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胸にしまっておけよ
小川 いら著 / 桃月はるかイラスト
幻冬舎コミックス
ルチル文庫(2006.11)


医療機器メーカーの営業・吉沢尚は入社して6年。後輩・安永陽介の指導も任され忙しくも充実した日々を送っていた。
ある日、失恋して元気のない陽介を慰めているうちにうっかり身体まで慰めあってしまう。目を覚まして真っ青になる尚と、付き合う気満々の陽介。
それ以来、尚は陽介を避けてしまうが、その一方で取引先の医者にも関係を迫られて――!?
安永陽介(やすながようすけ・24歳)×吉沢尚(よしざわなお・28歳)


年下ヘタレワンコと、美人の男前受けです。
吉沢の所属する本社営業二課に、入社して1年間の研修を終えた安永陽介が配属され、尚が指導係を任されます。

尚にはとても美人で気立てのいい彼女がいて、安永にもちょっと小悪魔っぽい可愛い彼女がいます。
尚の彼女・貴子(たかこ)は、サバサバして気取らない、いい女で、将来には結婚も考えている。
しかし、ある日、尚は貴子から、「婿養子になってくれ」と思いも寄らないことを言われてしまうんですね。
貴子の家は造園業を営んでいるのですが、倒れて気弱になった父が、そんなことを言い出したらしいのです。

結婚するなら貴子・・・と思っていたものの、入社して6年、自分なりに頑張ってやりがいを感じている仕事をやめ、突然畑違いの『造園業』の世界に飛び込めと言われても、はい、そうですかというわけにはいきません。
もう少し今の会社で力を試したいと言った尚に、貴子は一旦はうなづきますが、しかし後日、貴子は尚を悩ませたくないと言い、二人は別れることになってしまいます。
落ち込む尚ですが、偶然、安永も同時期に小悪魔な彼女に二股をかけられフラれてしまい、二人は飲んで慰めあって、泥酔し・・・たどり着いた尚の部屋で、お約束な展開となってしまうのです。

酔っていて何にも覚えていない尚に反して、安永はそれ以来、尚を「好きだ」といって追っかけてきます。目を覚ませ、フラれた気の迷いだ、迷惑だ、といくら言っても、本気だと言って安永は聞き入れません。
逃げる年上に、追いかけるワンコ、と、ストーリーは定番です。

『小川いら』さんは、基本的に好きなんですよね。
お名前で買います。
年下ワンコも男前受けも大好きなので、それなりには楽しめました。
ただ、ちょっとすっきりしないところがあって、のめり込めなかったんですねー。

尚の元恋人の貴子は、ホントにいい女なんですよ。容姿だけじゃなく、その気性が。尚ともとても合ってると思う。
だからといって、結婚のために男が好きな仕事を辞め、全く知らない世界に飛び込めるかというと、難しいということはわかるので、別れてしまったのは仕方がないと思う。
そして、その後、安永の求愛に尚の心が傾いてくわけですが、後半、実は貴子から、ヨリを戻したい、家を継ぐことも考えなくていい、と言われるんですよね。
さて、そこで尚は悩むのですが、BLですから安永を取るわけです、もちろん。

でも、ノンケで営業の仕事が大好きな尚が造園業を継ぐのと、男と恋愛するのと、ハードルはどっちが高いですかね?
これは難しすぎる問題でした。
客観的に見たら、尚は貴子を選ぶほうが自然で幸せなんじゃないか、と思えてしまうんですよね。
貴子がすごくいい女で尚と似合いだというのもあるし、何より、尚が安永を好きになる決定的な何か、貴子ではなく安永である理由が、いまいちハッキリ見えてこなかったからだと思います。
安永の魅力は、尚や、営業課長の口から語られますので伝わってきますが、決定的に安永を選ぶ何かとか、安永の魅力を安永自身が発揮する場面とかが残念ながらないんですね。
尚が安永を選んだのは、結果的に「ほだされちゃった」としか思えないから・・・だから、最初の疑問に戻るわけなのです。
男同士というハードルはそんなに高くなかったのか?と。

ただ、本文にもありますが、恋愛も結婚も“タイミング”というのは凄く大事なので、どんなにいい人とでも、この“タイミング”が合わないと、結婚まで至らないということは現実にもあるんですよね。
思うに、貴子は“タイミング”が悪く、安永は“タイミング”が良かったと、それだけの違いだと思う。
貴子と別れたあと、尚は、貴子に対する気持ちが恋ではなく、親友への気持ちだと気づいたと言っていましたが、気づかず結婚しても、この二人は上手くいってたと思う。
そりゃー、本当に好きな人と一緒にいるのが一番いいに決まってるんだけど、では安永のどこに、どうやってそこまで惚れたんだ?というのが、先に書いたようによくわからないから、スッキリしないんですね。


――ここまで書いたのを読み返してみて、いやに理屈っぽいので、突然、恋は理屈じゃないのだった、と気づきました。
なんだかわからないけど、惚れちゃったということもありますよね、うん、多分。
屁理屈はともかく、それでいいことにしておきましょうか。

そういえば尚に迫る心臓外科医は、いったいどういう役回りだったんでしょうね?あんまり意味ないような。
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