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ワイルドでいこう
高岡 ミズミ著 / 紺野けい子イラスト
徳間書店
キャラ文庫(2006.10)


子犬のようだった弟分が、十年後は獰猛な猟犬になっていた!? 
実家が詐欺に遭い、呆然とする壱矢の前に現れたのは、子供の頃別れたきりの幼なじみ・隆充。昔は可愛かったのに、今では手下を従えてヤクザ同然の整理屋稼業!! 
その変貌に驚きながらも、再会の喜びに心揺れる壱矢。
けれど隆充はなぜか壱矢に冷たい。しかも「俺はそんなに従順な飼い犬だったか?」と突然押し倒してきて!?
木津隆充(きづたかみち・25歳)×薗田壱矢(そのだいちや・27歳)

「ワイルドでいこう」雑誌掲載
「ワイルドで決めろ」書き下ろしの二編。
幼馴染再会ものです。

薗田壱矢は高級外車の営業マン。実家の定食屋「薗屋」を経営する両親とはとんとご無沙汰だが、ある日薗屋が詐欺にあい、土地建物を騙し取られてしまったと連絡が入ります。
慌てて駆けつけた壱矢ですが、この出来事が、十年前別れた隆充と再会するきっかけになります。

隆充の家は、父が借金を抱えたため母が家出。父と二人になった隆充は、酒びたりとなった父に暴力を振るわれていました。そんな隆充が唯一懐いたのが壱矢で、壱矢も隆充を弟のように可愛がっていました。そんなつきあいは十五年間。
しかし、隆充が高1のある日、突然、隆充と父は夜逃げ同然に行方を晦まし、それ以来隆充からは何の連絡もなく、十年の月日が流れてしまったのです。

再会した隆充は、「整理屋」という、ただのサラリーマンの壱矢には縁もゆかりもない、よくわからない、しかし危なそうな仕事についていました。
“整理屋”というのはまた目新しい職業ですね。私も詳しくは知りませんが、借金を抱えたり倒産しそうなところに乗り込んでいって、後始末を引き受けてやり、莫大な手数料を荒稼ぎするとでもいえばいいんでしょうか。
○クザではなくても、似たような裏家業。危険な仕事です。
隆充は、壱矢が知らせを受けるより早く薗屋の状況を把握しており、騙した相手から薗屋を取り戻してやる、と言います。
しかし、隆充も再会を喜んでいるかと言えば、態度は冷たく突き放すようで、可愛がっていた頃の面影はなくなっていました。
壱矢の家のことなのに壱矢が関わることも迷惑そうで、壱矢にはそんな変わってしまった隆充に納得できない。

壱矢だけに懐いてきた、可愛かった隆充は、大人の鋭い目つきをした男に変身していました。こういう変貌はツボなんですよねー。
壱矢を遠ざけようとするように冷たい隆充ですが、壱矢は食い下がります。可愛いワンコが猟犬に…というのもポイントなんですけど、この壱矢のやんちゃなアニキ気質とでもいいましょうか、威勢のいいキャラがまた、とっても好みの「受け」でした。壱矢の勢いに乗せられて楽しく読んでしまったという感じかな。

危険な仕事につき、変わってしまった隆充に寂しい思いをする壱矢ですが、壱矢といるうちにだんだんとまた可愛らしさが顔を出してきます。
“猟犬”となっても、壱矢の前ではやはり“ワンコ”になってしまう隆充は可愛かったです。
隆充がどんなに変わっても、壱矢にとってはやはり年下の可愛い弟のように思えて、また壱矢も「おっかない稼業」の人だからといって態度を変えて大人しく接するようなタマじゃないので、自分より大きく男っぽくなった隆充に接する態度は、やはり、昔のチカラ関係そのまんま。
隆充も、そんな壱矢には憮然としても、やはり頭は上がらないし、隆充にとって壱矢は、ただ一人の飼い主なんですね。

書き下ろしで、ヤクザの世界から誘われる隆充を守るために壱矢がまた頑張ってますが、隆充の仕事の片棒を担ぐようなラストは意外でした。
ヤクザにはならず、かといってカタギとも言えない、そんなグレーゾーンを歩く隆充と同じように、壱矢もまた営業マンと整理屋のお手伝い(笑)、という狭間を歩いていくんでしょうか。
話の中で、隆充とは違って、壱矢は日の当る場所を歩いているとか、隆充を光の当る場所につなぎとめるのが壱矢、という位置だったので、嬉々として整理屋にクビを突っ込もうとする壱矢にちょっと違和感を感じないでもなかったです。
隆充のやってることは、どう贔屓目に見ても、ヤバイことですしね。
それとも、そんな仕事をしていても、何かの拍子で隆充がもっと暗いところに転ばないように、壱矢が助け、見張っていくのかも知れません。隆充も、壱矢の存在によって、自分を戒められるだろうし。
実際はヤバイもんはヤバイと思いますけどね(笑)

スピード感ある展開と視点で、楽しく一気に読めました。
一気に、と言っても忙しかったので、それなりに時間はかかってますが、読み出すと早かったです。
気になる細かい部分はともかく、面白かったと思います。
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