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弁護士は恋を自白する
榎田 尤利著 / 茶屋町勝呂イラスト
大洋図書
SHYノベルズ(2003.1)


N.Y.でプロのダンサーを目指す潤也は、街角で通行人とぶつかり意識を失う。目覚めたとき目に入ったのは財閥の御曹司でエリート弁護士アシュリーの冷たい美貌だった。
ぶつかった拍子に怪我をした足が癒えるまでアシュリーの滞在するホテルのスイートで共に過ごすことになった潤也だが、夜の優しいアシュリーと昼間の尊大な態度の違いに戸惑いつつも惹かれていく。
少しずつ互いを知り、全てがうまくいくかと思えたある日、アシュリーの不器用さが招いたある事が、ふたりの間に大きな誤解をうみ…。

読み終わってる新刊がないので、古い本の感想で失礼します…。
アシュリー・ボールドウィン(28歳)×寿潤也(ことほぎじゅんや・22歳)
弁護士とダンサーの卵。

「弁護士は恋を自覚する」
「眠れる森の王子」
「It'a joke.眠れる森の王子後日談」の三編収録されていますが、
「眠れる森の王子」「It'a joke.眠れる森の王子後日談」は別カップルとなっています。

ダンサーを目指しN.Y.に来てから半年。
潤也は大事なオーディションに向かう途中、街角で向うからやってきた背広姿の男と激しく正面衝突し、気を失ってしまいます。
目覚めた時には見知らぬホテルの部屋のベッドの上で、目の前には銀髪のいかにもエグゼクティブらしいハンサムな男と赤毛のやはり背広姿の男が。
銀髪の方は弁護士のアシュリー、赤毛は異母弟でアシュリーの秘書をするジェレミーで、彼らはワシントンから仕事でN.Yに来ており、潤也はアシュリーとぶつかった拍子に頭を打ち脳震盪を起こしたと言われます。
オーディションには当然遅刻しチャンスはふいになってしまう。
しかも二人が呼んでくれた医者の診察で足も捻挫していることがわかり安静を言い渡されたうえ、その夜潤也は発熱し、しばらく二人の泊まる高級ホテルのスイートの部屋にお世話になることになります。

一緒にいるうちに惹かれあっていく二人。しかしアシュリーには忘れられない女性の影がちらつきます。
そんなある日、潤也のもとに駄目になったはずのオーディションの通知が届く。
アシュリーが口を効いてくれたと知った潤也はチャンスが再び訪れたことを喜びますが、実は潤也の入団を条件に、ボールドウィン財閥がスポンサーになる約束をしていたことを潤也は知ってしまいます。

自分の夢が金で汚されたと知った潤也は怒りでアシュリーを詰り、潤也は部屋を飛び出します。そしてアシュリーたちもN.Y.での仕事が終わりワシントンへ帰ってしまい、二人は決別。

自分が金でゴリ押ししたと周りから見られることに躊躇いを覚え、好きだったアシュリーに自分の夢を理解してもらえなかったことにも怒りの治まらない潤也ですが、電話で話した祖母の言葉に一切の迷いは霧散してしまいます。この祖母がいいですねー。おっとりしていながら、話がわかっていないようでいて実は本質をついている。
大事なのはきっかけではなくチャンスを掴むことで、周りの偏見や誤解は「ぼちぼち解いたったらええ。(by祖母)」。そんなことよりダンスが大事。アシュリーがお金の力を使ったことは「価値観の違い(by祖母)」
目から鱗がおちた潤也は、オーディションに堂々と臨み、素晴らしい技を披露して拍手で迎えられます。
そしてアシュリーに会いにワシントンへ行くんですが…。

アシュリーが「ヘタレ」と言ったのはここからです。
アシュリーは潤也に去られたせいで仕事も出来なくなり、酒と安定剤か抗うつ剤のせいでボロボロになってしまってるんですね。潤也が話しかけてもボーッとしていてとてもまともではない。
しかも潤也に出した紅茶に睡眠薬を混ぜ、潤也が眠っているうちに足に鎖までつけて拘束してしまうのです。
それで何をするでもなくただ同じベッドに眠り、行かないでくれと潤也を抱きしめ、目覚めると真っ先に潤也を探す。弟が訪ねてきてもドアを開けようとはせず、そんな状態のまま幾日もたってしまいます。

結局アシュリーを元に戻したのは潤也の真摯な言葉と誘惑(笑)。
潤也を抱いたアシュリーはやっと呪縛から解き放たれます。アシュリーの忘れられない女性とは実は「継母」で、日本人だった彼女は押さないころからアシュリーの支えでした。ところが「きっと帰ってくる」と言って帰国した日本で彼女は事故死。
母と同じ日本人である潤也に母の面影を重ね、潤也が自分の元を去ったことと母の事故死を重ねてしまっていたんですね。
アシュリーはマザコンでもあったのでした。
しかし潤也を抱いたことで、母と潤也は違うとやっと思うことができた。母は抱けませんから(笑)。
なんだかとってもたよりないんですけど、心配してやってきた友人に最後はカンフーをお見舞いされ床で呻くこととなってしまったのでした。なんとまあヘタレで可愛いこと(笑)。

知らない外国で一人夢を叶えようとする潤也は「おっとり型」と言われているようですがとても芯が強く真っ直ぐで揺らがなくて自信に溢れている。反対に弁護士として成功しお金も持っているはずの年上のアシュリーの方がずっと不器用で照れ屋でマザコンでヘタレというのが面白いですね。
こういう攻は受にベッタベタに甘くなりますよね、きっと。

別カップルの「眠れる森の王子」「It'a joke.眠れる森の王子後日談」は、潤也が入団したカンパニーの団員のお話です。「弁護士は恋を自覚する」にもこの二人はチラッと出てきますが、お話は全く別物。
1冊2カップルとなったわけですが、今回は個人的には1冊1カップルでお願いしたかった…というのが正直なところです。
こちらのカップルがつまらないという意味ではありません。
前のカップルに気持ちが残ってて、切り替えてちゃんと入っていけなかったのが、自分で残念だったので。
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