うんですが、それがわかりづらいので志藤のイメージはどことなく茫洋としていました。
志藤の生い立ちに、その理由の一旦があって、そのせいで裕史に惹かれたのでしょうが、じゃあ裕史の方に志藤が惹かれる部分が見えるかというと、それがあんまり見えないのね。

でも、お金も地位もあって、若い青年にポンと援助して、時々「好きだよ」なんて囁いて、スマートに恋愛を進行させようとする大人の男・・・のように見えていた志藤が、実はかなり不器用な大人であるというのは、ちょっと良かったかも。
視点がそれぞれに変わるので、どちらの気持ちもわかりやすいですが、志藤が焦らされているところなんかは、結構好きでしたね。

高岡さんがあとがきで仰ってるので、あえて言いますが「ぬるい」感じはしますね。
タイトルに「やわらかな」とあるように、その「ぬるさ」には、柔らかさ、優しさ、甘さももちろん含まれていて、派手なところのない、普通(?)の不器用な恋愛話だと思いますが、それ以外にも、いろんな意味でぬるくて、読後は微妙な感じでした。
それでも「地味好き」なので、私はそう辛い点数はつけませんが、一般的にはどうだろう?(笑)
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