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黒猫はキスが好き
洸著 / 汞りょうイラスト
徳間書店
キャラ文庫(2006.9)


高級美術品だけを狙う怪盗“ダーク・キャット”がNYに出現──!? 
噂が流れ始めた頃、NY市警殺人課の刑事ローガンは、美貌の青年レイに出会った。漆黒の瞳としなやかな肢体に魅せられ、思わずレイを抱いてしまう! それ以来、猫のように気まぐれに現われては、甘えるように情事に誘う…。
レイの素性に不審を抱くローガンだが!?
ジョージ・ローガン(29歳)×レイ・リード(年齢不明、攻めより年下)

「黒猫はキスが好き」
「黒猫は誘惑する」の二編。

「刑事はダンスが踊れない」に続く、アメリカ刑事もの第二弾です。舞台はニューヨークに変わり、相互に全く関連ないので、単独で読めます。


ニューヨーク市警殺人課の刑事・ローガンは、子供の惨殺死体が発見された夜、塞いだ気持ちで一人飲んでいたバーで、レイに出会いました。
店で起こったトラブルからローガンを庇い怪我をしたレイを、ローガンは自分のアパートへ連れて行き手当てをしてやります。
黒い瞳に黒い髪の、まるでしなやかな若い獣のようなレイ。
その夜、2人はローガンの部屋で抱き合いますが、「また会えるか」と問うローガンに、「運があったら」と答え、レイは部屋を出て行きます。

それ以来、レイが忘れられないローガン。
運はローガンに味方して、2人は再び出会い、レイは自分の電話番号をローガンに教えますが、その電話はいつも電源が切られていて一向に繋がりません。
そのくせ、レイは神出鬼没で、鍵の掛かっていたはずの部屋に入り込んでローガンを待っていたり、いつも驚くような現れ方をするのです。

年齢も素性もよくわからない不可思議なレイが気になるローガン。
そんなとき、高級美術品だけを狙う怪盗“ダーク・キャット”が「ルーベンス」の絵を盗むという事件が起こります。
殺人課のローガンに窃盗は直接関係はありませんが、“黒い猫”という符号からレイを連想したローガンはレイの行動に不審を抱くようになります。
しかも自分の担当する殺人事件の話をレイにしたところ、容疑者の家に賊が入り、隠してあった証拠が部屋にばらまかれていて、それによって事件は解決してしまう。
レイを問い詰めるローガンですが、レイは答えをはぐらかし、「これで最後だから」と言って部屋を出ていってしまいます。
はたしてレイの正体は。


前回、地道に聞き込みを続け事件を解決する、地味だけれどアメリカ刑事ドラマをみるような雰囲気がかなり気に入っていたんですが、今回は「怪盗」の登場など、雰囲気にちょっとオシャレさが加わっていました。
受けも、前回の教授に比べると華やか。反対に攻めの方が恵まれない過去を持った屈折した男で、前よりも全体的にエンターテイメント性が強くなったように思いました。
個人的には前の「地味」さが好きだったので残念な気持ちもあります。

でも犯人は誰かとか、レイの正体とか、そういう興味はつきないので、お話は面白く読んでしまいました。
刑事ものなのに、事件に関して刑事よりレイが目立ってるというのは、やはり私としては物足りないんですけどね。まあレイの正体が正体なのでしょうがないんですけど…(笑)

刑事ドラマといえば“相棒”が重要ですが、今回もローガンに対してなかなかいい相棒が存在していました。タイプの違う相棒とのかけあいなんかも、楽しみのひとつなんですが、そういう点では相棒やレイとの会話もなかなかシャレてて、「洋もの」っぽくて好きですね。

楽しく読めましたが、もしまた次があるなら、片田舎の警察署かなんかに戻って、地道な刑事さんが読みたいかな~と思います。個人的には受けの職業もなるべく身近なものが良いです(笑) でもこういう地味なのは駄目なのかしら~。
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