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婀娜めく華、手折られる罪
鈴木 あみ著 / 樹要イラスト
白泉社花丸文庫 (2006.7)


吉原にある男の遊郭『花降楼』に売られた椿は、やがて十八になり、いよいよ水揚げの日を迎える。
大勢の男たちが争う中、大金を積んでその権利を競り落としたのは、広域暴力団組長・御門春仁だった。御門はその後、椿の許に通ってくるようになる。
財力を背景に、鷹揚に椿の贅沢を許し、我が儘を楽しむような御門に、椿は…。
御門春仁(みかどはるひと・32歳)×椿(つばき・18歳)

遊郭「花降楼」シリーズ第4弾です。これだけで読めます。

今回の主役は椿。
やくざのチンピラとホステスの間に生まれた椿は、薬に溺れた父によって組へと差し出され、一家は離散、椿は御門によって「花降楼」へと売られてしまいます。
そして6年後、水揚げの年齢になった椿を買った男が、自分を売った男・御門でした。

御門は水揚げ後も椿の許へ通い、金を惜しまず椿を甘やかします。自分を売った男に椿が素直になれるわけもなく、娼妓にあるまじき言動で御門に接しますが、御門はそれさえも楽しんでいるよう。
第三弾の主人公・忍(しのぶ)はどちらかというと目立たない、控えめで素直なタイプでしたが、椿は活気溢れるやんちゃタイプとでもいいましょうか。御門に悪態をついて下駄や座布団を投げつけたり、暴れたり、ぷっとふくれて見せたりする様が可愛らしいです。御門は鷹揚に受け流し、からかったり面白がっていて、ドンとかまえています。
そうやって大人の男に手玉に取られているうちに、知らず知らずに惹かれてしまうんですね。そんなこと椿は認めませんけど。

やがて御門は椿を身請けしたいと言い出します。
驚く椿ですが、しかし御門の左手の薬指には指輪が。
一旦は断る椿ですが、実は御門の妻はもう5年も前になくなっているということを聞かされます。けれども、亡くなった妻との結婚指輪を外さずに付け続けているという事実に、椿は素直になれません。

御門の妻のことや、御門が椿を花降楼に売ったということにはいろいろ誤解が含まれています。
全ての誤解が解けて心を伝え合ったと思ったら、御門が義弟に恨まれ、命を狙われるという事態が起こる。このあたり、ちょっとドキドキしますが展開はわりと早くてあっさりでした。容赦なく日本刀を振り下ろした椿の姿は、なるほどやくざの姐さんにふさわしい、鬼嫁ぶりかも。

椿が元気のいい前向きなタイプなので、遊郭ものにありがちな「切なさ」みたいなものはあまり感じませんでした。椿の強がりも意地っ張りも可愛らしいですし。
二人が「家族」になる新たな出発の朝のラストは、幸せな家族を持たなかった御門と椿の過去を思い浮かべ、ちょっとしんみりした気持ちになりました。

「しっとり感」は足りないような気がするけれど、読みやすくわかりやすく遊郭の世界を味わえて楽しめました。
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