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天才の烙印
鹿住 槙著 / 宝井さきイラスト
徳間書店
キャラ文庫(2006.7)


天才子役から、大人の役者へのイメージチェンジの失敗―そんなトラウマを抱える啓は、過去を隠してバイト中。ところが、客の四方堂に気づかれてしまった!
四方堂は休筆中の人気作家。「君のファンだったんだ」と強引に迫ってくる彼に、啓は唇を奪われてしまう。神経を逆撫でされるのに、なぜか会うのはやめられない…。
そんな時、数年ぶりにドラマ出演の話が舞い込んで。
四方堂章悟(しほうどうしょうご・26歳)×山崎啓(やまざきけい21歳)

「天才の烙印」
「僕らは普通に暮らせない」の二編。
こちらは先月のキャラ文庫新刊です。

「天才子役」ともてはやされたものの、15歳を過ぎ「子供」とは言えない年齢になるとともに次第に表舞台からは消えざるを得なくなった啓。幼い頃からの芸能活動のせいで両親は離婚、ステージママだった母は啓が売れなくなったのち行方不明になりました。現在は芸能界からは遠ざかり、叔父と従姉妹の杏里と共に叔父の経営するカフェで仕事をしながら暮らしています。
そんなある日、カフェの目の前にあるマンションの住人から出前を頼まれます。
啓が行ってみると、そこにいたのが四方堂でした。

四方堂は17歳の時書いた小説がベストセラーになり、本はTV化映画化もされ、一時はTVのバラエティー番組にも出演した人気作家でした。一躍時の人となったものの、しかしその後は鳴かず飛ばず…。
四方堂もまた「あの人は今…」な状態になってしまっているんですね。

そんな二人が出会い、恋をして、また再び啓は役者として、四方堂は小説家として再生しようとしていく…そんなお話でした。

「天才」という烙印を押された二人は、周りに騒がれ持ち上げるだけ持ち上げられた後、それぞれ自分自身の才能を発揮できずにポシャってしまいました。しかし名前や顔は未だ一人歩きを続けていて、どこかへ出ればそれと知られてしまいます。
啓が少しやる気を出したところへチャンスのように舞い込んできた仕事も、子役の頃つきあいのあった、今は落ち目のプロデューサーからのAV出演の話で、下卑た話題性を狙ったもの。「過去の夢」と、役者だったころの自分を捨てようとしても、心にはたっぷりと未練が残っていて、それでもつきつけられる現実に打ちのめされてしまう。
そんな啓を見守る四方堂は、実は子役時代の啓の大ファン。啓が出演したCMやドラマ、映画のDVDは全て持っている筋金入りですが、そんな四方堂も、啓をモデルに小説を書き始めることで、「書く」自分を取り戻していきます。
そして書いた小説のタイトルが「天才の烙印」というのですが、内容とうまく合ってますね。ただ、啓をモデルにした故に、後でそれが周囲に知れ、好奇の目で追い回されるという問題が起きてしまうんですけど…。

四方堂の方は再び小説が売れ話題になりますが、啓は、劇団に入団し、セリフのない端役を貰えるところで終わっています。啓をモデルにした本が映画化され、本人が主役を演じることで再びスポットライトが当り・・・なんてご都合主義な展開にはならず、それがいいと思います。
ですがとても前向きなラストで、数年後の啓の姿を見てみたいと思う終わりでした。

売れに売れたあと転落した悲哀…というのも書かれてはいますが、鹿住さんらしく全体的にソフトなので悲壮感はなかったです。ついでにいうと二人が惹かれあうのにもドラマティック性はないので、あっさりくっついてしまったように見えた。わりと前半で二人は恋人になってしまいます。その後も多少の波風はあるものの、根本的に四方堂がどっしりと構えて啓を見守っているスタンス。あまりに落ち着いてるので、設定が26だと気づいて「嘘だろ」と思ってしまった。
子役時代の啓は2~3歳から15くらいまでが華だったんだけど、「子役の男の子が大好きな5歳年上の男」…つまり啓が15の時、四方堂は20歳で、その年でそれはどうなんだろう…とちょっと思ってしまいました(笑)

いい感じにまとまっていて読みやすかったですが、まとまり過ぎてて・・・・とも言えるかしら。
ちょっと地味めかな~?
このお話にこのタイトルはいいなと思います。
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