澄田正嗣は将来を嘱望されるエリート商社マン。だれもが羨む正嗣の秘密――それはゲイであること。
ある夜、正嗣は一人の少年を拾う。痩せた身体に整った顔立ちの少年はBと名乗るだけ。
「あんた…優しい?」自ら誘いながら、愛撫には不慣れなB。
正嗣はやがて昼間の現実より、素性の知れない少年Bとの生活に溺れていくが…。
ある夜、正嗣は一人の少年を拾う。痩せた身体に整った顔立ちの少年はBと名乗るだけ。
「あんた…優しい?」自ら誘いながら、愛撫には不慣れなB。
正嗣はやがて昼間の現実より、素性の知れない少年Bとの生活に溺れていくが…。
「君は優しく僕を裏切る」
「君は優しく愛を欲しがる」
澄田正嗣(すみたまさつぐ・27歳)×少年B(会沢優美・あいざわゆうび・15歳)
「愛は優しく復讐する」
穂村昌樹(ほむらまさき・28歳)×四郎(しろう・18歳)
三編収録されていて、上記二編と下一編は別のお話です。
決して読みやすいタイプの剛さんではないと思う。
一夜限りの関係ばかりを重ねてきた正嗣が、いつものように公園で拾った少年B。一度だけだと思っていた関係は、Bが正嗣を再び訪ねてきたことから、継続する関係へと変わります。
やがてBに惹かれていく正嗣。二人だけで過ごす時間だけが大事で、Bの本名や家族のことさえ聞こうとしなかった正嗣ですが、Bを想う気持ちは本物。しかし、ある日突然、それは正嗣の全てを変えてしまう裏切りとなって返ってきます。
未成年に対する、監禁、脅迫、強制わいせつの疑いで告訴され、正嗣は警察に連行されます。事件はマスコミにもかぎ付けられ、もちろん実家の両親や友人、近所、会社にも知れ渡ります。会社は当然解雇。
何もかも失くした正嗣ですが…。
と、かなりハードなお話ですが、三編収録されていることからもわかるように話が短いです。なので地獄におちてしまったような日々が延々と続くわけではありません。
正嗣の気持が、Bの裏切りを決して恨んだり憎んだりしていないので、そういう意味での辛さは感じませんが、そんな事態にあってもなおBを想う正嗣の気持ちがちょっと泣けました。
このお話は、二人の関係は哀しい終わり方はしないので、そのへんはホッとするところです。身辺的には、どうなったのかハッキリしないところはありますが、「短編」ということから言えば、これでありかなと思います。
「君は優しく愛を欲しがる」は、表題作のちょっと後の二人。ラブラブという言葉は似合いませんが、多分この二人はずっと一緒にいるだろうな、と思うことができます。
「愛は優しく復讐する」は、刑事と、道端で自作のアクセサリーを売る少年のお話。
10年前、穂村は刑事の兄を殺人事件で亡くしました。事件は解決されておらず、当時亡くなった兄は刑事でもあったことで根も葉もない醜聞を囁かれたりもしました。
刑事になった穂村は、仕事の傍ら、幼かった自分が垣間見た「蛇の刺青の男」を個人的に探し続けてきました。
そんな時、兄が死んだ時と全く同じ状況で死亡したホームレスが発見されます。そして、「刺青の男」の情報を手に入れた穂村は、それを頼りにある男の元にたどり着きます。
それが、繁華街の路上でアクセサリーを売る、四郎でした。
こちらもごく短いもので、事件は解決されないし、ハッピーエンドでもありません。起承転結で言えば、わかりやすい「結」ではないので、正直に言うと物足りない感じ。
こういう話からはいろんなものが読み取れるんだと思います。しかし、こっちは難しいですね。
どちらの話も後味はいいとは言えませんが、決して閉じた未来を予想させるような終わり方ではありません。
が、なんとなく「人嫌いの剛さん」に出会ってしまったような感じ(笑)
「たとえ成就しなかったとしても、誰かを愛したという経験は、そのあとに何かを残すはず」という言葉は真理でしょうが、私はBLからそんなことを改めて教えてもらいたいと思って読んでいるわけではないので、これは多分私のチョイスミスでしょう。見たいのは夢なので。
私のツボに嵌まったとは言いがたいのですが、しかし心の淵にちょっと引っかかる感じ。
一般的には、正嗣×Bの方がわかりやすいかと思います。
「君は優しく愛を欲しがる」
澄田正嗣(すみたまさつぐ・27歳)×少年B(会沢優美・あいざわゆうび・15歳)
「愛は優しく復讐する」
穂村昌樹(ほむらまさき・28歳)×四郎(しろう・18歳)
三編収録されていて、上記二編と下一編は別のお話です。
決して読みやすいタイプの剛さんではないと思う。
一夜限りの関係ばかりを重ねてきた正嗣が、いつものように公園で拾った少年B。一度だけだと思っていた関係は、Bが正嗣を再び訪ねてきたことから、継続する関係へと変わります。
やがてBに惹かれていく正嗣。二人だけで過ごす時間だけが大事で、Bの本名や家族のことさえ聞こうとしなかった正嗣ですが、Bを想う気持ちは本物。しかし、ある日突然、それは正嗣の全てを変えてしまう裏切りとなって返ってきます。
未成年に対する、監禁、脅迫、強制わいせつの疑いで告訴され、正嗣は警察に連行されます。事件はマスコミにもかぎ付けられ、もちろん実家の両親や友人、近所、会社にも知れ渡ります。会社は当然解雇。
何もかも失くした正嗣ですが…。
と、かなりハードなお話ですが、三編収録されていることからもわかるように話が短いです。なので地獄におちてしまったような日々が延々と続くわけではありません。
正嗣の気持が、Bの裏切りを決して恨んだり憎んだりしていないので、そういう意味での辛さは感じませんが、そんな事態にあってもなおBを想う正嗣の気持ちがちょっと泣けました。
このお話は、二人の関係は哀しい終わり方はしないので、そのへんはホッとするところです。身辺的には、どうなったのかハッキリしないところはありますが、「短編」ということから言えば、これでありかなと思います。
「君は優しく愛を欲しがる」は、表題作のちょっと後の二人。ラブラブという言葉は似合いませんが、多分この二人はずっと一緒にいるだろうな、と思うことができます。
「愛は優しく復讐する」は、刑事と、道端で自作のアクセサリーを売る少年のお話。
10年前、穂村は刑事の兄を殺人事件で亡くしました。事件は解決されておらず、当時亡くなった兄は刑事でもあったことで根も葉もない醜聞を囁かれたりもしました。
刑事になった穂村は、仕事の傍ら、幼かった自分が垣間見た「蛇の刺青の男」を個人的に探し続けてきました。
そんな時、兄が死んだ時と全く同じ状況で死亡したホームレスが発見されます。そして、「刺青の男」の情報を手に入れた穂村は、それを頼りにある男の元にたどり着きます。
それが、繁華街の路上でアクセサリーを売る、四郎でした。
こちらもごく短いもので、事件は解決されないし、ハッピーエンドでもありません。起承転結で言えば、わかりやすい「結」ではないので、正直に言うと物足りない感じ。
こういう話からはいろんなものが読み取れるんだと思います。しかし、こっちは難しいですね。
どちらの話も後味はいいとは言えませんが、決して閉じた未来を予想させるような終わり方ではありません。
が、なんとなく「人嫌いの剛さん」に出会ってしまったような感じ(笑)
「たとえ成就しなかったとしても、誰かを愛したという経験は、そのあとに何かを残すはず」という言葉は真理でしょうが、私はBLからそんなことを改めて教えてもらいたいと思って読んでいるわけではないので、これは多分私のチョイスミスでしょう。見たいのは夢なので。
私のツボに嵌まったとは言いがたいのですが、しかし心の淵にちょっと引っかかる感じ。
一般的には、正嗣×Bの方がわかりやすいかと思います。
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