美貌の使用人・真雪は、主人・厳人の命令で跡継ぎの達彦を呼び戻す。
絵を描くため海外にいる達彦を世間知らずの甘ったれだと辛辣にあしらう真雪。そんな達彦が後継者に相応しいか試すため、身体を餌に挑発的に誘い出した真雪だったが…。試すつもりが逆に達彦の熱い愛撫に乱され、強烈な快感に翻弄される。
完璧だったはずの氷の仮面を剥がされ、本当の顔を暴かれてしまった真雪は…?
自分にはない達彦のまっすぐな強さに触れ、凍らせた心さえ甘くとけて溢れ出す―。
絵を描くため海外にいる達彦を世間知らずの甘ったれだと辛辣にあしらう真雪。そんな達彦が後継者に相応しいか試すため、身体を餌に挑発的に誘い出した真雪だったが…。試すつもりが逆に達彦の熱い愛撫に乱され、強烈な快感に翻弄される。
完璧だったはずの氷の仮面を剥がされ、本当の顔を暴かれてしまった真雪は…?
自分にはない達彦のまっすぐな強さに触れ、凍らせた心さえ甘くとけて溢れ出す―。
柳原達彦(やなぎはらたつひこ・22歳)×深谷真雪(ふかやまゆき・24歳)
須坂さん、初めてではないですが、ものすごく久しぶりに読みました。
父、母とも交通事故で亡くした達彦は、「冷血鬼」と呼ばれる柳原グループの総主・祖父の厳人(げんと)を嫌い、好きな絵を描くために18歳の時家を出て、プラハで一人暮らしていました。
そこへ祖父の具合が悪いと帰国を促す手紙が届き、達彦は4年ぶりに日本へと帰ってきます。
達彦を迎えに来たのは、会ったことのない深谷真雪という若い青年。冷たくまるで仮面のような無表情を顔に貼り付けた、目の覚めるような美貌の真雪。
真雪は達彦が家を出たのとちょうど入れ替わるように柳原家にやってきて、厳人の秘書のような仕事をしてきました。
今回の、達彦を呼び戻す口実の「厳人の病」は嘘で、達彦に自分の跡を継がせたいと言う厳人の意を汲むために真雪がしたことですが、柳原グループでの自分の立場を省みず、責任を捨てて「絵を描きたい」などという甘い考えで家を出て行った達彦が、厳人の跡を継ぐにふさわしいとは真雪にはとうてい思えませんでした。
真雪にとって、厳人の存在は自分の全てで、厳人を守り、柳原グループを守ることは自分の何よりも優先する大事な使命でした。厳人の命によって達彦を呼び戻したものの、達彦を一見する限り、大企業のトップに向いているとは真雪には思えません。いくら厳人の願いでも、だめだとわかっている人物に柳原グループを任せるわけにはいかない。
達彦がどんな人間なのか、世間知らずのボンボンで、甘ったれで、とても柳原グループを継ぐに足る人物ではないと証明できれば、厳人も達彦に跡を継がせることを諦めるかもしれない。
そう考えた真雪は、自分が一番手馴れた方法で、達彦の本当の姿を探ろうとします。それが、「寝てみる」ということ。
SEXをすれば、相手が何を考えていて、どういう人間なのか、その汚い本質も真雪にはすぐにわかると思えたからです。
達彦が柳原家に帰還した晩、早々に真雪は自分の狙いを実行に移し、達彦を誘惑します。ところが、操って本音を引き出すつもりの真雪でしたが、翻弄され我を忘れてしまったのは真雪の方・・と結果は失敗に終わってしまいます。
一方、達彦は祖父の病が嘘とわかると、すぐに家を出て行こうとしますが、真雪とはおかしなことになってしまい、また昔から家に仕える執事の菱川(ひしかわ)に引き止められたことで、家を出るのを遅らせることにします。
気になるのは、やはり真雪のこと。まるで白い薔薇か新雪のように美しいのに、その内面は仮面のような冷たい表情の下に隠され本当の心は表には全く見えていません。けれど、真雪を抱いたとき、その欲情した顔は、確かに真雪の本当の顔だった。
達彦は、真雪の、もっといろんな、本当の表情を見たいと思い、真雪に絵のモデルになってくれと頼みます。 一度失敗した真雪は、達彦を試し、厳人を納得させるような達彦の欠点を証明する期間を持てることを幸いとし、絵のモデルになることを承諾します。
しかし達彦に調子を狂わされてばかりで、達彦の前では、なぜか自分をとりつくろうことのできない真雪。硬い表情の中に、感情が見え隠れするのに気づき、もっと真雪の本当の顔がみたいと思うようになる達彦。
そうやって相手を探ろうとしあううちに、お互いに惹かれていきます。
真雪が達彦の人間性を知るために「寝てみる」と一足飛びに誘惑に走るのは、ちょっと唐突に思えます。それに、会ったとたんに「世間知らずの甘ったれ」と決め付け、達彦の一言一言を苦々しく思う真雪の気持ちもちょっとわかりにくいです。ちょっと異常にも思える祖父・厳人への忠義心。
けれど真雪の過去が明らかになると、なるほどと理解できるようになりました。
達彦は、絵の好きな、明るい性質ののびのびと育った青年で、真雪にとってなぜ「世間知らずの甘ったれ」としか見えないのか、そのへんがよくわかるようになります。
祖父と真雪は同じ側の人間で、世の中の汚いものや暗い面を嫌というほど見てきています。しかし達彦は裕福に育ち、両親が亡くなっているとは言っても苦労はしたことはありません。
真雪にとっては達彦の自由さや、のびのびした心は、簡単に手玉にとれるものにしか思えないんですよね。
けれど、祖父の厳人にとっては、達彦のそういう部分はまぶしく、真っ直ぐな裏表のない気性は自分にはない大切な資質に見えていた。そして真雪にもやがてそれがわかるようになるわけです。
感想を書こうと思っていろいろ整理するとそんなことなんですが、割とサラっとした印象が強く、正直にいうと伝わってきづらい部分が多かったです。
それぞれの思考が不自然に思えたりしてしまうんですね。
あとでじっくり考えると、「そういうことか」とある程度繋ぐことはできるけれど、書き込み不足なのかなんなのか、ちょっと残念な感じはしますね。
ボンボンを秘書が身体で誘惑・・・という設定が面白そうだと思って買ってみましたが、設定は好きでしたけれど、ちょっと物足りない感じが残っちゃったかな。
須坂さん、初めてではないですが、ものすごく久しぶりに読みました。
父、母とも交通事故で亡くした達彦は、「冷血鬼」と呼ばれる柳原グループの総主・祖父の厳人(げんと)を嫌い、好きな絵を描くために18歳の時家を出て、プラハで一人暮らしていました。
そこへ祖父の具合が悪いと帰国を促す手紙が届き、達彦は4年ぶりに日本へと帰ってきます。
達彦を迎えに来たのは、会ったことのない深谷真雪という若い青年。冷たくまるで仮面のような無表情を顔に貼り付けた、目の覚めるような美貌の真雪。
真雪は達彦が家を出たのとちょうど入れ替わるように柳原家にやってきて、厳人の秘書のような仕事をしてきました。
今回の、達彦を呼び戻す口実の「厳人の病」は嘘で、達彦に自分の跡を継がせたいと言う厳人の意を汲むために真雪がしたことですが、柳原グループでの自分の立場を省みず、責任を捨てて「絵を描きたい」などという甘い考えで家を出て行った達彦が、厳人の跡を継ぐにふさわしいとは真雪にはとうてい思えませんでした。
真雪にとって、厳人の存在は自分の全てで、厳人を守り、柳原グループを守ることは自分の何よりも優先する大事な使命でした。厳人の命によって達彦を呼び戻したものの、達彦を一見する限り、大企業のトップに向いているとは真雪には思えません。いくら厳人の願いでも、だめだとわかっている人物に柳原グループを任せるわけにはいかない。
達彦がどんな人間なのか、世間知らずのボンボンで、甘ったれで、とても柳原グループを継ぐに足る人物ではないと証明できれば、厳人も達彦に跡を継がせることを諦めるかもしれない。
そう考えた真雪は、自分が一番手馴れた方法で、達彦の本当の姿を探ろうとします。それが、「寝てみる」ということ。
SEXをすれば、相手が何を考えていて、どういう人間なのか、その汚い本質も真雪にはすぐにわかると思えたからです。
達彦が柳原家に帰還した晩、早々に真雪は自分の狙いを実行に移し、達彦を誘惑します。ところが、操って本音を引き出すつもりの真雪でしたが、翻弄され我を忘れてしまったのは真雪の方・・と結果は失敗に終わってしまいます。
一方、達彦は祖父の病が嘘とわかると、すぐに家を出て行こうとしますが、真雪とはおかしなことになってしまい、また昔から家に仕える執事の菱川(ひしかわ)に引き止められたことで、家を出るのを遅らせることにします。
気になるのは、やはり真雪のこと。まるで白い薔薇か新雪のように美しいのに、その内面は仮面のような冷たい表情の下に隠され本当の心は表には全く見えていません。けれど、真雪を抱いたとき、その欲情した顔は、確かに真雪の本当の顔だった。
達彦は、真雪の、もっといろんな、本当の表情を見たいと思い、真雪に絵のモデルになってくれと頼みます。 一度失敗した真雪は、達彦を試し、厳人を納得させるような達彦の欠点を証明する期間を持てることを幸いとし、絵のモデルになることを承諾します。
しかし達彦に調子を狂わされてばかりで、達彦の前では、なぜか自分をとりつくろうことのできない真雪。硬い表情の中に、感情が見え隠れするのに気づき、もっと真雪の本当の顔がみたいと思うようになる達彦。
そうやって相手を探ろうとしあううちに、お互いに惹かれていきます。
真雪が達彦の人間性を知るために「寝てみる」と一足飛びに誘惑に走るのは、ちょっと唐突に思えます。それに、会ったとたんに「世間知らずの甘ったれ」と決め付け、達彦の一言一言を苦々しく思う真雪の気持ちもちょっとわかりにくいです。ちょっと異常にも思える祖父・厳人への忠義心。
けれど真雪の過去が明らかになると、なるほどと理解できるようになりました。
達彦は、絵の好きな、明るい性質ののびのびと育った青年で、真雪にとってなぜ「世間知らずの甘ったれ」としか見えないのか、そのへんがよくわかるようになります。
祖父と真雪は同じ側の人間で、世の中の汚いものや暗い面を嫌というほど見てきています。しかし達彦は裕福に育ち、両親が亡くなっているとは言っても苦労はしたことはありません。
真雪にとっては達彦の自由さや、のびのびした心は、簡単に手玉にとれるものにしか思えないんですよね。
けれど、祖父の厳人にとっては、達彦のそういう部分はまぶしく、真っ直ぐな裏表のない気性は自分にはない大切な資質に見えていた。そして真雪にもやがてそれがわかるようになるわけです。
感想を書こうと思っていろいろ整理するとそんなことなんですが、割とサラっとした印象が強く、正直にいうと伝わってきづらい部分が多かったです。
それぞれの思考が不自然に思えたりしてしまうんですね。
あとでじっくり考えると、「そういうことか」とある程度繋ぐことはできるけれど、書き込み不足なのかなんなのか、ちょっと残念な感じはしますね。
ボンボンを秘書が身体で誘惑・・・という設定が面白そうだと思って買ってみましたが、設定は好きでしたけれど、ちょっと物足りない感じが残っちゃったかな。
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