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天使の啼く夜
高岡 ミズミ著 / 奈良千春イラスト
幻冬舎コミックス
ルチル文庫(2006.9)


21歳の伊佐秀和は、女に追い出された日、田宮知則に拾われる。人材派遣会社を経営する田宮と同居するかわりに、行儀作法を叩き込まれる伊佐。目的を知らされず面白くない伊佐に、顔のよい男なら誰でもいいと田宮はそっけない。苛立つ伊佐は田宮を組み敷き身体を繋ぐ。
やがて田宮の悲壮な決意を知り、伊佐は次第に田宮に惹かれていくが…。
伊佐秀和(いさひでかず・21歳)×田宮智則(たみやとものり・27歳)

7歳で天涯孤独となり、18歳で施設を出た伊佐は、それ以来、女を渡り歩くヒモとなって暮らしています。
しかし、浮気がばれてアパートを追い出され、バス停で一夜を明かしたところを、高級外車に乗った若い男に拾われる。

人材派遣会社を経営する、その男・田宮は、伊佐の衣食住を保証する代わりに最低限の礼儀作法と一般常識を見につけることを要求してきます。
とりあえず言うとおりにする伊佐ですが、クールというよりアイスのように冷たく無表情な田宮からは何の感情も透けて見えず、また目的も知らされず、伊佐は苛立ちます。
そして、「顔がよければ誰でもいい」と言う田宮の物言いに腹を立てた伊佐は、田宮を無理矢理組み敷いてしまいます。

そこまでしても田宮は何も話しませんが、伊佐は与えられたパソコンで自力で田宮の背景を調べ、やがて田宮の父違いの兄・桐嶋(きりしま)が経営するバーで、兄弟から、過去の事件、そして復讐したいという田宮の思いを聞かされます。
田宮の復讐のために“駒”となって動くことを受け入れる伊佐。復讐のターゲット・久我(くが)の愛人をたらしこむために、女に近づく伊佐。

理由もわからず食事に誘われてから、田宮の目的がはっきりとし、それを実行に移そうと女に近づいていく中盤あたりまで、なかなか面白いです。
田宮の目的にも興味があるし、身体ひとつで女を誑かし、天涯孤独で斜に構えた伊佐と、感情を全く外に出さず言葉少ないアイスビューティーの組み合わせも興味をそそります。

視点が伊佐側なので、伊佐の気持ちはとてもわかりやすい。家庭に恵まれなかったのを皮切りに、施設でもひどい目にあい、人生にこっぴどく平手打ちされて自分もツバを吐き返して来た伊佐が、初めは金のために、やがて、田宮のために、と気持ちが移り変わっていくのがよくわかるし、理解できる。
反面、田宮の方がわかりにくくて、強姦されたあと、二度目を自分から誘った意味もわからなかったし…田宮はいつ頃から伊佐に心を動かされていたんでしょうね?

復讐の皮切りに女に近づき、情報を聞き出すあたりまでは、なかなか惹き付けられる展開だったんですが、そのあと早かったですね(笑)。本自体がわりと薄いので仕方ないかもしれません。
勢いはあるので、もたつかされることなく話は進み、面白くはあるけれど、もうちょっとページに余裕があったら、もっと盛り上がったかもしれないですね。

ご本人があとがきで「ぬるい」と仰ってますが、“役目は終わった”と、お互いの気持ちがわかっていながら別れていくところはともかく、2か月で再会したあたりに、ゆるさが確かに出てるかもしれません(笑)
けれど、切ないラストを望んではいないので、私としてはまあ、これでいいかな。私も十分ぬるいのでやきもきせずに安心できるし。

奈良さんの黒っぽい表紙イラストから、重苦しそうなイメージを浮かべますが、甘いお話だと思います。本当はもっとページ数を増やして膨らますこともできたお話のような気がしますが、これでもなかなか楽しめました。奈良さんのイラスト効果も、実は物凄くあったかもしれません(笑)。

「復讐シリーズ」第一弾とあるんですけど、シリーズになるんでしょうか。
脇役に魅力的な人物が登場していましたが、この方たちの復讐は終わってしまいましたよね?
別のカップルのお話になるのかな。
また奈良さんイラストなら、読んでみたいかな~。
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