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BL読書感想日記※※※ 詳しくはカテゴリーの「このブログについて」をご覧下さい。

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エス
英田 サキ著 / 奈良 千春イラスト
大洋図書
SHYノベルズ(2006.11)


警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る言わば拳銃応酬のスペシャリストだ。その、捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。
ある日、大物ヤクザであり椎葉のエスでもある宗近が何者かの銃によって倒れた。
宗近を守るため、ある決意のもと宗近から離れた椎葉は、五堂によって深い闇を知る。
複雑に絡まり合う過去と因縁。
錯綜する憎しみと愛。
奪われた者は何で憎しみを忘れ、奪った者は何で赦しを得るのか。
この闘いに意味はあるのか?
闇の中でもがき続けた男たちの鎮魂曲!

※ラストについて、ほんのりネタバレしてますので、これからの方は注意して下さいね。
宗近奎吾(むねちかけいご・33歳)×椎葉昌紀(しいばまさき・29歳)

前作「エス 裂罅」で、宗近の制止を振り切り病院を飛び出した椎葉。
宗近を撃ち、姉を殺したのが五堂(ごどう)であると確信した椎葉は、警察に辞表を郵送し、拳銃を手に入れ、五堂を尾行し、その懐に飛び込みます。
詰めよる椎葉に、五堂は姉殺害についてはシラを切りますが、宗近を狙ったことについては認め、ある男に拳銃と百発の弾薬を渡し、宗近の身体に銃弾を一発打ち込むたびに、報奨金として100万渡すことにしたと告げてきます。
宗近を一息に殺さないまでも、回復するたびに何度でも狙われる。宗近が死ぬまで続く凄惨なゲーム。それを止められるのは五堂だけ。
俺のものになるなら計画を中止すると言う五堂に、椎葉は宗近を守るため、従うことを決意します。

刑事とエス。
そして刑事とヤクザ。
決して相容れない関係に、頑なに宗近への想いを封印しようとしてきた椎葉ですが、最終巻に来て一挙に壁が崩れました。どんなに否定しようと、もう逃げられないところまで、宗近への想いは強くなっている。
宗近を守るためならどんなことでもする。それはもう「愛」以外の何者でもない。

しかし、ただ黙々と五堂の言いなりになっているわけではなく、椎葉は何とか真実をつきとめようと五堂という男を知ろうとします。
五堂の隠れ家で、少しずつ明かされる五堂の過去と、五堂が抱え込んだ深い闇。

五堂に心酔し、宗近へも執着する宗近の異母弟・東明(ともあき)に、椎葉は五堂が宗近を狙ったことを告げますが、東明は信じない。
けれど、東明にも迷いが見え始め、椎葉を連れて松倉組の自宅に戻ったところへ宗近が現れる。
五堂排除に動き出す宗近達。
そしてまた椎葉の義兄・篠塚も五堂包囲に動きだします。
一挙にすべてが集まっていく予感にドキドキしますね。

宗近への想いを自分に認めた椎葉と宗近のシーンは感動的ですらありました。いや、だってここまできちゃったんだもの(笑)
オビの煽り文句「誓えよ。エスじゃなくひとりの男として俺に誓え。俺を裏切らないと。俺を愛していると。」を英田さんのブログで見てましたので、ああ、とうとう…とは思ってましたが、実際そうなってみると感激もひとしお。
一巻から、実は結構ラブラブ…だった二人ですが、気持ちを認め伝え合ったあとは、ホントにラブラブですね(笑)
いろんなものに縛り付けられ、いや、自分で自分を追い込んでいたような、頑なにギリギリの線を歩いていた椎葉ですが、宗近への想いを自分で受け入れたとたん、憑き物が落ちたみたい。

そしてまた、椎葉の義兄・篠塚の静かな熱さに感動。
妻と、お腹の子を殺され、組織によって真実を封印されて、それを受け入れたようにみえた篠塚は、ただ諾々と黙っていたわけではないんですね。
「とうとうあの男の息の根を止める時がきたらしい」という言葉に、静かに蒼く燃える火が見えるようではありませんか。
椎葉と篠塚は、宗近とはまた違った「愛」で結ばれているんですよね。
ただいま大洋図書さんの公式サイトで「エス完結記念特集」をやっておりますが、そこで英田さんは「義兄さん、やめて下さい…」みたいなことをお考えになっていたと仰っておられます。それはやめておいていただいて良かったですが(笑)。

「残光」は「最後に希望の光が残った」という意味も込めて「残光」となさったそうです。
宗近はこのあと何をしていくんでしょうね。
英田さんによれば「小さな会社を経営しながら気楽な堅気生活」ではないかということですが、その辺は「エス小冊子全員サービス」で読めたりするでしょうか。
というわけで、忘れずに応募しましょう。
そこでは「肩の力を抜いて、楽しくエスのキャラたちを書きたいということですので、本編とは違った面々が見られるかもしれません。篠塚さんのその後も是非。

リアルで追いかけてきた「エス」の終焉ということで安堵と同時に寂しさも。
いろんなラストを考えられたそうですが、二人が「愛し合う未来」をを選んでくれたことは、私はとても嬉しかったです。
コメント
この記事へのコメント
読みましたvv
こんにちは、mimuさん。
やっと私もエスを読み終わりました。小冊子まで含めて一気読みです。
エスと刑事という関係から始まった二人の関係。結局、恋人同士という結末になってホッとしました。

>二人が「愛し合う未来」をを選んでくれたことは、私はとても嬉しかったです。

私も本当にそう思いました。二人はこれからは穏やかな日々を送っていけそうですね。甘いと言われ様とやっぱりラストはハッピーエンドだったので、私も幸せな気分で読み終えることが出来ました。

先ほどは、違った記事にTBしてしまってスミマセンでした。改めてTBよろしくお願いしますvv
2007/08/20(月) 09:49 | URL | 桃 #-[ 編集]
>桃さん、こんにちは。
一気に読まれてドップリ堪能できましたか?(笑)
リアルで読むのもいいんですけど、完結してから間を置かずに…も捨てがたいですよね。
(今谷崎さんの「最後のテロリスト①~③」をまとめて読んでるんですけど、続けてゆっくり読めて良かったなぁと。)
椎葉と宗近が幸せになってくれて安心しましたよね。何だかんだ言っても読後感がねぇ…違いますから。
途中骨があってラストは甘く…がいいかな(笑)

帰宅が伸びて22日に戻る予定です。
戻って落ちついたらお邪魔しますね~!
2007/08/20(月) 12:01 | URL | mimu #-[ 編集]
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2007/08/20(月) 09:42:51 | 桃の楽園