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咬みつきたい。
たかもり 諫也著 / かわい千草イラスト
新書館
ディアプラス文庫(2006.7)


ヴァンパイア・ハンターのイザークは、強烈な印象とともに淫靡なゴスでセクシーな銀髪のヴァンパイアの少年トリスタンと出会う。
力あるヴァンパイアのくせになぜ同族を憎み、“狩り”に加わるトリスタンの奔放な行動に振り回されながら、次第に彼に惹かれていくイザーク。
わがままで可愛い猫のようなトリスタン。だが、思いのまま貪るように彼を抱いた夜、トリスタンは、恐ろしい告白をする。
イザーク・ブランシェ(20歳)×トリスタン・フォンタネル

トリスタンがバンパイアです。
トリスタンは見た目はヴァンパイアにされた当時の17歳のまま。
それから99年経っているということなので116歳(笑)。


両親と、双子の妹・イザベルをバンパイアに惨殺されたイザークは、大学生とバンパイア・ハンターという二束の草鞋を履きながら、家族を殺したヴァンパイアを探しています。
そんなある日、イザークは、淫靡でセクシーな銀髪の少年トリスタンと知り合います。トリスタンは、イザークの仕事を手伝ったあと、自分がヴァンパイアであることを明かし、「助手にしてくれ」と言ってイザークにつきまといはじめます。
そして仕事をひとつこなすたびに、まるでご褒美をもらうかのようにイザークにキスをしかけてくる。
トリスタンの奔放さに振り回されるイザークですが、憤慨しながらも、知らず知らずにトリスタンに惹かれていくんですね。

二人で組み、ハントを繰り返すある日、ある特定の系統のヴァンパイアが急激に増えているという情報が齎されます。
それはトリスタンを吸血鬼にした「マスター」ジャドウで、トリスタンはジャドウを倒してほしいとイザークに頼みます。しかし、マスターを倒せば、その系統のヴァンパイアも全て死んでしまいます。
拒否するイザークに、トリスタンは、手伝ってくれたらイザークの家族を殺したヴァンパイアが誰なのかを教えると言って、承諾させようとします。
そして、とうとうトリスタンを抱いてしまった夜、トリスタンはこう告げるのです。
「僕がやったんだよ、イザーク」
ショックを受けるイザークにはかまわず、トリスタンはハンター協会に自ら出向いて全てを話してしまい、イザークはジャドウを倒すために動かざるを得ない状況に追い込まれます。
そしてイザークの家族を殺したトリスタンの処遇はイザークに任され、ジャドウのハント終了までトリスタンの身柄はイザークに預けられ、トリスタンの首につけられた「携帯ギロチン」のスイッチを手渡される。

セクシーなヴァンパイアの「襲い受け」と、カッコイイけど「ヘタレな攻め」。
出だしは二人の攻防がなかなか面白くて萌えでした。翻弄される攻の図が結構ツボでして。
不毛な漫才のような会話も面白いんですが、トリスタンがイザークの家族を殺したと告白したあたりから雰囲気が変わって、トリスタンに憎しみを覚えながらも、嘘であってほしい、死なせたくないというイザークの想いが切なく迫ってきました。どちらかというとイザーク側から語られる方が多いんですが、トリスタンがなぜ、自分も死ぬことになるのにマスターを殺したいのか、なぜイザークに「自分が殺した」と言ったのか、そのあたりを考えると99年間という長い間のトリスタンの気持ちを想像し、また切なくてとても辛いんですよね。
そういう二人の複雑な気持ちも楽しめますが(楽しむというのも変ですが)、二人の背景や、謎、ヴァンパイアに関してのオリジナルな設定など、ちゃんと考えてあって、上手く絡ませてあると思います。そういうものがお話に面白さを加えていますよね。

本当にトリスタンがイザークの家族を殺したのか、とか、ジャドウを倒したらトリスタンの運命は?とか、ハッピーエンドだろうと思いつつもどう決着するのか先が気になる展開ですので、どんどん読んでしまいました。
「ゴス」には興味ないので(笑)、せっかく先生が楽しんで書かれた服装描写などは、流してしまいましたが(^^ゞ

で、Hが1回しかなかったですね。
最後にもう1回くらいありそうな展開ですが。
襲い受けが乗っかっちゃうのかと思ってましたが、イザークかなりの重傷でしたのでさすがに駄目ですか(笑)
これからもイザークが押される関係となりそうですが、どうか咬まれないように気をつけて欲しいですね。この性悪猫、ちょっと危険ですよ。
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