鹿代は解凍庫で輸入肉に茶色い物が混じっているのを見つけた。それは凍った蝙蝠だった。上に知れたら全ての輸入肉を再検査、なんて面倒事になり兼ねない。鹿代は迷わずゴミ箱に捨てた。
その夜、精肉工場の女子トイレに全裸の外国人の男が現れた。男は逮捕され留置所に入れられるが、翌朝には姿を消していた。
蝙蝠を一匹残して…。
その夜、精肉工場の女子トイレに全裸の外国人の男が現れた。男は逮捕され留置所に入れられるが、翌朝には姿を消していた。
蝙蝠を一匹残して…。
アルベルト・アーヴィング(21歳)×高塚暁(たかつかあきら・30歳)
タイトルのとおり、「吸血鬼モノ」です。
アルベルト(作中では“アル”)の年齢は吸血鬼になった時の年齢で、それ以降外見的に年は取らないようです。8年経っているそうなので通算29とも言えます。
便宜上アルの名を先に書きましたが、この本では恋愛関係には至っていません。シリーズになるそうで、序章といったとことです。どちらが攻受なのかまだわかりませんが、雰囲気的には暁受けかなぁ…。直腸検査とかされちゃって、そっちに見られてる雰囲気(笑)。
コメディタッチで、吸血鬼アルがちょっとダメなヘタレ君ぽく、蝙蝠の姿の時などは大変可愛らしいので楽しく読めますが、所々、非常にグロテスクな表現や場面がありますので、そこは要注意かも。
ですが、大変面白くあっという間に読んでしまいました。
続きがとても楽しみなシリーズの始まりです。
アメリカのネブラスカ州の畜産農場から、ひょんなことで蝙蝠の姿のまま冷凍され日本の精肉工場へと送られてしまったアル。凍った蝙蝠を見つけた女工員が、トイレに捨ててしまったため、解凍されたアルはそこで目覚めます。
アルは、昼間は蝙蝠、夜は人型になる吸血鬼。中途半端に血を吸われ即死でなかったため、ちゃんとした(?)吸血鬼になれず、変体を自由にコントロールすることができません。夜になって、素っ裸で、女子トイレで人型になってしまったアルは警察へ連行されてしまいますが、翌朝には、留置所の中で蝙蝠に。
そして、その後、縁あって刑事の葱滑谷(ぬかりや)の手によって、高塚暁の家へと連れていかれ、いろいろあった後、引き取られることになるのですね。
暁の職業はエンバーマー。簡単に言えば、死体を綺麗にする仕事です。防腐処理をしたり、傷ついていれば修復したり。こういう職業の登場人物にはBLに限らず初めて出会いました。しかし、この職業が結果的にアルの食糧事情を助けることになるんですが。
暁の家に連れてこられた当初、アルはもちろん蝙蝠の形で、葱滑谷は暁が「蝙蝠好き」と知っていたからこそ連れてきたわけですが、夜になると全裸の外人に変身してしまうため、騒動になります。
やっと『吸血鬼』であることを信じてもらったあとは、暁の元に住まわせてもらいながら日本語を勉強するのですが、最初はなかなか意志の疎通も上手く行かず、ぶっきら棒で気が短い暁に、アルは度々怒鳴られることに。
アルは吸血鬼という言葉から連想するような神秘的な雰囲気は全くなく、素直で単純でちょっとアホっぽいけれど、性格的には普通の青年です。怒りっぽい暁に、「あくま」「あほう」と覚えたての日本語で反抗したりして、二人のやりとりは面白くて結構笑えます。
しかし、ある晩、二人が言い争いになって、アルが公園に一人でいる所、突然見知らぬ男に刺され大怪我をするという出来事が起きます。吸血鬼であるアルは刺されても死にませんが、血は流れ、体力は消耗し、痛みは当然ある。医者も薬も必要なく自然治癒するのですが、それには体力が必要で、そして吸血鬼の体力維持に必要なのは、やはり『血』なのですね。弱っているアルを見た暁は、アルに自分の血液を飲ませます。アルが、あまりの美味しさに暁から血を戴きすぎてしまい、暁が貧血で倒れ救急車で運ばれるというオチはありますが、その出来事で、アルにも暁の仏頂面だけれど優しい本質がわかるようになるのですね。
その後、アルが刺された事件が、実は「連続殺傷事件」の一旦で、アルが3人目の犠牲者となるところだったことがわかります。
葱滑谷を助けて犯人逮捕に協力するアル。
アルが吸血鬼になってからの孤独や悲惨な生活も語られていますが、アルは暁と葱滑谷によってその存在を受け入れられ、初めて居場所を与えられたと思えるようになるのです。そして人のために自分でも何かができる、何かをしたいと思った結果、目を覆いたくなるような大怪我までしてしまいますが、そういうアルの思いにも、それを看病する暁にも、またアルが負った怪我に責任を感じて心配する葱滑谷にも、いつの間にか、それぞれにしっかりした『情』が結ばれつつあるのがよくわかりますね。
ただ、アルが怪我をするシーンとその後、数ページ、大変痛々しく、つい想像してしまうのでキツかったです。
刑事の葱滑谷がまた、大変いい味のキャラでした。
アルに対しては常に穏やかで優しく思いやりに溢れていますが、実は警察では、単独プレイが多く、一人浮きがちで、隠れS的な部分(笑)も持っているんですね。彼についても、いろいろと突っ込んだところを知りたいです。
そして今後この3人がどうなっていくのか、また新たなキャラが登場するのか、続編がとても楽しみです。
続きものと言っても、きちんと終わってますので、読後感もいいです。『ぱんつ』に頬擦りするアルが可愛かった。
気になるのは、やはり『攻受』ですよね。
アホ受けがあまり好きではないので(笑)私は『アル×暁』希望ですが、反対もないとは言えません。体格は同じくらいですが、暁の容貌の描写など見ると、受けっぽいですけどね(笑)
2月、4月には別の新刊が予定されているようなので、その後でしょうか。
待ち遠しいです。
タイトルのとおり、「吸血鬼モノ」です。
アルベルト(作中では“アル”)の年齢は吸血鬼になった時の年齢で、それ以降外見的に年は取らないようです。8年経っているそうなので通算29とも言えます。
便宜上アルの名を先に書きましたが、この本では恋愛関係には至っていません。シリーズになるそうで、序章といったとことです。どちらが攻受なのかまだわかりませんが、雰囲気的には暁受けかなぁ…。直腸検査とかされちゃって、そっちに見られてる雰囲気(笑)。
コメディタッチで、吸血鬼アルがちょっとダメなヘタレ君ぽく、蝙蝠の姿の時などは大変可愛らしいので楽しく読めますが、所々、非常にグロテスクな表現や場面がありますので、そこは要注意かも。
ですが、大変面白くあっという間に読んでしまいました。
続きがとても楽しみなシリーズの始まりです。
アメリカのネブラスカ州の畜産農場から、ひょんなことで蝙蝠の姿のまま冷凍され日本の精肉工場へと送られてしまったアル。凍った蝙蝠を見つけた女工員が、トイレに捨ててしまったため、解凍されたアルはそこで目覚めます。
アルは、昼間は蝙蝠、夜は人型になる吸血鬼。中途半端に血を吸われ即死でなかったため、ちゃんとした(?)吸血鬼になれず、変体を自由にコントロールすることができません。夜になって、素っ裸で、女子トイレで人型になってしまったアルは警察へ連行されてしまいますが、翌朝には、留置所の中で蝙蝠に。
そして、その後、縁あって刑事の葱滑谷(ぬかりや)の手によって、高塚暁の家へと連れていかれ、いろいろあった後、引き取られることになるのですね。
暁の職業はエンバーマー。簡単に言えば、死体を綺麗にする仕事です。防腐処理をしたり、傷ついていれば修復したり。こういう職業の登場人物にはBLに限らず初めて出会いました。しかし、この職業が結果的にアルの食糧事情を助けることになるんですが。
暁の家に連れてこられた当初、アルはもちろん蝙蝠の形で、葱滑谷は暁が「蝙蝠好き」と知っていたからこそ連れてきたわけですが、夜になると全裸の外人に変身してしまうため、騒動になります。
やっと『吸血鬼』であることを信じてもらったあとは、暁の元に住まわせてもらいながら日本語を勉強するのですが、最初はなかなか意志の疎通も上手く行かず、ぶっきら棒で気が短い暁に、アルは度々怒鳴られることに。
アルは吸血鬼という言葉から連想するような神秘的な雰囲気は全くなく、素直で単純でちょっとアホっぽいけれど、性格的には普通の青年です。怒りっぽい暁に、「あくま」「あほう」と覚えたての日本語で反抗したりして、二人のやりとりは面白くて結構笑えます。
しかし、ある晩、二人が言い争いになって、アルが公園に一人でいる所、突然見知らぬ男に刺され大怪我をするという出来事が起きます。吸血鬼であるアルは刺されても死にませんが、血は流れ、体力は消耗し、痛みは当然ある。医者も薬も必要なく自然治癒するのですが、それには体力が必要で、そして吸血鬼の体力維持に必要なのは、やはり『血』なのですね。弱っているアルを見た暁は、アルに自分の血液を飲ませます。アルが、あまりの美味しさに暁から血を戴きすぎてしまい、暁が貧血で倒れ救急車で運ばれるというオチはありますが、その出来事で、アルにも暁の仏頂面だけれど優しい本質がわかるようになるのですね。
その後、アルが刺された事件が、実は「連続殺傷事件」の一旦で、アルが3人目の犠牲者となるところだったことがわかります。
葱滑谷を助けて犯人逮捕に協力するアル。
アルが吸血鬼になってからの孤独や悲惨な生活も語られていますが、アルは暁と葱滑谷によってその存在を受け入れられ、初めて居場所を与えられたと思えるようになるのです。そして人のために自分でも何かができる、何かをしたいと思った結果、目を覆いたくなるような大怪我までしてしまいますが、そういうアルの思いにも、それを看病する暁にも、またアルが負った怪我に責任を感じて心配する葱滑谷にも、いつの間にか、それぞれにしっかりした『情』が結ばれつつあるのがよくわかりますね。
ただ、アルが怪我をするシーンとその後、数ページ、大変痛々しく、つい想像してしまうのでキツかったです。
刑事の葱滑谷がまた、大変いい味のキャラでした。
アルに対しては常に穏やかで優しく思いやりに溢れていますが、実は警察では、単独プレイが多く、一人浮きがちで、隠れS的な部分(笑)も持っているんですね。彼についても、いろいろと突っ込んだところを知りたいです。
そして今後この3人がどうなっていくのか、また新たなキャラが登場するのか、続編がとても楽しみです。
続きものと言っても、きちんと終わってますので、読後感もいいです。『ぱんつ』に頬擦りするアルが可愛かった。
気になるのは、やはり『攻受』ですよね。
アホ受けがあまり好きではないので(笑)私は『アル×暁』希望ですが、反対もないとは言えません。体格は同じくらいですが、暁の容貌の描写など見ると、受けっぽいですけどね(笑)
2月、4月には別の新刊が予定されているようなので、その後でしょうか。
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