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one coin lover (新書館ディアプラス文庫 165)
新堂 奈槻著 / 前田ともイラスト
新書館
ディアプラス文庫(2007/07)


失恋して落ち込む彬は、フリマで怪しい風貌の出店者から、万能掃除機入りだという大きなダンボール箱を五百円で買わされる。だがその箱の中にはひとりの青年が!
彼――タロウは、出店者のヒモだったのだが、なんとフリマで売り払われてしまったのだ。最初はタロウを拒絶していた彬だが、Hの相手ができればという条件を彼がクリアしたため、ふたりは同居を開始する…。
タロウ(本名、年齢は伏せておきます)×新井彬(にいあきら・24歳くらい)
「別れと出会いと、別居と同居」
「再会と再燃と、不実と誠実」
「幸福と不幸と、夢想と現実」
番外編「そこでひと言!」の4編で、話は全部繋がっています

同棲までしていた恋人にフラれ意気消沈していた彬は、通りかかったフリーマーケットで怪しい出店者から、ダンボール入りの万能掃除機を500円で買わされてしまいます。
やっとのことでアパートに運び込んだ箱から出てきたのは、なんと若い男。出店者が「不要になったから」という理由で、彼は売られたというのです。
彼を買い取って同居させるなどとんでもないことで、拒絶する彬ですが、男は行く所がないといい、置いてくれと頼んできます。“お試し期間”でもいいから、という男に、どうせできないだろうと『夜の奉仕』を匂わせると、あっさり承知され、知らない男と身体を重ねてしまう羽目に。
行きがかり上、男を同居させることになってしまいます。
名前を尋ねる彬に、男は「好きに呼んでくれ」といい、彬は男をタロウと呼ぶことにするのですが・・・。


あまりに非現実的でとっぴょうしもないツカミで始まり、どうなるかと思いましたが、コメディではないんですよね。
ダンボールに人を入れて売るなんて・・・読んでいくとタロウがそんなことされても何も感じないほど自分を卑下している理由があるというのがわかってきますが、タロウ側より売った側の非常識の方が気になってしまいました。“変わった人”というくくりで片づけられてますが、そんな問題じゃないと思うんだけど。
このことが私にはインパクト強すぎたので、ちょっと戸惑いつつ読んだのは確かです。奇をてらい過ぎのような気がしないでもないです・・・。

ですが、二人が同居を始めてからの展開は結構面白くて、なかなかでした。
タロウはしばらく謎の人物なんですが、その背景や生い立ちが少しずつ見えてくると、胸が痛みます。タロウは穏やかで優しい人柄なんですけど、背負っているものはかなりシリアス。その穏やかささえ、心が欠けているせいでもあるからです。
話自体はそれほどシリアスな雰囲気を漂わせずにいますが、ダンボール入りで売られて彬の元にやってくるまでの心情や経緯を思うと・・・。
そしてそんなタロウと同居するようになって、引っ込み思案で内気で不器用な彬が前向きに明るく、自然に変わっていきます。
一緒にいて、普通の日常を送るうちに、二人の傷ついた心がいい方に変わっていき惹かれあうというのはなかなかいいですね。

で、「番外編」だけが書き下ろしなんですけど、どうして彬の兄のお話なんでしょうか。
雑誌掲載のラストを読んだら、どうしたってタロウと彬のその後の方が知りたいのに・・・。兄の視点でその後の二人を見ることはできますが、なんかちょっと違うような気がする。
読めば可愛らしいツンデレ兄ですけど、「書き下ろしが兄」と気づく最初の時点では、別に兄のことなど知りたくなってないんですけど。
そういうのもアリでしょうけど、ちょっとガッカリでした。
どうしても他人の話にするなら、ここは兄じゃなくて黒川(彬の元カレ)なら、まあわからないでもないですが。
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