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この男からは取り立て禁止!
高岡 ミズミ著 / 桜城ややイラスト
徳間書店
キャラ文庫(2006.6)


ローン会社に勤める水野谷が債権回収先で会ったのは、高校時代、プリンスと称されていた男、密かに憧れていた村瀬だった。
甘い美貌と憎めない笑顔で、借金なんて似合わないエリートが、なぜのぞき部屋の店番に?
しかも水野谷の催促を悠然と受け流すと、「君に会えるとは思わなかったよ」と迫ってきて!?
村瀬尚文(むらせなおふみ)×水野谷宏二(みずのやこうじ)
26歳、同級生、再会もの。

勤めていた証券会社の倒産後、町金「わくわくローン」に再就職した宏二は、債権回収に立ち寄った風俗店、のぞき部屋「楽園」で、店番をしている村瀬と再会します。
村瀬は高校時代、宏二が密かに恋をしていた相手でした。
頭が良くてスポーツ万能で、爽やかでカッコよかった村瀬。いつも穏やかで人が良くて怒った顔を見せたこともなく、皆から「プリンス」と呼ばれていましたが、ちょっとうっかりしたところがあって、そこがまた可愛らしく「守ってあげたい」と思わせる、村瀬はそんな男でした。
宏二はそんな村瀬に惹き付けられつつも、想いがバレないようにと村瀬を避け、高校を卒業してからは、心の奥底にしまって蓋をして忘れたつもりでいたのですが、村瀬と再会したことで、閉めたはずの箱の蓋が開いてしまうことになるわけです。

村瀬は事故を起こして怪我をさせてしまった相手の代わりに店番をしているだけで、借金をしているのはのぞき部屋の持ち主の佐々木(ささき)なのですが、佐々木の行方は知れず、取立てのために宏二は何度も村瀬のいる店を訪れることになります。
ある時、その店で村瀬の友人で上司の萩原(はぎわら)と鉢合わせると、宏二は萩原からあからさまに牽制されます。萩原が村瀬狙いだと気づく宏二。そして萩原も隠している宏二の本音に気づき、二人の間に火花が。

村瀬をめぐって萩原と宏二のバトルが…?と思ったら、とちゅうで萩原は宏二に鞍替えしておりました。なかなかお茶目なやつでした。
村瀬は、王子様のような微笑と育ちの良さそうな人の良さで「うっかり屋」ということもあって、なんとなくほっとけない雰囲気を漂わせ、宏二をやきもきさせるんですが、実は腹黒…とまではいかないけれど、意外と計算高い男だということらしいです。
怪我をさせた相手の代わりに店番をして給料も相手に渡すつもりだなどと、宏二は「当り屋」に引っかかったのでは?と心配するのですが、実は影で利用しているのは村瀬の方で、ヤクザも口先三寸で丸め込み、高校時代、憧れるあまりに村瀬を避け、村瀬の外側しか見ていなかった宏二は気づかなくても、仕事を一緒にしたり深く関わった人はみんな村瀬を本質を知っている。

なるほど「笑顔がくせもの」とあるように、裏ではいろいろ計算してそうなのはわかるんですが、実際あまり豹変したところは出てこないのが残念だったですね。どうせそういう設定なら、ガラッと変わる場面を見てみたかったです。
宏二は結局村瀬を美化したまま終わってます。そのままおつきあいして大丈夫なんでしょうか(笑) 
まあ、村瀬は宏二には優しいらしいので、直接は変わらないでしょうけど。ちょっと余所見しそうになったり、宏二にちょっかいをかけるやつがいたりしたら、影では血の惨劇が起こってるかもしれませんね。宏二は何も気づかずに。それもいいのか(笑)

宏二は最初はクールなタイプかと思っていたら、全然違いましたね。「どこがクールだ」と自分でも突っ込んでましたが、村瀬の笑顔にメロメロになって、何も知らずにポーッとなってるのも結構可愛いかもね。
萩原がなかなかいい味を出しておりました。傲慢なエリートだけど、坊ちゃん育ちにちょっとコンプレックスを持ってるみたいなのが可愛らしい。
まだ諦めてないみたいだけど、「当て馬」になるより作者様に他に相手を見繕ってもらって、別カップルの方がいいと思うな。
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