FC2ブログ
BL読書感想日記※※※ 詳しくはカテゴリーの「このブログについて」をご覧下さい。

2019/07123456789101112131415161718192021222324252627282930312019/09

陵辱と純情にゆれる獣
秀 香穂里著 / 稲荷家房之介イラスト
白泉社
花丸ノベルズ(2006.8)


大手広告会社のディレクター直井佑一は、強い出世意欲を持っていた。
クラブで見た逢沢貴久のフィルムに惚れ込み、新規プロジェクトの映像制作を依頼する。だが逢沢が要求したのは、氷の美貌と呼ばれる直井の身体だった。
直井は仕事のために仕方なく、逢澤が独りで隠れるように暮らす軽井沢の古い洋館へ向かう。
週末ごとに奔放で濃厚な時を過ごすうちに、倣岸な態度の裏に隠された逢澤の繊細さに触れて、直井は…!?
逢澤貴久(あいざわたかひさ・34歳)×直井佑一(なおいゆういち・34歳)

秀さんの“仕事をする男たち”ですね。

部下の吉田に誘われ訪れたクラブで見たフィルムに魅せられ、佑一は新規プロジェクトの映像製作をその製作者・逢澤の依頼しようと決心します。
しかし、偏屈で無愛想な逢澤に幾度電話をかけても無下に切られてしまう。
ようやく北軽井沢に住む逢澤の家を訪れるも、裕福な家庭で育った逢澤は金では動かない。逢澤が要求したのは、直井の身体でした。
逢澤が仕事をする地下室で、「お前を犯してやる」と言われ、抵抗むなしく抱かれてしまう直井。
結局、その様子をビデオに撮られ、また部下の吉田が麻薬に手を出していたことを示す証拠を楯に取られ、映像が出来上がる二ヶ月間の間、逢澤の言うとおりに抱かれることを約束させられてしまいます。

仕事の代わりに要求されるのは身体、抵抗するが、やがて相手の本質を知り惹かれはじめる、と定番中の定番ですね。

ラストできちんと告白するまでは逢澤の気持ちがちょっとわかりにくいのが気になりました。佑一を家に迎えるために、まるでアンケートのようなことをして、佑一の好きな花、好きなボディーシャンプー、好きなシーツと取り揃えて待ってるところなんかは可愛らしく、どういう顔でそんなものを揃えたのか想像すると、イソイソしてたりするのかな、と微笑ましくも思えますが、逢澤の気持ちが見えるのって、その辺くらいしかなかったような気がします。
言葉攻めが結構キツいし、乱暴な感じがしましたが、ラストまで読むと、逢澤の内面の繊細さも伝わってきて、そのアンバランスな魅力がいいなと思いました。

直井は逢澤のように、一時は製作側として仕事をしていたんですね。
けれど、残念ながら才能があるとは言えなかった。しかしプロデュース側に周った直井は、そこで自分の才能を開花させます。素晴らしいものを見出し、それをまとめる力は誰よりも長けていた。
プロジェクトを成功させるために、逢澤の才能が絶対に必要だと固執したのは、やはり直井の仕事に対する自信とプライドだと思うんです。
強引で傲慢な攻めに翻弄されてしまうんだけれど、ただの弱いキャラにならないところが秀さんらしくていいところですね。

意地やプライド、仕事への情熱をかけてぶつかりあう。
恋愛に仕事が絡む秀さんの持ち味が出ているお話だと思います。
そういえば、直井は最初、かなりキツい、仕事は出来るが情け容赦のない、部下にも冷たい高慢男なんですよね。けれど、逢澤と関わったのをきっかけに、部下や仕事に対する自分の姿勢を変え、成長していく。
先日の秀さんの「渇望の部屋」と設定や細かいところは違うけれど、パターンがちょっと似てるなと思ってましたが、そんなところも似てますね。あちらも攻めと関わることによって傲慢な天狗モデルが成長していったんでした。

そんなに目新しいものは感じないかわりに、安心して楽しめるタイプですね。
しかし言葉攻めがきっついなー(笑)
二段組なので、読み応えもあります。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://0hz.blog112.fc2.com/tb.php/243-52fae456
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック