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竜の恋情、Dr.の慕情
樹生 かなめ〔著〕 / 奈良千春イラスト
講談社
X文庫ホワイトハート(2006.12)


「清和くんには僕しかいない。僕にも清和くんしかいないんだよ。」
明和病院の美貌の内科医・氷川諒一の年下の恋人は、広域暴力団・真鍋組二代目であり、昇り龍を背負う橘高清和だ。
日々成長していく清和に愛情とともに不安を覚える氷川は、ある日、清和の初めての女性の存在を知る。
そのうえ、清和の母の不穏な噂まで流れてきて!?
橘高清和(きつたかせいわ・19歳)×氷川諒一(ひかわりょういち・29歳)

「龍とDr.シリーズ」です。

この二人はもうしっかり『夫婦』で、二人の間が感情的に擦れ違ってどうのこうの・・・ということはありません。
氷川はしっかり姐さんとして周囲に認められてるし、清和は氷川以外に目もくれませんし、氷川も手綱をしっかり握ってますからね。

今回、清和の初めての女性の存在が明らかになり、氷川が嫉妬する場面がありますが、それで喧嘩になるということではなく、氷川が背中に嫉妬の青白い炎を燃やすところとか、清和をチクチク苛める(?)ところとか、むしろ面白くて笑えました。
清和の初めての女性は、クラブ竜胆(りんどう)のママで、清和より一回り以上も年上のようです。『初めての女』は大切にしなければならないという不文律のようなものがあるようで、竜胆の経営には清和がお金を出しているんですね。それを知った氷川はめちゃくちゃ嫉妬しますが、この竜胆のママがまた、大変よくできた自分の立場をわきまえた女性でして、ちょっと面影が氷川に似てるんですね。清和が何を思ってこの女性を選んだのか想像に容易いですし、氷川のピンチに非常に上手い助け舟を出したりしていて、この女性が今後不穏の種になることはないでしょうね。
完全に過去のことなんですけど、やきもちを妬いて清和を困らせる氷川は可愛らしいじゃありませんか。

また、清和の母の存在が、清和と反目する藤堂(とうどう)に利用され、藤堂組と橘高組が一触即発の事態になります。
この事態に、氷川が実に上手い具合に藤堂の鼻を明かし、事態を止め、藤堂に貸しをつくって収めるのですが、カッコよかったですね。
ぽや~んとしたおっとり美人の氷川ですが、優しい笑顔と物言いで、極道の鼻を明かすところ、清和の女房として、橘高組の姐さんとして見事でスッとしました。
本人は清和くんのことしか考えてなかったかもしれませんけど。。

清和がオムツをしている頃から知っている氷川ですが、その可愛がりぶり溺愛ぶりは健在で、甘やかす氷川と、清和の二人のやりとりも楽しめました。
外に出れば『組長』なのに、家では氷川に靴下やパンツまで着替えさせてもらっているという、清和の困惑を想像するとおかしいですよね。清和は顔には出さないけど。黙って好きにさせているというのも、愛情の一端ですね。
しかし、清和の頭を洗いながらの会話は面白かった。
「あ、シャンプーハットを買っておけばよかった」
「いらないから」
背中に昇り龍を背負った男のシャンプーハット姿を想像してしまいました。

いかにも樹生さんらしい、ぶっとんだキャラがいっぱい出てましたが、今回また、新しく美形の舎弟が一人加わりました。
魅力的なキャラがたくさん出ていて、それでいて「一同総ホ○」という事態にはならないのですね(笑) 
ホストの京介と氷川の送り迎えをしているショウの間柄が気になりますが、ホントにどういう関係と言ったらいいんでしょうね。

好きなカップルなので、また続編を楽しみに待ちたいと思いますが、今回は雰囲気がちょっと樹生さんのキワモノ系の匂いがしたような気がします。
これってオモロイ話でしたっけ?
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