大のヤクザ映画ファンの三佐和悠は、弟の透と二人で両親が残したクリーニング屋を営んでいる。仕事の腕は確かな熱血漢だが、恋愛にはウブなのが玉にキズ。
近所の高級マンションに越してきた長嶺治彦は目許に傷痕があり、高級スーツをまとう姿はどう見てもアッチ筋の人。
映画のように侠気あふれる長嶺の言動に、悠は惹かれていくが…!?
近所の高級マンションに越してきた長嶺治彦は目許に傷痕があり、高級スーツをまとう姿はどう見てもアッチ筋の人。
映画のように侠気あふれる長嶺の言動に、悠は惹かれていくが…!?
長嶺治彦(ながみねはるひこ・34歳)×三佐和悠(みさわゆう・27歳)
弟・透(とおる)と二人でクリーニング屋を営む悠は、大のヤクザ映画好き。そんな悠の店に、ある日、どう見てもヤクザにしか見えない男が客としてやってきます。
男は悠の好きなヤクザシリーズの主人公を彷彿とさせ、怖いというよりミーハー根性を刺激された悠は、配達を口実に、男の生活をちょっと覗いてみたいと好奇心を沸かせます。
そして、綺麗な顔立ちながら、クリーニング職人として、きちんとした考えや誇りをもつ悠を男も気に入り、ご近所さんということもあって、度々顔を合わせるようになっていきます。
悠と透の店は「手仕上げ」に拘っており、それは祖父から父へ、父から息子たちへと受け継がれた「職人魂」のようなもので、どんなに手間や時間がかかっても、お客様のために最高の仕事をすることをモットーにしています。それが仕事に対するプライドでも誇りでもあり、そこらのチェーン店とはちょっと違う。
そして長嶺は、悠の仕事に関する考え方や姿勢をわかってくれて、「上等な男」だと褒めてくれ、悠の心に勲章を授けてくれます。小さな店で、“誇り”があるとはいえクリーニングという言ってみれば地味な仕事をコツコツとしている自分を認めてくれた。はじめは映画の“アニキ”を重ねるように、長嶺を見ていた悠ですが、やがて長嶺はヤクザなんだと思いながらも、長嶺そのものの人柄に惹かれていく。
ネタバレですが、実は長嶺はヤクザではありません。
高級紳士服「バーミリオン」のデザイナーなのですが、180以上の長身と、右の目許にある傷、高級スーツを身に纏い、いかにもな高級車に乗りそしてちょっと乱暴な話しかたが、見るからにヤクザを連想させてしまうのです。ある事のため、長嶺には強面の屈強なボディーガードがついており、それが悠に余計に勘違いをさせてしまいます。
そして、本当の素性を隠すために、悠にもヤクザだと思わせておいた方がいいという秘書・新海(しんかい)の言によって、嘘をつき続けることになってしまいます。
しかし、長嶺もまた、悠のクリーニングに関する知識、忌憚のない意見を聞いて、デザイナーとして新たな発見をするんですね。デザインや素材に拘るだけでなく、目に見えなくても丁寧な作りをすること。洗濯すると型が崩れ何度も着ることのできないような服ではなく、ずっと後のことまで考えた服作りをする。長嶺にそう気づかせてくれた悠に、長嶺もまた惹かれていくわけです。
コメディというほどドタバタしてませんが、「ヤクザだと勘違い」という図が面白くて、笑いを誘います。
悠は、ひとことで言えば「江戸っ子気質」というんでしょうか。明るく、気風も良くて、任侠好き。その言動は「クリーニング屋のあんちゃん」という感じなんですが、実相寺さんのイラストがそれを裏切ってました。「綺麗」という描写もありますので、中身と外見のギャップがあるタイプなのかもしれませんが、うーん、イメージ繋がらないですね(笑)。27歳という年齢にしては、子供っぽいのも気になります。
ただ、クリーニングという仕事に関する姿勢はしっかりしていて筋が通ってて凄くいいなと思います。そして長嶺が悠の綺麗な外見だけでなく、そういう仕事に関する部分にまず惹かれたというのがいいですね。デザイナーとクリーニング屋では、一見見た目の派手さや華やかさが違いますけど、悠の考え方が長嶺のデザインの基本を変えることにもなるわけで、そうしてみると、派手だとか地味だとか、高給取りだとかそうでないとか(笑)、そんなことは関係なく、仕事にプライドを持つもの同士、この二人は対等なんだよなと思います。それがいいですね。
長嶺も、7つ年下の悠を、決して子ども扱いしたり、いい様に振り回そうとしてないですもんね。悠に惚れてて、ちゃんと尊敬してて、対等に扱ってる感じがするのがいいです。
悠にヤクザに間違われ、何故?と自分では理由に気づけず、秘書に「見るからに極道だからに決まってるじゃないですか」と言い捨てられて「ガーン!」と顔に刻んでしまう長嶺は可愛いです。
そして、この秘書・新海(しんかい)も、出番はそう多くないですが気になるタイプでした。Sなクール美人。ラストでは悠の弟・透が狙いをつけたようです。
透はクールで落ち着いているけれど、次男坊らしく甘え上手なところが女にモテモテで、数々の女の子とは経験豊富だけれど、本当の恋愛はしていないタイプですね。ですが、新海にはひと目ぼれ…?
経験豊富で甘え上手な年下攻め…でしょうね、きっと。Sな年上クール美人の運命が気になります。美人が攻めだったら怖いのでそちらは想像したくないです(笑)
でも、透まで男に走ったら、「クリーニングみさわ」はこの代で終わっちゃます…。
鳩村さんの中でも、シリアスでない、読みやすいお話です。
クリーニングって奥深いんですね。
着てるものの良し悪しは勿論、汚れ方から生活がわかるというのに、ハッとしてしまいました。それが本当なら行きつけのクリーニング屋で私はいったいどう思われているのやら…。でも、こんな風に仕事に打ち込んでる「職人」は、残念ながらそういないですよね。
楽しんで読めました。
弟・透(とおる)と二人でクリーニング屋を営む悠は、大のヤクザ映画好き。そんな悠の店に、ある日、どう見てもヤクザにしか見えない男が客としてやってきます。
男は悠の好きなヤクザシリーズの主人公を彷彿とさせ、怖いというよりミーハー根性を刺激された悠は、配達を口実に、男の生活をちょっと覗いてみたいと好奇心を沸かせます。
そして、綺麗な顔立ちながら、クリーニング職人として、きちんとした考えや誇りをもつ悠を男も気に入り、ご近所さんということもあって、度々顔を合わせるようになっていきます。
悠と透の店は「手仕上げ」に拘っており、それは祖父から父へ、父から息子たちへと受け継がれた「職人魂」のようなもので、どんなに手間や時間がかかっても、お客様のために最高の仕事をすることをモットーにしています。それが仕事に対するプライドでも誇りでもあり、そこらのチェーン店とはちょっと違う。
そして長嶺は、悠の仕事に関する考え方や姿勢をわかってくれて、「上等な男」だと褒めてくれ、悠の心に勲章を授けてくれます。小さな店で、“誇り”があるとはいえクリーニングという言ってみれば地味な仕事をコツコツとしている自分を認めてくれた。はじめは映画の“アニキ”を重ねるように、長嶺を見ていた悠ですが、やがて長嶺はヤクザなんだと思いながらも、長嶺そのものの人柄に惹かれていく。
ネタバレですが、実は長嶺はヤクザではありません。
高級紳士服「バーミリオン」のデザイナーなのですが、180以上の長身と、右の目許にある傷、高級スーツを身に纏い、いかにもな高級車に乗りそしてちょっと乱暴な話しかたが、見るからにヤクザを連想させてしまうのです。ある事のため、長嶺には強面の屈強なボディーガードがついており、それが悠に余計に勘違いをさせてしまいます。
そして、本当の素性を隠すために、悠にもヤクザだと思わせておいた方がいいという秘書・新海(しんかい)の言によって、嘘をつき続けることになってしまいます。
しかし、長嶺もまた、悠のクリーニングに関する知識、忌憚のない意見を聞いて、デザイナーとして新たな発見をするんですね。デザインや素材に拘るだけでなく、目に見えなくても丁寧な作りをすること。洗濯すると型が崩れ何度も着ることのできないような服ではなく、ずっと後のことまで考えた服作りをする。長嶺にそう気づかせてくれた悠に、長嶺もまた惹かれていくわけです。
コメディというほどドタバタしてませんが、「ヤクザだと勘違い」という図が面白くて、笑いを誘います。
悠は、ひとことで言えば「江戸っ子気質」というんでしょうか。明るく、気風も良くて、任侠好き。その言動は「クリーニング屋のあんちゃん」という感じなんですが、実相寺さんのイラストがそれを裏切ってました。「綺麗」という描写もありますので、中身と外見のギャップがあるタイプなのかもしれませんが、うーん、イメージ繋がらないですね(笑)。27歳という年齢にしては、子供っぽいのも気になります。
ただ、クリーニングという仕事に関する姿勢はしっかりしていて筋が通ってて凄くいいなと思います。そして長嶺が悠の綺麗な外見だけでなく、そういう仕事に関する部分にまず惹かれたというのがいいですね。デザイナーとクリーニング屋では、一見見た目の派手さや華やかさが違いますけど、悠の考え方が長嶺のデザインの基本を変えることにもなるわけで、そうしてみると、派手だとか地味だとか、高給取りだとかそうでないとか(笑)、そんなことは関係なく、仕事にプライドを持つもの同士、この二人は対等なんだよなと思います。それがいいですね。
長嶺も、7つ年下の悠を、決して子ども扱いしたり、いい様に振り回そうとしてないですもんね。悠に惚れてて、ちゃんと尊敬してて、対等に扱ってる感じがするのがいいです。
悠にヤクザに間違われ、何故?と自分では理由に気づけず、秘書に「見るからに極道だからに決まってるじゃないですか」と言い捨てられて「ガーン!」と顔に刻んでしまう長嶺は可愛いです。
そして、この秘書・新海(しんかい)も、出番はそう多くないですが気になるタイプでした。Sなクール美人。ラストでは悠の弟・透が狙いをつけたようです。
透はクールで落ち着いているけれど、次男坊らしく甘え上手なところが女にモテモテで、数々の女の子とは経験豊富だけれど、本当の恋愛はしていないタイプですね。ですが、新海にはひと目ぼれ…?
経験豊富で甘え上手な年下攻め…でしょうね、きっと。Sな年上クール美人の運命が気になります。美人が攻めだったら怖いのでそちらは想像したくないです(笑)
でも、透まで男に走ったら、「クリーニングみさわ」はこの代で終わっちゃます…。
鳩村さんの中でも、シリアスでない、読みやすいお話です。
クリーニングって奥深いんですね。
着てるものの良し悪しは勿論、汚れ方から生活がわかるというのに、ハッとしてしまいました。それが本当なら行きつけのクリーニング屋で私はいったいどう思われているのやら…。でも、こんな風に仕事に打ち込んでる「職人」は、残念ながらそういないですよね。
楽しんで読めました。
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