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なにがなんでも愛してる
樹生 かなめ著 / 神葉理世イラスト
講談社X文庫ホワイトハート (2006.7)


不運の女神に愛されていると評判の兄・柊馬を身近でみて育った双子の弟・和馬と兵馬は、人生を堅実に生きることを目標にしていた。
そんなある日、和馬は兄・柊馬にそっくりな美青年・樋口至と出会う。
儚げで楚々とした雰囲気を持つ樋口だが、実は柊馬にも劣らぬ不運体質だった…!!
一色和馬(いっしきかずま・大学3年生)×樋口至(ひぐちいたる・25歳)

「カッパでも愛してる」のリンク作です。時間的に被ってます。
前作キャラも登場していますので、もし「カッパ」を読んでいないと「?」と言うことになる部分もあるかもしれません。

今回は、双子のかたわれ・和馬のお話。
異母兄・柊馬(しゅうま)の不運のせい(?)で父の会社を乗っ取られ、現在は兄弟3人身を寄せ合って、狭い一間のボロアパートに住んでいる柊馬、和馬、兵馬(ひょうま)。
和馬と兵馬は、大学生活をエンジョイする周りの連中を尻目に、日夜バイトに明け暮れる苦学生生活をしています。二人とも将来は公務員を目指しています。なぜなら不運に見舞われた兄が次々と会社を倒産させるところを見てきたから。
そんなある日のバイト帰り、和馬は、「大売出し」の旗を抱きしめ、頭にネクタイを巻いて左右違う靴を履き、スーツの上下の色も違う若いサラリーマンが道端で寝込んでいるのを見つけます。その姿はいつも見慣れた兄・柊馬のもの。
和馬は柊馬を担いでアパートに帰りますが、実はその男、柊馬ではなく、柊馬にとてもよく似た外見の「樋口至」だったことがわかります。
そしてまた数日後、今度は兵馬が柊馬と間違えて樋口を拾ってきます。今度は樋口はゴミ捨て場に寝ていました。おりしも、その日、柊馬はパンダの着ぐるみ姿で道端に倒れているところを和馬に拾われて帰宅したばかりでした。
辛い営業接待に身を減らす柊馬と樋口は意気投合し、よくよく話をしてみると、なんと樋口は柊馬に勝るとも劣らない「不運体質」の男であることがわかります。

和馬は性格的にどちらかというとドライで、人からは冷たいと言われるタイプなんですが、「桜の精」と称されるほどの美貌の兄と似た外見を持ち、残念ながら兄には全くない「色気」までをも兼ね備えた樋口の「不運体質」に、だんだんとほおっておけない気持ちにさせられてしまうんですね。
「カッパ」で披露された柊馬の巻き起こす「不運」もたいしたものでしたが、樋口も凄いです。柊馬の場合、その不運には多少他人が絡んでいた部分もあって、現在はそんな運に負けないような強力な恋人がついているからいいんですが、和馬と樋口の場合、和馬が実害を受けていることから、こっちの方が凄いかも。
樋口はその美貌と無自覚のフェロモンで、勤め先の数々の男を狂わせ問題となり退職を重ねてきた男なんですが、もっとひどいのは「火事」をひきおこす体質(?)なんですよね。彼が住んだ家はことごとく不審火に見舞われ、その数なんと12回。
しかし、恐ろしいのはそれだけではなく、樋口が好きになった相手は必ず大怪我をするという。
和馬は災難に見舞われ、数々の怪我をし、なんと住んでいたアパートも火事で全焼してしまいます。柊馬は彬(あきら)と一緒に豪華ホテル住まいですからともかく、焼け出された和馬と兵馬のたどり着いた先は…ちょっとちょっと、これいくらなんでも可哀相じゃないの?

心理描写がどうのこうのはどうでもいいお話です。
そんなことに拘ってたら読めないので、ただ樹生ワールドに身を任せ楽しむのが正解。
そうは言ってもだいぶ「悪ノリ」な感は漂っています。
樹生さんて時々「シャレにならない」んですよね。
真面目なBLを求めるかたには、向かない一冊。
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