「俺と一緒に帰ってほしい」
初対面に等しい相手、尾崎哲也にいきなりそんなことを言ったのには訳がある。氷室右京は、ある理由から他人の未来の危機がわかるのだ。
同じ大学の水泳部のホープ・尾崎が事故で再起不能になるかもしれないと知った右京は、とにかく尾崎の傍で彼を守ろうと考えるが、あまりの不器用なやり方に全く相手にされない。
それでも必死に尾崎を守ろうとするうちに、一見意地悪で冷たく見える尾崎の、わかりにくい優しさに触れ、彼に惹かれ始めるが…。
初対面に等しい相手、尾崎哲也にいきなりそんなことを言ったのには訳がある。氷室右京は、ある理由から他人の未来の危機がわかるのだ。
同じ大学の水泳部のホープ・尾崎が事故で再起不能になるかもしれないと知った右京は、とにかく尾崎の傍で彼を守ろうと考えるが、あまりの不器用なやり方に全く相手にされない。
それでも必死に尾崎を守ろうとするうちに、一見意地悪で冷たく見える尾崎の、わかりにくい優しさに触れ、彼に惹かれ始めるが…。
尾崎哲也(おざきてつや)×氷室右京(ひむろうきょう)
大学3年生同士。
あらすじを見るとわかるように『危険予知』という不思議の他に、実は“幽霊”も出てきます。未来の危険を予知するのは、この幽霊なので、そのあたりのツカミから零れてしまうとノれなくなってしまうかもしれません。
それから、なんと続編が決まっているということで、これで完結ではないんですー。
右京には一卵性の双子の兄(左京・さきょう)がいました。しかし左京は二人が9歳のとき、川で溺れた右京を助けようとして亡くなってしまいます。
しかし、悲しむ右京の前に、幽霊となった左京が現れ、父の身に危険が迫っているからそれを防げ、と伝えてきます。
その出来事以来、身近な人物に危険が迫ると、左京は右京の前に現れるようになります。近所の家の火事だったり、クラスメートの自殺だったり、その度に右京はそれを防ごうと、一人奮闘してきました。最初こそ、左京の幽霊と予言のことを父母や周りに話しましたが、病気と勘違いされ病院にいれられたり、友人には気味悪がられたりして全く信じてもらえません。
そのため、その後は一人黙って行動するようになったので、夜、住宅街の物陰に潜んで見張りをしているところを職務質問されたり、父母に叱られたり、と結構散々な目にあったりしるんですね。クラスメートには変人扱いされ遠巻きにされ、変わり者として友人もあまりいません。
そんな右京が大学3年生のある日、左京が現れ、今度は大学の水泳部のホープ・尾崎が「事故に遭い再起不能になる」と伝えてきます。
尾崎は水泳の実力も全国区で、大学でも有名な人気者。右京は直接話したことはありませんでしたが、1年生のとき、尾崎が泳ぐ姿を見て、その美しさに感動したことがありました。
そんな尾崎が泳げなくなるかもしれないと知った右京は、尾崎を守ろうと声をかけます。それまでの経験から、本当のことを説明しても信じてもらえず気味悪がられて避けられるのがオチということはわかっています。しかし、黙ってつけまわせばストーカーだと思われて通報されてしまうかもしれない。
そこで右京は尾崎の傍に行き、いきなりこう言うのです。
「俺と一緒に帰ってほしい」
いきなりそんなことを言われたら「はぁ?」というのが普通の反応ですよね。ちょっと間違えば『告白』にも聞こえてしまうし、実際右京は水泳部の面々が揃っている前でそんなことを言い出してしまったので、とたんに「ホモ?」と周りに勘違いされ囃し立てられてしまいます。
言葉の選び方もなんですけど、右京はとっても不器用でちょっと天然が入ったタイプなんですね。詳しい説明ができないので尾崎には『変人』にしか見えなのもしょうがないんですが、本人も少しボーっとして頼りない感じで、気持ちはわかるけれどズレてる右京がちょっと可愛いんですよ。
案の定尾崎を怒らせてしまい迷惑がられてしまう右京ですが、尾崎の危機ですから右京は諦めず、とにかく食い下がって尾崎の登下校についていきます。
朝は早くからアパートの前で尾崎を待ち、夜は尾崎が出かける時ついてゆくために、終電までアパートの前で佇んでいます。確かにストーカーっぽいです。
始めは迷惑がっていた尾崎ですが、どういうつもりかはわからなくても、右京に悪意だけはないことはわかったんでしょう。それに右京はズレたところがちょっと可愛いですしね(笑)。尾崎も少しずつ、右京を受け入れていきます。
そして、右京も、一見冷たい尾崎が、実は右京のことを考えてくれているということに気づいていきます。
リアルでない設定が前提なので、好き嫌いはあるかもしれないですが、変な正義感を振り回すのではなく、ただ人を救いたくて気持ちは一生懸命、でも周りからみると奇妙な右京は可愛いと思ったし、人を好きになって、やはり一生懸命に、素直に気持ちを伝えようとする右京も、とても好感が持ててて、好きでした。
続編あり、ということで、二人の関係は一応se○はしましたが微妙なところで終わっています。
このお話は右京の成長話でもあると思います。亡くなった兄の左京は物怖じしないしっかり者でしたが、弟の右京はボーッとしていてすぐ迷子になるような子供で、いつも兄に手を引いてもらっていました。そんな兄が亡くなったあとも、幽霊の兄に精神的に頼っているところがあるんですね。
けれど、尾崎を好きになって、右京は少しずつ変わり始めます。兄を亡くした事故のせいで、得意だった水泳ができなくなり、水に恐怖さえ感じるようになっていた右京は、尾崎の泳ぐ姿を見て、もう一度泳ぎたいと挑戦を始めます。そして、尾崎が手を引いてくれれば、水の中を歩けるようになる。
けれど、まだこれでは、握っていた兄の手を、今度は尾崎の手に変えただけで、他人に引いてもらっていることには変わりありません。
尾崎が、右京を抱いておきながら、「期待するな」「これ以上は何もできない」というのは、恋人になれないとか好きじゃないとか言う意味ではなくて、「右京が一人で立つためには」という精神的な意味じゃないかな、と思ったりしてます。
でも、できるなら尾崎の「好き」の一言は聞きたいですよね(笑)
二人の今後がどうなるのか、とりあえず続編を待っていたいと思っています。
ちょっと変わったお話ですが、不器用な可愛らしい恋が面白かったです。
大学3年生同士。
あらすじを見るとわかるように『危険予知』という不思議の他に、実は“幽霊”も出てきます。未来の危険を予知するのは、この幽霊なので、そのあたりのツカミから零れてしまうとノれなくなってしまうかもしれません。
それから、なんと続編が決まっているということで、これで完結ではないんですー。
右京には一卵性の双子の兄(左京・さきょう)がいました。しかし左京は二人が9歳のとき、川で溺れた右京を助けようとして亡くなってしまいます。
しかし、悲しむ右京の前に、幽霊となった左京が現れ、父の身に危険が迫っているからそれを防げ、と伝えてきます。
その出来事以来、身近な人物に危険が迫ると、左京は右京の前に現れるようになります。近所の家の火事だったり、クラスメートの自殺だったり、その度に右京はそれを防ごうと、一人奮闘してきました。最初こそ、左京の幽霊と予言のことを父母や周りに話しましたが、病気と勘違いされ病院にいれられたり、友人には気味悪がられたりして全く信じてもらえません。
そのため、その後は一人黙って行動するようになったので、夜、住宅街の物陰に潜んで見張りをしているところを職務質問されたり、父母に叱られたり、と結構散々な目にあったりしるんですね。クラスメートには変人扱いされ遠巻きにされ、変わり者として友人もあまりいません。
そんな右京が大学3年生のある日、左京が現れ、今度は大学の水泳部のホープ・尾崎が「事故に遭い再起不能になる」と伝えてきます。
尾崎は水泳の実力も全国区で、大学でも有名な人気者。右京は直接話したことはありませんでしたが、1年生のとき、尾崎が泳ぐ姿を見て、その美しさに感動したことがありました。
そんな尾崎が泳げなくなるかもしれないと知った右京は、尾崎を守ろうと声をかけます。それまでの経験から、本当のことを説明しても信じてもらえず気味悪がられて避けられるのがオチということはわかっています。しかし、黙ってつけまわせばストーカーだと思われて通報されてしまうかもしれない。
そこで右京は尾崎の傍に行き、いきなりこう言うのです。
「俺と一緒に帰ってほしい」
いきなりそんなことを言われたら「はぁ?」というのが普通の反応ですよね。ちょっと間違えば『告白』にも聞こえてしまうし、実際右京は水泳部の面々が揃っている前でそんなことを言い出してしまったので、とたんに「ホモ?」と周りに勘違いされ囃し立てられてしまいます。
言葉の選び方もなんですけど、右京はとっても不器用でちょっと天然が入ったタイプなんですね。詳しい説明ができないので尾崎には『変人』にしか見えなのもしょうがないんですが、本人も少しボーっとして頼りない感じで、気持ちはわかるけれどズレてる右京がちょっと可愛いんですよ。
案の定尾崎を怒らせてしまい迷惑がられてしまう右京ですが、尾崎の危機ですから右京は諦めず、とにかく食い下がって尾崎の登下校についていきます。
朝は早くからアパートの前で尾崎を待ち、夜は尾崎が出かける時ついてゆくために、終電までアパートの前で佇んでいます。確かにストーカーっぽいです。
始めは迷惑がっていた尾崎ですが、どういうつもりかはわからなくても、右京に悪意だけはないことはわかったんでしょう。それに右京はズレたところがちょっと可愛いですしね(笑)。尾崎も少しずつ、右京を受け入れていきます。
そして、右京も、一見冷たい尾崎が、実は右京のことを考えてくれているということに気づいていきます。
リアルでない設定が前提なので、好き嫌いはあるかもしれないですが、変な正義感を振り回すのではなく、ただ人を救いたくて気持ちは一生懸命、でも周りからみると奇妙な右京は可愛いと思ったし、人を好きになって、やはり一生懸命に、素直に気持ちを伝えようとする右京も、とても好感が持ててて、好きでした。
続編あり、ということで、二人の関係は一応se○はしましたが微妙なところで終わっています。
このお話は右京の成長話でもあると思います。亡くなった兄の左京は物怖じしないしっかり者でしたが、弟の右京はボーッとしていてすぐ迷子になるような子供で、いつも兄に手を引いてもらっていました。そんな兄が亡くなったあとも、幽霊の兄に精神的に頼っているところがあるんですね。
けれど、尾崎を好きになって、右京は少しずつ変わり始めます。兄を亡くした事故のせいで、得意だった水泳ができなくなり、水に恐怖さえ感じるようになっていた右京は、尾崎の泳ぐ姿を見て、もう一度泳ぎたいと挑戦を始めます。そして、尾崎が手を引いてくれれば、水の中を歩けるようになる。
けれど、まだこれでは、握っていた兄の手を、今度は尾崎の手に変えただけで、他人に引いてもらっていることには変わりありません。
尾崎が、右京を抱いておきながら、「期待するな」「これ以上は何もできない」というのは、恋人になれないとか好きじゃないとか言う意味ではなくて、「右京が一人で立つためには」という精神的な意味じゃないかな、と思ったりしてます。
でも、できるなら尾崎の「好き」の一言は聞きたいですよね(笑)
二人の今後がどうなるのか、とりあえず続編を待っていたいと思っています。
ちょっと変わったお話ですが、不器用な可愛らしい恋が面白かったです。
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