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従者の心得、執事のたしなみ
池戸 裕子著 / 水貴 はすの〔画〕
リーフノベルス (2006.7)


勝気な青年・裕司の前に現われた一分の隙も無い完璧な男・御堂。
初対面から威圧感漂う態度で挑発され、何故か通う羽目になったのは、極秘の執事養成学校。彼は大富豪の由緒正しき執事だったのだ!
冷徹な御堂から執事となる教育を受けるうち、なにより男として尊敬できる御堂を意識し始める裕司だが…。
御堂久志(みどうひさし・33歳)×早見裕司(はやみゆうじ・23歳)

ある日突然、執事養成学校なるものに通うことになってしまった裕司。
執事喫茶の店員を養成してるわけではなく本当の執事。
現代の日本でどれだけ「執事」が必要とされているのかとか(執事喫茶の店員じゃなく)、仮に大富豪から需要があったとしても、創立後ずっと「学校」として存続していかれるのかとか、一応触れられてはいるのですが、疑問は拭えず…。
「執事養成学校」と聞いて萌えますか?
その辺が、分かれ目だと思いました。
私は、ちょっと微妙(笑)。

グループホーム(認知症の症状を和らげるため共同生活をする介護ホーム)でアルバイトをする裕司は、ある日、所長に呼び出されます。
所長室にいたのが所長と御堂。明るく元気に入室した裕司の行儀をいきなり「小学生レベル」と貶した御堂と裕司は口論となり、売り言葉に買い言葉で「執事養成学校」に通わせられることになるのです。
このへんからしてもうすごく強引な気がしますが…。

ホテル業、飲食業、介護、福祉など様々な分野に手を広げているのが榊(さかき)グループ。榊グループが今一番力を入れているのが人材派遣で、「執事養成学校」は、試験的に、榊グループから優秀な人材を集め、「学校」として成り立つことが可能かどうかをテストするために作られました。だからわざわざテストしなくても、危ないと思うんですけどね~(笑)
16人の精鋭たちに混じって生徒に選ばれた裕司は、間違っても「優秀」とは言いがたいんですが、なぜ俺が?という疑問もそこそこに、全寮制の学校の中で、日々執事になるために勉強や訓練が始まります。

なんだか「スチュワーデス物語」を思い出しました。
ノロマな亀は裕司。そして教官は御堂です。
裕司はできの悪さも否定できないのですが、必要以上に御堂に厳しくされます。しかし売り言葉に買い言葉で執事養成校に入学してしまうくらいですから、負けず嫌いは人一倍。根性と努力で頑張るわけですね。
しかし…「執事」になりたいわけでもないのに、負けず嫌いだけでそんなにムキになれるものなのでしょうかとまた「?」が浮かんでしまうのです。いえ、頑張る姿はいいと思いますけどね。しかし自分が何がなんでもなりたいものならともかく…。
どうも、この「執事養成」なるものにノリの悪い私。
まあ、それはともかく、そうやってるうちに、裕司は御堂を意識し始めるわけですよ。

舞台はともかく登場メンバーがちょっと面白かったですね。
榊グループの社長・榊(さかき)に、文字通り榊の執事・御堂、そして養成学校で友人になる立花(たちばな)、それぞれなかなかいい感じです。
鉄壁な執事の面と冷徹な態度で全く隙の無い御堂が、裕司の前で微妙に乱れる様とかはなかなか萌えですね。それとそんな御堂の気持ちを察し、裕司との仲を取り持とうと(?)面白がって(でも真剣に)引っ掻き回す榊もかなりいい感じのキャラです。
御堂のことを「心置きなく仕事ができるように愛してやってくれ」と裕司に言う榊は、執事として友人として御堂を本当に大切に思ってて、カッコいいですね。二人が愛を確かめるために部屋を用意してあげるというのも…お茶目です。
そもそもの始まり、御堂が裕司を見初めたエピソードも、好きでした。

「お前はまだ執事以外の私しか知らないだろう?」ってそそるセリフですね。
私も御堂の別の顔が見たいです。
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