![]() | 月下の秘めごと 中原 一也著 / 有馬かつみイラスト 幻冬舎コミックス リンクスロマンス2007-06 by G-Tools |
自由もなく、周囲の意のままに生きてきた皇太子・春楊は、ある夜、密かに抜け出した東宮の庭で赤みがかった瞳の男と出会う。
男の名は孝先。火眼虎の異名を持つ禁軍兵士だった。
閉鎖的な生活の中、誰もいない庭で月を眺めることを慰めとしていた春楊は、突然現われた男に恐れと興味を抱く。強引に再び会う約束をさせられ、その後も逢瀬を重ねるうち、孝先の不器用な優しさを知り惹かれていく。
だが皇帝が毒殺されたことにより運命が大きく変わり始め…。
男の名は孝先。火眼虎の異名を持つ禁軍兵士だった。
閉鎖的な生活の中、誰もいない庭で月を眺めることを慰めとしていた春楊は、突然現われた男に恐れと興味を抱く。強引に再び会う約束をさせられ、その後も逢瀬を重ねるうち、孝先の不器用な優しさを知り惹かれていく。
だが皇帝が毒殺されたことにより運命が大きく変わり始め…。
孝先(こうせん)×春楊(しゅんよう)
中国系ファンタジーです。
年齢ははっきりわかりませんが、受けがひとつ年上のようです。
中原さん、中華は初めてかな?
赤い髪に赤みがかった瞳を持ち、「火眼虎(かがんこ)」という渾名を持つ孝先は、国軍・禁軍の兵士。その容姿から幼いころから異端視され、両親が亡くなったあとは苦労の時期を過ごしてきました。
盗賊の真似事をし、風来坊のような生活をしていた孝先は、ある時その腕を買われて禁軍に誘われ入隊したのです。
国は、無力な皇帝の元、朝廷の重臣たちが私利私欲を貪り贅沢を謳歌し、民は増税により貧困に喘いでいます。国の軍である禁軍の腐敗も例外ではなく、そんな中孝先は鬱々とした日々を過ごしています。
そんなある晩、孝先は出来心で忍び込んだ東宮の庭で、美しい青年と出会います。
彼は春楊といい、現皇帝の息子、つまり皇太子でした。
春楊は、朝廷を牛耳ろうとするものの企みで、幼い頃から『飾り物』の皇帝になるようにと、世間の実情など何も知らされずに育てられてきました。
孝先は、そんな春楊に苛立ちを感じますが、それでいて惹きつけられ、二人は満月の晩、同じ場所でこっそりと逢瀬を重ねます。
孝先によって、民の困窮した実情を知らされ、何も知らなかった春楊も少しずつ朝廷で行われている不正に気がついていきます。同時に、孝先の、一見乱暴だけれど実は優しい人柄に惹かれていく。春楊の無垢な美しさは、同じように孝先を魅了します。
しかし、そんな安らぎのひとときは皇帝暗殺という事件により終わりを告げてしまいます。
春楊は皇帝に祭り上げられ、孝先は罠にかかって、反逆の疑いをかけられ囚われそうになってしまう。逃げ出した孝先は、革命を目指す男たちに助けられ、仲間に加わります。
男たちの目的は、朝廷を倒し、新しい政を敷くこと。
孝先は、朝廷を倒し、春楊を助け出すことを誓いますが、春楊には、孝先が自分を裏切ったと吹き込むものがいて、二人はその後5年もの間、離れ離れとなってしまいます。
そして5年後、『皇帝暗殺を企てた』として捉えられた孝先と、『皇帝・春陽』という、牢獄の柵を隔てての再会となります。
二人の運命は・・・?
と、なかなか波乱に満ちた切ないお話でした。
二人の不器用な恋のシーンも良くて、引き裂かれてしまった時はハラハラしましたね。
何も知らなかった春楊ですが、孝先がいなくなり、一人皇帝として朝廷と戦う春楊は、毅然として一生懸命で、芯の強さを見せていて良かったです。でも、孝先を思うと、心が千切れそうに切ない。そんな姿に同情させられます。
せっかく会えても、決して安心できる状況じゃなくて・・・。
冒頭に再会シーンがあるので、二人が知り合い、恋をして、引き裂かれ、誤解の末に再会して、ちゃんと誤解は解けるというのはわかるんですが、冒頭シーンのその後がちょっと痛々しい。
あんまり詳しくは書いてませんけど、基本的に攻め以外に受けがヤられてしまうのは、好きじゃないんです。しかもこんな無垢な人のお初を・・・(笑) 攻めの目の前で、ですし、その後も何度もでしたから、ここだけは、ごめんなさい。甘いと言われようが、ちょっと駄目です。
朝廷を牛耳ろうとする悪人がまた救いようのないイヤな野郎でした。あっさりいなくなって良かったですが(笑)、後半、締めに向かってちょっと速かったような気もしましたね。
序盤から中盤にかけて、わりとじっくり書かれていたので、もうちょっとページ数増やして、後半もゆっくりいってくれても良かったかな? 春楊の辛い場面が引き伸ばされるのはヤですけども。
一部分だけちょっと引っかかりましたけど、しっとりたおやか美人の春楊と、火のように熱い男、孝先のカップルは好きですし、お話も面白かったです。
イラストが有馬さんなんですけど、個人的には有馬さんの絵は、現代ものより時代ものの方が合ってるような感じがします。他レーベルの時代もの任侠のときも良かったし。正直言うと、現代ものの有馬さんはあんまり好きじゃないんですが(すみませんー!)、時代ものを描いてらっしゃるときは、かなり好き。
中国系ファンタジーです。
年齢ははっきりわかりませんが、受けがひとつ年上のようです。
中原さん、中華は初めてかな?
赤い髪に赤みがかった瞳を持ち、「火眼虎(かがんこ)」という渾名を持つ孝先は、国軍・禁軍の兵士。その容姿から幼いころから異端視され、両親が亡くなったあとは苦労の時期を過ごしてきました。
盗賊の真似事をし、風来坊のような生活をしていた孝先は、ある時その腕を買われて禁軍に誘われ入隊したのです。
国は、無力な皇帝の元、朝廷の重臣たちが私利私欲を貪り贅沢を謳歌し、民は増税により貧困に喘いでいます。国の軍である禁軍の腐敗も例外ではなく、そんな中孝先は鬱々とした日々を過ごしています。
そんなある晩、孝先は出来心で忍び込んだ東宮の庭で、美しい青年と出会います。
彼は春楊といい、現皇帝の息子、つまり皇太子でした。
春楊は、朝廷を牛耳ろうとするものの企みで、幼い頃から『飾り物』の皇帝になるようにと、世間の実情など何も知らされずに育てられてきました。
孝先は、そんな春楊に苛立ちを感じますが、それでいて惹きつけられ、二人は満月の晩、同じ場所でこっそりと逢瀬を重ねます。
孝先によって、民の困窮した実情を知らされ、何も知らなかった春楊も少しずつ朝廷で行われている不正に気がついていきます。同時に、孝先の、一見乱暴だけれど実は優しい人柄に惹かれていく。春楊の無垢な美しさは、同じように孝先を魅了します。
しかし、そんな安らぎのひとときは皇帝暗殺という事件により終わりを告げてしまいます。
春楊は皇帝に祭り上げられ、孝先は罠にかかって、反逆の疑いをかけられ囚われそうになってしまう。逃げ出した孝先は、革命を目指す男たちに助けられ、仲間に加わります。
男たちの目的は、朝廷を倒し、新しい政を敷くこと。
孝先は、朝廷を倒し、春楊を助け出すことを誓いますが、春楊には、孝先が自分を裏切ったと吹き込むものがいて、二人はその後5年もの間、離れ離れとなってしまいます。
そして5年後、『皇帝暗殺を企てた』として捉えられた孝先と、『皇帝・春陽』という、牢獄の柵を隔てての再会となります。
二人の運命は・・・?
と、なかなか波乱に満ちた切ないお話でした。
二人の不器用な恋のシーンも良くて、引き裂かれてしまった時はハラハラしましたね。
何も知らなかった春楊ですが、孝先がいなくなり、一人皇帝として朝廷と戦う春楊は、毅然として一生懸命で、芯の強さを見せていて良かったです。でも、孝先を思うと、心が千切れそうに切ない。そんな姿に同情させられます。
せっかく会えても、決して安心できる状況じゃなくて・・・。
冒頭に再会シーンがあるので、二人が知り合い、恋をして、引き裂かれ、誤解の末に再会して、ちゃんと誤解は解けるというのはわかるんですが、冒頭シーンのその後がちょっと痛々しい。
あんまり詳しくは書いてませんけど、基本的に攻め以外に受けがヤられてしまうのは、好きじゃないんです。しかもこんな無垢な人のお初を・・・(笑) 攻めの目の前で、ですし、その後も何度もでしたから、ここだけは、ごめんなさい。甘いと言われようが、ちょっと駄目です。
朝廷を牛耳ろうとする悪人がまた救いようのないイヤな野郎でした。あっさりいなくなって良かったですが(笑)、後半、締めに向かってちょっと速かったような気もしましたね。
序盤から中盤にかけて、わりとじっくり書かれていたので、もうちょっとページ数増やして、後半もゆっくりいってくれても良かったかな? 春楊の辛い場面が引き伸ばされるのはヤですけども。
一部分だけちょっと引っかかりましたけど、しっとりたおやか美人の春楊と、火のように熱い男、孝先のカップルは好きですし、お話も面白かったです。
イラストが有馬さんなんですけど、個人的には有馬さんの絵は、現代ものより時代ものの方が合ってるような感じがします。他レーベルの時代もの任侠のときも良かったし。正直言うと、現代ものの有馬さんはあんまり好きじゃないんですが(すみませんー!)、時代ものを描いてらっしゃるときは、かなり好き。
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