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おうちのルールで恋をしよう
高月 まつり著 / 海奈イラスト
竹書房
ラヴァーズ文庫(2006.8)


保育士・白崎浩一郎には職場の園児たちよりも手のかかる息子が一人いる。
『クールビューティー、弱冠20歳にして有名モデル』
世間での評判は上々だが、家での息子は「汚部屋(おへや)」に住み、ひとりで碌に着替えもできない。しかも「可愛い父さんがいないと俺は生きていけない」とか「俺の愛は親子愛じゃない」とか意味不明なことをしょっちゅう言い出す始末。
息子の浹と浩一郎は血の繋がらない親子だった。妻が亡くなり現在はふたりきりの家族。
立派に育てようと張り切っている浩一郎の気も知らず、浹は密かに「恋人計画」に闘志を燃やしている。
父の『威厳』か息子の『愛』か…。
白崎浹(しろさきとおる・20歳)×白崎浩一郎(しろさきこういちろう・29歳)

高月さんは、これでまだ2冊しか読んだことがありません。
その2冊ともがラブコメディでした。

10歳以上も年上の子持ちバツイチの女性と結婚した浩一郎ですが、妻になった女性は事故で他界。今は残された義理の息子・浹とふたりきり、妻の残した家で暮らしています。

息子の浹は超美形の誰もが振り返る有名モデル。
しかし、家では「汚部屋」に住んでいます。
「おへや」が「汚部屋」って、この字面がナンとも笑えますね。
何がどこにあるのかわからない、床さえ見えない部屋に住む浹は、モデルのくせに自分で服や靴を揃えて着ることができず、いつも浩一郎にコーディネートしてもらいます。食事も浩一郎の作ったものでないと食べない。とにかく保育園児並みに手がかかります。

そんな浹を叱咤しつつ、世話をするのが浩一郎の喜びでもあるんですが、浹の方も浩一郎にベッタリ。しかし浹の“ベッタリ”は息子の、というよりは、恋人のそれ。「おはようのチュウは?」に始まって、「俺の愛は親子愛じゃない」などとことあるごとにのたまい、浩一郎を辟易させます。

初めて読んだ高月さんの「スーパー家政婦」も思い込みの強いマイペースな「電波君」でしたが、浹も同じタイプです。常識人には理解できないタイプ(笑)。
そしてそこに浹の実父・将道(まさみち)までが加わって、この男がさすが浹の父というか、同じような電波中年の上にフェロモンまで流して浹と浩一郎の恋に参戦します。実父と義父と息子の三角関係。浩一郎は電波親子に迫られて、あっちへ流されこっちへ流され(笑)。

浹の父がなかなか面白いお茶目な中年でいい味出していました。面白いですよね、このオヤジ(笑)。ふざけてるような懐が深いような、軽薄そうなのに意外と深遠に物を考えている。キャラとしてかなり美味しいオヤジじゃないでしょうか。浹のエージェンシーを勤める理江子、浹の友人などが集まってドタバタと周りを盛り上げています。
浹は「浩一郎がいないと死ぬ」というくらい猪突猛進LOVEなんですが、浩一郎は、義理とは言え息子であり亡き妻から預かった大切な浹を立派に育てることを自分の使命としていて、まして男同士でもあるわけで、そう簡単に気持ちを受け入れるわけにはいきません。

でも、浩一郎ベッタリの浹のように、やはり浩一郎も浹にベッタリで、その行き過ぎともいえる過保護ぶりが、果たして「父」としてのものなのか、それとも…と、自分の本当の気持ちに、浹の仕事を通して、浩一郎も気がついていく展開になっています。
母に言われてモデルを始め、やってみたらとんとん拍子に人気が出てしまった浹は、「浩一郎命」で、仕事に関してはそれほどの意欲を持っていませんでした。浹の才能は世界でも通用すると周りは誰もが思い、お膳立てをするのですが、浩一郎と離れたくない浹は見向きもしない。
そんな浹が自分にとっての「モデル」の仕事に、プライドを感じ、初めてやる気を見せて精神的に成長していくというラストのまとめはいいなと思いました。それまでボーッとした電波君だった浹が、仕事に意欲を見せるのと同時に、態度に変化が見える。浩一郎にくっついてばかりいた浹が、自立していい男になっていくだろうなと予感させるラストがいい感じです。
「おうちのルール」という言葉が、ラストでやっと理解できて、なんかいいなと思いました。
浹は自立できるんでしょうか。でも戻ってきたらまた何にもしないと思います。浩一郎もさせないんじゃないかな(笑) 

そんな成長物語を含めつつ、ライトなドタバタコメディです。
高月さんのふざけたノリ(笑)は私はわりと好きなので、クスクス笑いつつポンポンと読んでしまいました。気楽に読める一冊。
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